11月15日にMHzからリリースするFFFのドゥームコア・プロジェクト「▲NGST」のシングル発売に向けてGHz Blogにてドゥームコア特集を開催!
第一弾は▲NGSTことTommy De Roosがおこなったドゥームコア・アーティストのインタビュー集を公開します!
このインタビューでは、90年代からドゥームコア・シーンで活動しているパイオニア的存在であり、自主レーベルからリリースしたレコードはドゥームコア以外のリスナーからも支持され世界中に根強いファンを持っているドゥームコア・ユニット「Fifth Era」、ハードコア・テクノを中心に様々なスタイルのトラックを作り膨大な量の作品リリースをおこなっている「Low Entropy」、ドゥームコア・レーベル「Hellfire Records」のオーナーでありクリエイターとしても長きに渡って活動している「Darkside」、▲NGSTやFifth Eraの12″レコードをリリースしている「Altar Records」や「AcidCoreRecords」というドゥームコア・レーベルを運営している「Le Bourreau」、 Doomcore RecordsやNight Terror Recordingsから作品をリリースしているハードコア/ドゥームコア・アーティスト「AnTraxid」、Fifth Eraや▲NGSTのリリースやドゥームコア・イベントをオーガナイズしている「Ketacore Records」のオーナーである「Stefan Ketacore」といったドゥームコア・シーンにおいて重要な人物達が勢ぞろいしています!
元々ドゥームコアのリリースは他のハードコア・テクノに比べるとリリース自体が多くはなく、最近ではカセット・テープやVHSテープでのリリースや限定枚数のみのレコードなど、フォーマットも限られておりハードコア・テクノの中でもマニアックな位置づけをされているかとおもいます。
それでもヨーロッパのアンダーグラウンド・シーンを中心にコアなファンは存在しており現在もデジタルリリースを中心としたレーベルやリリースは活発に動いています。
中々情報や背景が見えづらかったドゥームコアですが、このインタビュー集はドゥームコアの歴史と魅力が凝縮された非常に貴重な内容の物となりました。
ハードコア・テクノファンは勿論、インダストリアルやノイズミュージック、ドゥーム(メタル/ロック)などのジャンルが好きな方やElectric Deluxe、Mord、Perc Trax、Sonic Grooveといったレーベルの作品が好きな方にもドゥームコアは響くはず!
是非ご必読を!
“Doomcore”は簡単に定義できるジャンルではない。そもそも定義できるものであるのか、ブレイクコアのように人によって様々な意味を持つものなのだろうか。
Doomcoreについて記事を書いてほしいとの依頼を受けた時は、Doomcoreという言葉を自分で使用している、又はそれと関連があると思われるアーティスト、レーベル・オーナー、プロモーター達をインタビューするしか方法は無いと感じた。彼らの答えをここに無修正のまま記そう。
Doomcoreをどのように定義しますか?
Low Entropy: Doomcoreは自分にとっては音楽の種類じゃなくて心理状態なんだ。これはプロデューサーとリスナー、ひとりひとりにとって異なるんじゃないかな。個人的にはMarc Acardipaneが最もうまくこの心理状態を表現していると思う。彼曰く「この馬鹿げた人間ドラマにハッピーエンドがあるとはとうてい思えない。」「核で破壊された後の地球を見ながら、その景色を楽しむところを想像できるか。」Doomcoreシーンでは、この心情に共感出来る人が多いんじゃないかな。
Fifth Era: 怠け者のジャーナリストとか、そういう寄生虫みたいな連中が都合よく芸術活動を分類するために使う用語に過ぎないね。大勢の才能の無い馬鹿が、実態の無い”Doomcore”流行に便乗したおかげで、最近では全く意味を失っている。月曜日はガレージ、火曜日はダブステップ、週末には「The Wire」みたいな下らない音楽誌に取り上げられているもの、という調子で楽曲を作っているような奴ら。要するにcunt(クソ野郎)ね。今は意味を失ったDoomcoreというジャンルから俺達はFifth Eraを切り離そうとしているんだ。今じゃ俺達が20年前に始めたものを水で薄めた、ションベンのようなシロモノになり下がってる。
Le Bourreau: 身動きが取れない感覚、閉塞感、重量感。荒廃し、人間が魂を失ったように彷徨うこの世の中をありのままに見つめること。
