Raggtek Top10 by 浦飯 幽子

未分類

ダンスホール・レゲエのタフネスとジャングルの疾走感をハードテックに落とし込んだ激アッパーでパワフルなジャンル「ラガテック」の魅力に迫るチャート記事を公開!

未だ謎の多いラガテックですが、2000年中頃に活動していたJungletek Movement、Frogs、BreakteamといったUKとフランスのレーベルがリリースしていたFreddy Frogs、Fix、Candy、Soundsboys Killers(Krumble)のレコードで聴けるジャングルとテクノ/トライブをケミカルに掛け合わせたハイブリッド・トラックには今に続くラガテックのルーツを垣間見る事が出来ます。2000年後半からは、ラガテックにフォーカスを当てたレーベルやアーティスト達も続々と増え、近年ではジャングル・シーンとも密接に繋がり、WickedsquadやChopstick Dubplateのラガテック・リミックスやレゲエディージェイをフィーチャリングした楽曲のリリースも増えており、シーンを飛び越えて各国のダンスフロアを揺らしています。

日本国内でも注目度が上がってきているラガテックですが、まだアンダーグラウンドをベースとしている事もあって情報が少なく、どういったアーティストやレーベルをチェックすればいいのか解らない方も多いかと思います。そこで、今回はハードテック/ラガテックのDJとして活動されている「浦飯幽子」さんにラガテックのチャートをご執筆して頂きました!

このチャートでご紹介してくださった作品はどれも素晴らしく、ラガテックの入門に最適です!
ラガテック好きは勿論、ジャングルやドラムンベース、ブレイクコア、ベースミュージック好きも必見の内容となっております!


初めまして。
大阪でHardtek/RaggtekのDJをしている浦飯 幽子と申します。

まず初めに、Raggatekとは何ぞや?というところからですが、
HardtekにRaggaeやRaggaJungleの要素とRespectが混ぜ込まれたジャンルだと思っています。説明そのまんまやないかい!!というツッコミが聞こえてきそうですが、
Raggae, Ragga Jungle特有の良い意味での泥くささと、Hardtekのキャッチーなグルーヴ感が融合された、聴き応え420%のジャンルだと思っています。

近年、海外のRaggatek Artistの来日やリリースも続々増えてきており、今最も熱いジャンルの一つです。夏の野外なんかで聴いたらもう最高。もちろん屋内でも映えまくります!

今回は、このRaggatek の中でも、 私浦飯 幽子が思う「寒い冬でも一瞬で暑くなれる強めのRaggatek」というテーマで10曲紹介させていただきたいと思います。
以下、敬称略です。

1,Please sing/Yowii

まずは個人的にRaggatekにハマったきっかけの1曲をご紹介したいと思います。
SpainのBarcelona在住のArtist、Yowiiの疾走感溢れる1曲。2:18~の展開で度肝抜かれます。非常にズルイです。

mixやDJ時の1曲目に使うと、フロア映えもバッチリなので、DJの方にもすごくオススメの1曲です。
Raggatek powerシリーズは多種多様なRaggatekがたくさん収録されていますので、初めて聴くという方にもオススメのシリーズです。
下記URLから購入できます!

RaggatekPower series
https://download.undergroundtekno.com/en/labels/raggatek-power/albums

2.Yaga Yaga/Vandal

Raggatekの代表Artistと言っても過言ではないVandalのNew Albumが昨年12月ににリリースされました!
Vandalは、kaotiksoundsystemというレーベルを主催をされていて、UKを拠点に置きながらも世界中で幅広く活動されており、各国で骨太で硬派なRaggatekを鳴らし続けています。そんなVandalのNew Release「Rave&Culture」からの1曲目「Yaga Yaga 」は力強くてポジティブなRaggatek ナンバー。アルバム全体通しても迫力抜群の1枚です。
2016年にFranceで行われたこちらのLive setがすごくカッコいいのでおすすめです。個人的に今最も観たい!!と切望してやまないArtistです。

Vandal LIVE @ Reggae Sun Ska (Bordeaux, France) 2016
https://www.youtube.com/watch?v=da-klPultlw

