年に一度のハードコア・テクノの祝祭「THE DAY OF HARDCORE」特集!今回はハードコア・テクノの魅力を掘り下げるべく、出演者の皆様に「人生ではじめた聴いたハードコア・テクノ」についてお聞きしました。
参加してくださった方々がどういった経緯でハードコア・テクノに出会われて今に繋がっているのかが分る興味深い内容のものになりました。
いよいよ開催まであと二日となったTHE DAY OF HARDCOREの予習を兼ねて是非チェックを!
THE DAY OF HARDCORE 2024 #TDOH2024
2024/08/03(土)@CIRCUS TOKYO
https://twipla.jp/events/609364
BANG! – Shooting Star (EURO mix)
テクノやクラブカルチャーに興味を持ちだした頃、高校の先輩が出演するからって京都のLAB.TRIBEに行ったとき。その日はオールジャンルのパーティでロックとかも流れてて、先輩のやってるテクノユニットくらいしか見るもんないかーと思ってたら、DJ44(のちに改名→DJ Viper)って人のプレイが始まって、テクノより明らかに早いBPMとノリのいいシンセ 、スタブ、ブレイクビーツやキャッチーなボーカルのオンパレードでフロアの人たちがハンズアップしたりホイッスル吹いてたり、あきらかに その日一番盛り上がってて!僕は「これしかない!」って思った。
中でもBANG! – Shooting Star (EURO mix)がかかった時の盛り上がり方って異常すぎて、それから数か月レコード屋めぐって手に入れたころには多分もうDJ始めてたって感じ!
Wendy Milan – The Speed Freak Sessions Vol.I
「人生で最初に聴いたハードコア・テクノ」と言うお題と言う事で高校生の頃に友人から借りた「The Prodigy – Music For The Jilted Generation」が覚えている中で最初に触れたハードコアテクノになる気がするんですが、ハードコア沼にはまり込むきっかけになった1枚がこのWendy Milan(The Speed Freakの変名)のEPです。
当時バリバリのNirvanaっ子だったので”Kurt Killed By The Bass”(Nirvana – Smells Like Teen Spiritネタ)”Sisterfuck” (Nirvana – Rape Me)の2曲でやられてしまい、アナログからテープに録音してほぼ毎日聴いてました。このEPに入ってる曲がどれも当時自分が求めてた音にばっちりはまってしまい、その後Shockwave Recordings(The Speed Freakのレーベル)やらドイツ系のハードコア・スピードコアにはまっていくのでした。
前述の “Sisterfuck”なんですが、”Nirvana – Rape Me”に加えてフルメタルジャケットのハートマンのサンプルや”Leathernecks – At War”等、サンプル激盛りで今聴いても面白いので是非聴いてみて下さい。
そしてこのEPのちょっと後に出た“Members Of Shockwave – Dicke Eier”も最高なのでついでに聴いてみて下さい!!!!!いや~Shockwave最高だなぁ。
Hammer Bros – Air Raid Your Ass!
なにがハードコアテクノなのかよくわかってませんし、はじめて聴いたかは定かではないですが、記憶に残ってる最初のハードコアテクノはこのアルバムだと思います。 たしか初めてでビビりながら訪れたGUHROOVYで購入したと記憶してます。 聴いて、なんかよくわからないけどヤバすぎる!音が汚い!と興奮したのを覚えてます。 それからおよそ10年後、NDG時代にHAMMER BROSと同じイベントに出演した時はとても感動しました。 そして、それからさらに約10年後FIRE BOYSとしてTHE DAY OF HARDCOREに出演できることを、当時の自分に教えてあげたいです。
(FIRE BOYS 関)
Euromasters/Alles Naar De Kl – – Te (Rotterdam Mix)
/Rotterdam Techno Is Hard Hard Hard !!
今から15年も前になるのか、バンドメンバーのうーちゃんが持って来たRotterdam Techno Is Hard Hard Hard !!
パンク、ハードコアパンクばっかり聞いていてless than TVとか界隈のライブに通ってた自分にはテクノとか電子音の音楽が当時あんまりしっくり来なかったんですが、コレはその余りの野蛮さ、徹底的に意識された頭の悪そうな感じ(頭の良さ)にすごいシンパシーを感じて、それに関連してみたYouTubeのガバーダンスの動画を見て皆んなで爆笑。これはガバって言って、その当時のオシャレなテクノシーンにカウンターとして生まれたんだよー。なんてウンチクも聞いてそうなんやーってますます好感を持ちました。と言うのも2010年代のバンドのシーンは草食系男子みたいなムーブメントもあってオカッパ頭の奴ばかりで自分もつまんねーなーなんて思ってたからなんだよね。
そんな流れで当時のバンドでもガバの曲を作って演奏したり。まじでそのアティテュード、サウンド、ファッション全ての面で影響を受けました。
(FIRE BOYS 山村)
Euromasters – Noiken In Die Koiken
厳密にはハードコア・テクノではないですが、この系統の音楽で一番最初に聴いたのは”Euromasters – Noiken In Die Koiken”です。その後は脳死状態で掘り進めたので、最初に聴いたハードコア・テクノは覚えていません(最古の記憶は Djipe – P.O.N.T.A.S)。
当時はゲームの BGM、アニメ・映画のサントラや、姉の影響からジャズやクラシックを聴いており、コイツに出会ったときは正に汚物を見るかのような表情だったと思います。沼にハマった後、この曲が収録されている”Oranje Boven”を聴き、Club Mix も German Mixも全部同じやんけと思ったり、Hoi hoi hoi…だったり、すべてが新鮮でした。今年そのレコードを手に入れましたが、「両面 A 面」だったので全曲”Oranje Boven”でした。残念…
Yuta Umegatani (MURDER CHANNEL)
Mescalinum United – We Have Arrived (Aphex Twin QQT Mix)
僕が最初に聴いたハードコア・テクノは2003年にWARPからリリースされたAphex Twinのリミックス・ワークをコンパイルした2枚組CD『26 Mixes For Cash』に収録されていたMescalinum United「We Have Arrived (Aphex Twin QQT Mix)」でした。この曲を聴いたとき「自分が心から求めていた音楽はまさにこれだ!」と感動したのを昨日のことのように覚えています。
世界で最初のハードコア・テクノとされているMescalinum United「We Have Arrived」ですが、もしかしたら原曲よりもAphex Twinのリミックスのほうが世間的には知られているかもしれません。元々は1992年に R & S Recordsからリリースされた『We Have Arrived (Remixes By Aphex Twin & The Mover)』にこのリミックスは収録され、Aphex Twinの代表的なアルバムである『Classics』にも収録されたことによってテクノ~エレクトロニカ~ブレインダンスのリスナーからも人気があります。
リミックス・ワークにおいて、原曲をまったく無視して新しく作り上げてしまうことがあるAphex Twinですが、この曲に関しては他のリミックスとは違った特別なものが感じられます。Aphex Twinが「We Have Arrived」を大絶賛していただけあって、原曲の素材をしっかりと使いながら自身のカラーに染め上げており、Mescalinum UnitedとAphex Twin双方のコアなサウンドが混合した素晴らしい曲となっています。工場機器が火柱を上げながら高速で暴走しているかのようなこのリミックスは、インダストリアル・ハードコアの元祖といえる内容でもあります。
未だまったく色あせないハードコア・テクノの永遠の名曲。サブスクでも聴けますので是非チェックしてみてください!