Darkside: スタイルの幅が広いから、あまり限定してしまうようなことは言いたくないんだけど・・・とてもダークでハードなテクノの一種で、インダストリアル的な領域に位置するもの(ただし、ホラー映画的なテーマ/病的かつ破滅的な音風景を特徴とする)。個人的には、自分が思うDoomcore初期に確立された、不朽の魅力がある音を取り入れるようにしている。例えば、一見フロアでつまづいてしまいそうな複雑なタイミング・レートやエディット(予想外のロールやパターンやドロップ・アウト)。不意を突かれるような感じであっても、上手くやればカッコ良いものが出来る。Doomcoreはアレンジメント的に単純なようでも、グル―ヴ感のせいでつい身体が動いてしまい、繰り返し聴きたくなってしまう曲がある。これは良い「ダンス・ミュージック」と呼ばれるもの全てに共通することなのかもしれないけど、Doomcoreの場合はパーカッションがよりミリタリー的なのが特徴だ。自分は、Doomcoreはその名称の通り、Doom(破滅)、悪魔的、病的な音であるべきだと思う。この要素が無ければDoomcoreとは呼べない。でもキックドラムをフィルターに通しただけでDoomな雰囲気が出ることもあるし、オーケストラのような音やインダストリアルなものまで、とにかくDoom的な音を出すには様々な方法があるんだ。シンプルでミニマルなものから、オーケストラ的な壮大なものまで・・・だからその一部だけをDoomcoreとしてしまうと、それ以外のものをないがしろにしてしまうことになる(笑)でも音についてはある程度うまくまとめられたと思う。
Antraxid: 音について:自分にとっては、マジでダークなハードコアに破滅的で憂鬱なテクスチャー、暗い音、ザラついた楽器音やサンプルを織り交ぜたもの。
メンタリティーについて:優しさじゃない。憂鬱、反発、逃避、悲観的な無神論、憎しみ、欲求不満、深層心理から来るニヒリズム。世の中でほとんどの人達が無視したり、否定したがるものをテーマとしているけど、これを美化するわけでもない。一種の精神的処理なんだ。自分の中の悪魔を追放するための。
Stefan Ketacore: Doomcoreという言葉は最近乱用されているけど、この名称が使われ始めた当初は、ゆっくりと重く響く、取り憑かれるようなハードコアテクノ・・・主にダークで破滅的な雰囲気のもので、レイヴ感が漂う(しかしレイヴ過ぎない)音楽を指していた。
いつ、そしてどのようにDoomcoreは始まったと思いますか?最初のDoomcoreの楽曲は何だと思いますか?
Fifth Era: The MOVER。特に「Waves of Life」。Marc Acardipaneは紛れもなくDoomcoreと良いダークテクノのゴッドファーザーだと思う。
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Antraxid: まったく見当がつかない。
Darkside: 僕にとって、最初に一貫としてDoomcoreのトラックをリリースしていたのがPCPのレーベル「Cold Rush Records」。例外として、「DE2017」や「Test Records」(いずれもPCPのサブレーベル)からもいくつかの曲が出ていたけど。他にも映画「サンゲリア」のサントラを担当したFabio Frizziや「ゾンビ」のサントラを担当したGoblinもDoom的な楽曲を制作しているけど・・・もしかすると、Miroはこういうところから「Skeletons’ March」のインスピレーションを得たのかも(憶測だけど)。違うのかもしれないけど、スタイル的に類似するものがある。
Le Bourreau: かいつまんで言うと、Cold Rush Recordsは古典の巨匠。Fifth Eraは現代の巨匠。
Stefan Ketacore: 90年代前半、The Mover(フランクフルトのPCP所属)が「Frontal Sickness 1 & 2」を制作した。テクノのような曲もあれば、エレクトロを激しく重くしたような曲もあった。「Into Wasteland」は今では「普通のテクノ」に聴こえるかもしれないけど、発表されたのは1991年だ。普通のテクノファンにとっては超ハードだったはず!Doomcoreとは言えないけれど、「Into Wasteland」はその道を開いた曲であることは聴けば分かると思う。僕としては、The Moverのアルバム「The Final Sickness」(1993)の「The Emperor Takes Place」が初めてリリースされたDoomcoreだと考えているけど、当時はそう呼ばれていなかったはず。
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Low Entropy: Doomcoreは常に存在していた。アイデアであり、音楽の在り方の一つであって、特定の時代に縛られるものじゃない。80年代に出たSuicideの曲「Long Talk」は既にDoomcoreの要素を多く含んでいたし、70年代のBlack Sabbathはギターで奏でるDoomだった。さらに、ワーグナーやJ.S.バッハの音楽にもDoomの要素を見出すことができる。
特定の制作方法やマスタリング(Lo-Fi、圧縮等)は重要ですか?