3.Hot Hot Hot /Mandidextrous

次に、AMEN4TEKNO代表のJungletek Queen、Mandidextrousの珠玉の1曲をご紹介!
まずはじめに、AMEN4TEKNOとはですが、UKのBristolを拠点に活動するMandidextrousを筆頭に結成されたRaggatek, JungletekのArtist 集団です。
他にもC3BやE-Coli, T-manace, Matt:scratch, 先ほど紹介したVandalなど、実力派のArtistがたくさん所属されています。(詳しくは下記記載の公式HP内に載っています)
Drum’n’BassやRagga Jungleの要素をTeknoと融合させた彼女のスタイルは、
Jungletek styleとして確立しており、拠点のUKはもちろんのこと、
世界中に大きな影響力を与え、様々なジャンル層からも多く支持され続けています。

2018年3月には、神戸在住のPavtek氏主宰の「PHONORAMA HARD TIMES VOL.7 ラーメンフォーテクノツアー」にてMandidextrous, C3B, E-Coliが来日しています。
同年7月にも、MandidextrousはFUJIROCK FESTIVALのUNFAIR GROUND STAGE出演の際に来日しており、同日出演のTanukichi, Stivs, MY BAD SISTERS達と共に本場のシーンを再現した熱いLiveは、日本のHardtekシーンに大きな影響を与えた歴史的な瞬間だったのではと思います。

前置きが長くなりましたが、そんな彼女の、私が最強と思う1曲は、JUNGLETEK MAFIA Vol.2から「Hot Hot Hot」。タイトでありながら疾走感に溢れていて、一度聴いたらクセになる中毒性がたまりません。様々なリリースがありますが、特にこのJUNGLETEK MAFIAシリーズは、ボリューム満点でジャンルのテイストにも富んでいるので聴きやすいシリーズだと思います。下記記載公式HPから購入できます。また、オリジナルWEARもすごくカッコいいのでとてもおススメです!!実際に購入し愛用していますが、シルエットや生地もしっかりしていて着心地も抜群です。
このような、Artwork面にも細部までこだわる姿勢も、彼女達の大きな魅力とも思います。
昨年にHardtek.jpで公開されたインタビューに、mandidextrousの詳しい活動内容やBristolのシーンなどについて語られています。

AMEN4TEKNO 公式HP
https://www.amen4tekno.com/
Hardtek.jp Mandidextrousインタビュー

インタビュー Mandidextrous (Amen4Tekno)

4.Comin in Ard/Simply Dread

次にご紹介するのは、こちらもAMEN4TEKNO所属Artist、Simply Dreadのゴリゴリな1曲!こちらはRaggatekというよりかは、Jungletekですね。
普段、Jungleも作っていらっしゃったりするので、Jungle好きの方にもおススメです。
こちらの曲は序盤からジワジワと上がっていき、激しい展開になる展開がなんともズルイです。ボルテージを上げて来てからの、いきなり良い意味でアホになる魅せ方がとても面白いです。Breakcore等とも相性が良いのもポイント!夏の海辺で聴いたら、テンションが上がって思わずショットグラスとか投げそうになる感じの加速度合いが最高です!(危ない)

5.Marijuana/Guigoo

こちらはシーンの第一線で活躍し続けるGuigooの1曲!
GuigooはFANT4STIK(MAT WEASEL, FLOXYTEK, BILLXで結成されている、HARDTEKシーンを引率する存在といっても過言ではないクルー)のメンバーでもあり、ソロとFANT4STIKの両方で大活躍されています。
そんな彼のRaggatek Album「CATCH ME IF YOU CAN」は、彼の曲の魅力がギュッと凝縮された1枚です。ご紹介するこちらの「Marijuana」は、ど直球タイトルそのままのストイックさと、耳触りの良い硬質なキックがたまらない1曲。アルバム全体を通して、ザ!Raggatekというような、ルーツに強くリスペクトを感じる1枚です。またこのアルバム全曲、とにかくDJで使いやすいです。本当に使いやすいです。(感動のあまり2回言いました)
Raggatekをミックスで使いたい!というDJの方にも非常におススメの素晴らしい1枚です。

6.Taiwan MC Feat Paloma Pradal-Catalina / Tanukichi&DK Brothers Remix)

続いて7曲目は、日本が誇る世界のHardtek producer Tanukichiと、SpainのBarcelonaに拠点を置き活躍するDK BrothersによるCatalina remix!!
強いアタック感と、ハッピーでいてポップなバランスが最高の1曲。
大きな音で屋内で聴いたら最高に気持ち良いこと間違いなし!このチャートのテーマ通り、寒い冬でも一瞬で暑くなれるほど踊ってしまいます。
Tanukichiが関わるNewprojectのKAIJUSQUADの最新リリースも現在各国で話題沸騰中!今春には来日ツアーの予定もあるとのことですので、今後の活躍や動きにも目が離せません!!

