インダストリアル・ハードコア/テクノ~ガバ~ブレイクコア~ハード・テクノをフレッシュな感覚と優れたプロダクションで混合させた唯一無二の楽曲で注目を集めている期待の若手クリエイター「Shimon_Harbig」に音楽制作において影響を受けた作品について解説していただきました!
Murder Channelからリリースした新作『Petty Quarrel EP』がDoormouseやCardopusherのDJミックスに使用されるなど国内外で高評価を得ており、現在は盟友yumeoとのインダストリアル・テクノ・ユニット「codesight.」としても精力的に活動中のShimon_Harbig。このチャートでは、彼がどういった音楽に影響を受けて現在のスタイルを確立させていったのかが垣間見える興味深い内容となりました。
以前、GHz Blogにて行ったインタビュー記事も合わせて是非チェックを!
http://ghz.tokyo/ghz-interview33-yumeo-shimon_harbig/
Shimon_Harbig
https://www.instagram.com/shimon_harbig/
2017年からDJとして活動を開始し、翌年の2018年から楽曲制作を開始。エクスペリメンタルな展開と陰鬱なサウンドを特徴とし、2022年4月にリリースされた「Gimcrack Life Is Enough Is Enough Is Enough !!!」より自身のスタイルを確立。それ以降はハードコアテクノ、ガバ、ハードテクノを中心に制作。東京・渋谷を中心にDJの活動をし、海外アーティスト招致のパーティーにも参加している。
【Dance / Club Music】
1.1 800 PAIN / HURT
1 800 PAINを見つけた時のインパクトは未だに忘れられません。音がデカけりゃいい。サグい。
リリースする度にどんどんデカくなってきてますが…ミックス、マスタリング度外視の姿勢は良くも悪くも『Petty Quarrel EP』に影響を与えています。SE(FX)については触れません。
2.Rawtek & Sihk / Gabber! At The Disco
オランダのレーベル「Barong Family」からリリースされた楽曲で、このレーベルから明確にガバとして発表された初の楽曲になります。
キテレツな楽曲が多い「Barong Family」ですが、そのエッセンスを残しつつガバを取り入れた事に嬉しさと、視野の広さに衝撃でした。気持ちの面で、支えになっている楽曲です。
3.Hiroshi Watanabe / Lost City
うねるベースにボムっとしたキック、大好物です。
1996年に発売した「4th Dimension EP」の収録曲ですが、この曲を知ったのは「リッジレーサー7」に収録されていたことがキッカケでした。2つのvoxトラックが特徴的で、今聴いても新鮮です。「リッジレーサー7」版はBPMがかなり上げられていて、疾走感がえげつないです。
ちょうどEuromastersの存在を知った頃で、電子音楽の沼にズブズブとハマってしまい、今こんな感じです。
4.C-Show / PANIC HOLIC (20,000 POWER Extended)
ただひたすらにカッコいい。ガバとムーンバーコアの行き来もそうですが、voxやヴォーカルチョップの多用がブッ刺さりました。
僕も多用することがありますが、絶対この曲のせい。権利の関係もあってCDでしか入手できませんが、気付いたら家に届いてました。
5.Circus Brekovic / Cara Van Core
AudiotistとWan Bushiによるユニットの楽曲で、これを機に「ジプシーコア」という存在を知りました。元々ジプシー(ロマ、ケルト)音楽といったワールドミュージックが好きだったので、気に入らないわけもなく…テンションを無理矢理カチアゲられる感覚を覚え、それ以降「音楽」についてもっと深く考えるようになりました。
6.Tripped / U.S.A.Holls
前作「Grimdark EP」の4曲目、「J.P.N.Holls」という楽曲を発表させて頂きました。その元ネタというかリファレンスというかTrippedのmixを聴いてる中でこの曲が出てきましたが、「ワ、ワァ…」という感じでした。グルーヴ1本で勝負してる感がたまらないのです。そこに僕の破茶滅茶なグルーヴを足すと…?
「4.J.P.N.Holls / Grimdark」→https://murderchannel.bandcamp.com/track/j-p-n-holls
そんなカオスを、『Petty Quarrel EP』ではAudiotistがRemixを手掛けてくれました!僕に音楽を再考するキッカケを作ってくれた彼がどんなRemixを魅せるのか…激聴せよ!
【劇伴・バックグラウンドミュージック】
7.KOHTA YAMAMOTO / The Warriors(進撃の巨人)
物語がマーレ編に入ってからOP,BGM共に戦争を彷彿とさせるものに変わり、シーズン1〜3の澤野弘之エッセンスを残しつつ、まったく別物のBGMに変わりました。かなりシビれましたね。
何かをテーマに作曲することの重要性、テーマに沿うことの難しさをヒシヒシと感じ、音楽の面白さをより感じることが出来ました。ヒロイックなホーンセクションが堪りません!
8.The Texas Philharmonic Digital Orchestra / Mega Racer(Spy Kids 3)
劇中のレースシーンでのBGMです。前半の様子見の後、後半激化すると同時にシンフォニックメタルへ移行、鳥肌モノです。
楽器の使い方、奏法、展開の仕方、その他諸々基礎的なことでお世話になった楽曲です。今役に立てていないかもしれませんが
9.Daniel Dombrowsky / Luck Runs Out(Dark Deception)
「恐怖」「緊迫」「狂気」が殴り込んでくる感じが堪らなくキツい楽曲です。
凄まじすぎて参考にすることすら出来ないレベルですが、総じてインダストリアル。これを上手く料理して取り入れられたらいいなとか…今後の自分に期待を込めて紹介させて頂きます。
10.Vanguard Sound / Sie liebten sich beide(Punishing: Gray Raven)
これがバックグラウンドで流れるの?という感じでした。あまりの美しさと主張の強さに涙が止まりません。
オペラ→ケルト→ケルト(エピック)→ムーンバーコアと目まぐるしい展開は、先述の「J.P.N.Holls」、今作の「Hypermeterism Syndrome for Killertune」等の楽曲に影響を与えています。
Nierシリーズをリスペクトしている本ゲームですが、楽曲目当てで今もログインだけしています。