Antraxid: そう思わない。
Low Entropy: ルールというわけでは無いけれど、多くのDoomcore曲の制作にはミニマルな手法が用いられている。ベースがあまり無いドラムや、カセットテープからダビングされたかのような薄く、金属的な音。もともと、Doomcoreのこういう要素に惹かれたんだ。もちろん、逆にプロダクションとマスタリングにかなり重点を置いた曲も存在する。
Fifth Era: いいや。大事なのは魂。フェイク野郎は死ね。
Le Bourreau: ノー。上手くマスタリングされた曲は好きだけど、やりすぎるとフィーリングが失われてしまう。
Darkside: 重大なトピックだね(笑)Lo-Fiの名曲を聴いたこともあるし、高音質でもつまらない曲も聴いたことある・・・つまり独立的かつ総合的に良い音楽を作らなければいけないということなんだけれど、最近では自宅スタジオのコストもぐっと下がってきていることもあるし、アーティストとして一定のクオリティを期待されているのも事実。僕はアナログ盤のレーベルを主宰しているから、マスタリングは重要だと感じている。それに耳から血が出たり、制作がいいかげんなせいでレコードから針が飛ぶのはゴメンだね(笑)圧縮については、良いツールだと思う(僕も様々な使い方をしている)けど、気をつける必要があるね・・・さて、アナログ盤のマスタリングだけど、デジタル・マスタリングとは少しワケが違う。ダブ・プレートをカッティングできる機械を自分で持っていて、人のために1枚限りのダブ・プレートを切ったことがあったり、自分でアナログ盤のマスタリングをやる知識はあるんだけれど、自分のトラック(HFの一般リリース用)は他人にマスタリングしてもらっている。理由としては自分のトラックには愛着がありすぎるから、毎回、自分自身でマスタリングすることを避けたいから。人にやってもらった方が、客観的にベストな仕上がりになるし、自分は制作だけに集中できる。「よし、出来た。あとはマスタリングで磨きをかけてもらうだけ。」という具合。
Doomcoreには決まったBPMがあると思いますか?
Darkside: 一般的にDoomcoreは通常のハードコアと比べてテンポが低めであるとされている。ハードコアは300BPMまで行くことがあるけど、踊れる限度は約120BPMから170BPMなんじゃないかと思う。
あくまで一般的な話だけど・・・170BPMを超えると、テクノ界隈では「ハードコア」と呼ばれる部類に入るから、Doomcoreとは呼ばれないと思う。人によるけどね。Kotzaak Recordの音はDoomっぽくて、悪魔的な雰囲気があるけど、トラックは全部170BPMを超えている。逆にBPM低めのDoomcoreを制作しているプロデューサーも、同じ曲の中でテンポを変革させて一時的にスピードアップしている場合もある。一般的に言うと、Doomcoreは大体のハードコアよりテンポが遅い。他にも同じことを言う人は多いよ・・・それに他のハードコアのスタイルと区別する要素も必要なんじゃないかな。テンポはこのひとつだと感じる。でも、ルールを破る様々なテクニックもある。
Antraxid: 絶対に無い。最近では低いBPMのトラックも増えているし、さらにBPMの幅が広くなった。
Fifth Era: 無いね。
Low Entropy: いや、重要ではないと思う。自分の楽曲に関しては、0から60BPMのものもあるし、スピードコアの要素を含むトラックでは一時的に600BPMを超えるものもある。
Stefan Ketacore: 厳格なルールは無いけれど、大体の曲は110から130BPMじゃないかな。
Le Bourreau: ノー。僕にとってはフィーリングだから、100BPMでも200BPMでも、Doomcoreのフィーリングがあれば同じ。
Doomcoreではやってはいけないことはありますか?(サンプル、音、制作方法)
Fifth Era: 無いね。
Low Entropy: 無い。自由にやりたいことをやっていい。例えば、Doomcore RecordsではAliochaのフォークギターのサンプルを含んだトラックがある。
Antraxid: EDM的なリード音をビルドアップに使うのは、ダークで狂った音楽を作るのに適していない気がする。
Darkside: 僕にとってDoomcoreは病的、凶悪、破滅的なものであるべきだと思っているから、個人的にはハッピー過ぎる音をDoomcoreのトラックには使わない。Doomを制作する時はひたすら暗黒を感じて、最後までトンネルの先に光は無い。でも、自分自身に驚くことがよくある。例えば、以前は自分がHardcoreやDoomcoreのトラックに女性ボーカルを使うことはまず無いと思っていた(ダークな雰囲気の聖歌や詠唱を除いて)。でも最近、神になることをテーマとした、ゴシック詩のような歌をリミックスした。ボーカルのピッチを下げて、より邪悪で悪魔的な音にしたんだけど、とても上手く仕上がった。だから、上手くやれるんだったら、何でもやっていいんだと思う。
Stefan Ketacore: ガバと違って、Doomcoreではあまりヒップホップのサンプルは使われていない。また、歌物やキャッチ―なものはジャンル的に合わない。
Le Bourreau: ワブルかな?