KAIJUSQUAD soundcloud
https://soundcloud.com/kaijusquad

7.Teach A Dem(Mr Tools Remix)/Raggatek Live Band

次の紹介はRaggatek Live Bandのこちらの曲!Raggatek Live Bandは、Neurokontrolを筆頭に数人で結成された、その名の通りDJやMC、生楽器等を演奏するメンバーで構成されているLive Bandだと思います。斬新なスタイルが唯一無二でとてもカッコいいです。
この曲はミニマル且つ、しっかり破壊力を持った音のバランスが絶妙で最高です。1:18~の音でグッと引き込まれるあたりもたまりません…!収録されている「Graffiti Sonore」も間違いないRaggatekが多数リリースされていますので、より多く掘りたいという方にもおススメです。

Graffiti Sonore series
https://astrofonik-tribecore-raggatek.bandcamp.com/music

8.Massive Impact(Tek Hot Conscious)/Savage States feat.Numb’n’dub

ここでは国産Raggatekを紹介致します! 大阪を拠点に活動する、独自の感性で唯一無二のスタイルを更新し続け、世界中を駆け巡るNumb’n’dubと、大阪シーンの第一線を常に走り続け、様々なジャンルを縦横無尽に混ぜるスタイルが人気を博しているB2Bユニット、Savage Statesの1曲。曲名の通りHotで、メロディアスな展開が何度も聴きたくなります。まさに大阪Raggatekアンセム!!!
彼らは2018年6月にUKで開催されたBALTER FESTIVALに出演されていましたが、この曲でがっしりフロアをロックしまくっていて圧巻でした。。このBALTER FESTIVALは、AMEN4TEKNO所属のE-Coli主催がする大型野外FESなのですが、今年も5月末頃から開催されるとのことです!

Raggatekがメインで鳴るといっても過言ではないFESなので、こちらのチャートでRaggatekに興味を持たれた方は是非、行ってみてはいかがでしょうか?音以外にも、度肝を抜かれる面白いものがたくさん観れると思います。(笑)詳しくは下記公式HPをチェック!続々ラインナップ追加されてきてます!

BALTER FESTIVAL 公式HP
http://www.balterfestival.com/  

9. Le combat est lancé (feat.weedo)/Neokontrol

コテコテなRaggatekが続いたので、少し変化球的な感じで別テイストの曲を紹介いたします。 Raggatekとは少し違うかもですが、
最近 更に人気上昇中のHitechと、Raggatekが融合したRaggahitechがO.V.N.I Recordsから出ています。
RaggatekとHitechのどちらの良さもうまく生きている、このありそうでなかった組み合わせ!!踊らずにはいられません。この曲の1:32~の本領発揮感がこりゃまたテンションぶち上げに襲いかかってきます。今後もどんどんリリースが増えそうなジャンルだと思うので、今からとても楽しみです。野外Raveにピッタリ!!!

10.Selektah Bun it/Maotai Monkey

最後は思いっきり強いRaggatekをご紹介します!こりゃもうFrenchcoreやないかい!とツッコミたくなるくらいの強めのキックが、十分に鼓膜と脳を満足させてくれるお腹いっぱいな1曲です。1で紹介させていただいたRaggatek powerの07に収録されています!フロアでビールやドライジンなどをロックでグビグビ飲みながら聴きたいです。

以上、様々なテイストのRaggatekを紹介させていただきました!

私が住む大阪では、先程挙げさせていただいた、Pavtek氏が主宰されている「PHNORAMA HARDTIMES」が、Raggatekメインのpartyで、全身でRaggatekを感じられるボリューム満点のpartyなので、大阪に住まわれてる方もそうでない方も是非!

今後も目が離せないRaggatek、今年もいろんな曲がリリースされるのが今から楽しみです!

浦飯 幽子
https://twitter.com/biseibutu7

何事も面白いか面白くないかで決める単純思考型人間。
Hardtek/Raggatekを主軸にその他、Breakcoreなども好み、癖のあるものをBPM190の中に縦横無尽に放り込むスタイルで常に全力疾走している。
2018年6月には、UKで開催された大型最狂野外フェス、BALTER FESTIVALに出演し、JAPAN INVATION TAKEOVERのトップバッターを努めた。同時にUKに8個ほど忘れ物をする偉業も成し遂げた。同年7月にはFUJIROCKFESTIVALのUNFAIRGROUNDステージにも出演を果たす。好きな言葉は「僕は死にましぇん。」