貴方は自分の音楽をDoomcoreだと思いますか?また、そう思う場合、ご自身の哲学について教えて下さい。
Le Bourreau: 哲学は無い。あるのはアナログ盤で狂乱できる音楽を聴きたい欲求のみ。
Darkside: うん。自分の音楽をDoomcoreと呼んでいるけど、他のスタイルの音楽も制作している。哲学については・・・時によってはかなりこだわるから、沢山ルールを並べることもできる・・・例えば「Doomcoreのキック/スネア/クラップはこうあるべきだ」とか。まぁ、それはやめにしておくけど(笑)でも、時によってはルールを破ってみたり、前述の通り新しいことをやってみることも好きだね。個人的に、曲に盛り込むのが好きな要素は大体決まっている(つまり強調されたリバーブ等、Doomcoreを他のジャンルから差別化する要素)。大事なのは、ハートに従うことかな。そして、ダーク/不気味/凶悪/破滅的な音を意識すること。Doomcoreを制作するにあたって意識しているルールはこんなところかな。でも僕は原理主義すぎるのかもしれないけど(笑)
Low Entropy: 様々なスタイルの音楽を制作しているけど、最近のメインはやはりDoomcoreとDoomtechnoだね。僕の哲学は・・・一言でまとめるのは難しいな。とりあえず言いたいのは、どんなに世の中がクソになっても、希望はある。闇の中の光明ってやつ。
Fifth Era: もう思わない。前述の理由により、俺達はFifth EraをDoomcoreという意味の無いアホなレッテルから切り離したい。俺達が活動を始めた時にあったのは、PCPやCold Rush等の関連レーベル(全部Marc Acardipane)に加えて、ごくたまに他にもそれっぽい曲が出ていたくらいだったから、PCPの一員でなかった俺達(でもあるレビューによると「PCPよりもPCP感が出ていた」)は自分の音楽を説明する必要があったんだ。逆にAbbaと同じくらいナヨナヨした曲しか作れない馬鹿でも、自分がDoomcoreだと勘違いしている今は、この言葉は意味を完全に失ってる。あと、狙ってダークなトラックを作ろうとしている奴らもいるけど、それに対して俺達はただ「良い音楽」を作ろうとしているだけで、俺達自身の生き方や、受けてきた影響によって、必然的にダークなものが生まれるだけなんだ。「よーし、超ダークなトラックを作っちゃうぞぉー」ってなノリで制作したものは屁みたいな音にしかならない。フェイクだから。
貴方が作る音楽/主宰するレーベル/開催するパーティーのインスピレーションとなったのは何ですか?
Stefan Ketacore: 2000年代初期に、ロンドンのLast Tomorrowというパーティーに行ってたんだ。これはPCPに多大な影響を受けたCrossbones Soundsystemが主宰していたDoomcoreパーティーで、彼らは自分でDoomcoreを中心としたレーベルや販売もやっていた。そしてパーティーをやってた奴らと仲良くなったんだ。Fifth Eraとも友達になり、なんとメンバーの一人は僕の叔母さんと結婚したんだ!それから数年後、パーティーは下火になって、僕らはブレイクコアのシーンに出入りするようになって、積極的に活動していたんだけれど、あるきっかけで、やはりDoomcoreパーティーが懐かしくなったんだ。その時、叔父さんがまだFifth Eraで活動していたから、彼らと何かリリースしたいと思った。その時のリリースパーティーで「Beyond the Realms of Doom」が生まれた(スローガンはかなり前からFEが考案していたものだったけれど、この時に使用させてもらった)。
Antraxid: 沢山あるよ。頭に浮かんでくることをやるだけだ。時々何かを聴いたり見たりして・・・例えば映画のセリフからアイデアを得て、それに取りつかれてしまう。他には、機材をいじりだしてサウンド・デザインに没頭しているうちにトラックになっているということもある。
Low Entropy: 音楽は・・・自分の一部。音楽無くして人生を楽しむことは出来ないと思う。自分が作った音楽を人に聴いてもらえるのは大きな喜びだ。でも一番重要なのは、メインストリームの音楽には無い、Doomcoreならではのアイデアを伝える事が出来ること。
Fifth Era: 俺達の経験や俺の人生。俺達をよく知っている人なら、わかってくれるはず。Fifth Eraは「自我のプロジェクト」なんだ。人生を音に変換する過程。人が気に入るかは全く関係無い。俺達のため、俺自身のために作っているんだ。もちろん、一定の人たちに気に入ってもらえていることはありがたいけれど、大衆や「シーン」に媚びるつもりは一切無いね。99歳になっても(仮にそこまで長生きできたら)、自分にとって面白い/楽しい/娯楽となるものを作り続けることが出来たら満足。それを他人に理解してもらえたとしても、それはボーナスでしか無い。
Le Bourreau: Fifth Era、▲NGST、Darksideや自分の周りの世界。
Darkside: 主な動機はクリエイティブなことをやりたいという欲求。音楽制作に関しては、かなり遅く始めたんだ(学校では音楽の授業が大嫌いだった)。
1992年にレイヴ・ミュージックを聴くようになって、初めてDJをやりたいと思った。1993年ごろ、18歳の時に人生で初めてターンテーブルを手に入れ、1996年から97年あたりにAmiga 500と8ビットサンプラーを使って、今ではハードコア/テラーと呼ばれるものを作り出した。1999年ごろから様々なハードコアのレーベルからアナログ盤をいくつかリリースしたことをきっかけに、自分のレーベルを主宰したいと思うようになり、2007年についてこれを達成した(今年で10周年)。自分の音楽をアナログ盤でリリースするという目標は大きなインスピレーションになったと思う。ネットが普及する前の時代だったから、当時はデジタル版のリリースは無く、CDくらいだったから、みんなアナログ盤を欲しがっていた(多分今でもそうだと思うけど)。当時はイベントやレイヴ等に出演する以外で、自分の音楽を世界に発信する数少ない方法の一つだったんだ。
レーベルの名称は、秘密結社「ヘルファイア・クラブ」から取っている。僕の先祖が1700年代に初期メンバーだったらしい。教会の地下に洞窟を作って、怪しげな儀式を行っていたらしい・・・悪魔崇拝とか修道服を着た女性が怪しげなことをしたり・・・まぁご想像にお任せします(笑)これは余談として、先祖のことを知った時はちょうどレーベルの名前を考えようとしていた時だったから、ぴったり当てはまったんだ。ただの名前じゃなくて、特別な意味があるものだった。そして「Hellfire Records」は誕生した。
曲を制作する時は、自分の人生やその日の気分をインスピレーションにすることが多い。不満や怒りをダークな音楽として発散する。音楽的にはパンクやインダストリアル系からクラシカルまで幅広いジャンル、そしてDoomcoreを確立したアーティスト達にインスピレーションを受けている。例えばPCP、Kotzaak Nordcore、Industrial Strength、Drop Bass Network等等・・・
Doomcoreにビジュアル要素があるとしたら、それは貴方にとって重要ですか?
Fifth Era: いいや。
Antraxid: 重要かどうかは分からないけど、音と視覚は協調しあうものだと思っている。
Low Entropy: あまり重要じゃない。好きなことをやればいいと思う。ありきたりなドクロのデザインはやめた方がいい。カッコよくなければ。
Darkside: アートは前から興味がある分野だね。グラフィティやスプレーを用いたアートをやっていたので、昔から好きだった。レーベルやアーティストにとって、表現したいことを伝える媒体として、ビジュアルはある程度重要な要素だと思う(僕は昔からアルバム・アートが好きだった)。でも結局のところ、音楽は独立しているべきだと思う。
Le Borreau: 重要だけど、必須では無い。音楽でも、ビジュアルでも、それらを組み合わせたものでも、自分を表現することは良いことだと思う。
Stefan Ketacore: Doomの要素が入っていればいいかな。だから、ハッピーな感じじゃなくて、ホラー/グロ/死/暗黒なものがいい。
最も好きな Doomcoreトラックを10曲挙げて下さい。
Fifth Era: 「俺が一番マニアックな曲を知ってる」アピールは避けたいので、簡潔に:Mover、Program 1、Cold Rush名義等々のMarc Acardipane作品。
Darkside: 良い曲が沢山あるから難しいな。特に好きな順番というわけじゃ無いけど、自分がとても好きな曲や、何らかの形で影響を受けた曲を挙げてみるね。
Moverのトラック、多数
Reign Skeletons March -Dance Ecstasy 2017 / 2043
Dimension of the Doomed by frozen + dr macabre
Dr macabreのトラック、多数
Cold Rush Records (ほとんどの曲)
Test Records (PCP sub label)
TTC records、多数
Low Entropy: 特に順番に意味は無いけど・・・
Mescalinium United – We Have Arrived
Rat Of Doom – Before The Breakdown
Taciturne – Mourning
Current 909 – Golden Dawn
Reign – Light And Dark (The Next Dimension)
Superpower – Innocent Minds
Arrivers – The Things To Come
Miro – Purple Moon
Renegade Legion – Dark Forces
Marc Acardipane ft. The Horrorist – Human Machine
Stefan Ketacore:
The Mover – The Emperor Takes Place
Cypher – Marchin’ Into Madness
The Overlord Master Of The Universe
Fifth Era – FE05A1
Fifth Era – FE08B1
Fifth Era – FE10A1
▲NGST – ▲NGST VIII
Tonal Verges – Mutual Assured Destruction
The Mover – Waves Of Life
Dr. Macabre – Boomstick
Le Bourreau:
Fifth Era – Untitled (A1 on KETATAPE001)
Fifth Era – B2 on F.E#18
Fifth Era – Let the Day Perish Fifth Era – Untitled (▲NGST Remix)
▲NGST – Impending Doom
▲NGST – I
▲NGST – Untitled (B1 on KETATAPE001)
DJ Darkside – Believers Of Satan
DJ Darkside – Destroyer Of Worlds
Darkside & Adam Frost – Vril Ya
Tonal Verges – Essit Rekket
11曲になった・・・
最後に何か?
Fifth Era: もうたくさんだ。いや、ちょっと待った。これが言いたい:アナログ盤こそリアルだ。Soundcloudとかはクソ喰らえだ。どんな馬鹿でもしょうもないMP3をアップする事くらいできる。見せかけだけじゃないDoomcoreをやるんだったらアナログ盤をリリースすること。俺達は20年以上やってるぜ???
Low Entropy: Doomcoreは存続する。音楽ではなくて生き方なんだ。
Stefan Ketacore: インダストリアル・ハードコアをスピードダウンするだけでDoomcoreになると思うな!
参考:
Fifth Era:
http://www.doomraver.com
https://www.youtube.com/channel/UCy8QklpXEsyj92gaegrV8Mw
Darkside:
http://www.thetorturechamber.net/
https://www.facebook.com/HellfireRecords
https://acidcorerecords.bandcamp.com/
Low Entropy:
http://anarchist.widerstand.org/
https://lowentropy.bandcamp.com/
https://doomcorerecords.bandcamp.com/
Le Bourreau:
https://soundcloud.com/le_bourreau
https://acidcorerecords.bandcamp.com/
https://www.discogs.com/label/871179-Altar-Records-3
Antraxid:
https://soundcloud.com/antraxid
https://www.mixcloud.com/DawnOfDecay/
Stefan Ketacore:
http://ketacore.com/
https://ketacore.bandcamp.com/
Tommy De Roos著
構成/編集: Ume (Murder Channel)
翻訳:バキトマ堂 渡邊太一
Tommy De Roosが執筆したJUNGLEの特集記事も是非チェックを!
JUNGLE – A CHOPPED, EDITED, CUT AND PASTE HISTORY –
http://ghz.tokyo/2016/06/30/jungle-a-chopped-edited-cut-and-paste-history/