Mokum Records特集

特集記事

Technohead、Party Animals、Chosen Few、Tellurian、The Twins Artcore、Peckerheadといったガバ~ハードコアの重要アーティスト達をリリースしているオランダの老舗名門レーベル「Mokum Records」の設立30周年記念イベントの開催を記念してGHz Blogにて特集記事を公開!

1993年の設立以来、現在までにサブレーベルのリリースを含めて300タイトルを超える作品を発表してきたMokum Records。ガバ~ハードコア・テクノ~ハッピーハードコア~アシッドコア~ダークコアなど、様々なタイプのハードコア・ミュージックをプッシュし、数えきれない程の名作をMokum Recordsは残してきました。
常に柔軟な姿勢で新しい世代やサブジャンルを受け入れており、近年はM-Projectのアルバム/シングルや日本のハードコア・シーンにフォーカスした『F**king Hardcore Tokyo』のリリース、Peckerheadを筆頭としたモダン・ガバやオルタナティブ・ハードコア勢との邂逅などでMokum Recordsはハードコア・シーンに再び大きな波を起こそうとしています。

この記事では、7月13日に中野heavysick ZEROにて開催されるMokum in Tokyo 30 Years Anniversaryの出演者の皆様にご協力していただき、イベントの予習を兼ねてオススメのMokum Recordsの作品を選んで紹介していただきました。イベントでもプレイされるかもしれないMokum Recordsがリリースした名曲をチェックしてMokum in Tokyo 30 Years Anniversaryに遊びに行ってみてください!

Mokum Recordsのオフィシャル・Tシャツ付きの前売りチケットはコチラから(6月20日までの受付!)

 



Dynamax

The Twins Artcore & Slugnoid – Hyperbusters[MOK204]
自分がイチオシするMokum Recordsの作品はThe Twins Artcore & Slugnoid『Hyperbusters』になります。今回来日するThe Twins Artcoreとその友人SlugnoidのEPですね。

本EP一曲目のThe Twins Artcore「The Ghostbusters (2020 Remastered)」は[MOK183] 『Fucking Hardcore #10』にも収録されている楽曲のリマスターです。The Twins Artcoreの名前の通りartcore系Gabbaトラックです。二曲目にはslugnoidが作るEnergycore系統のガバサウンド。三曲目は互いの長所を活かして合作で作られた現代的なガバです。最後の五曲目は「Pandemonium 2018 Anthem」。これもまた、The Twins Artcoreの初アルバムである『The Never Ending Story』を彷彿とさせる曲調で彼らしい個性が全面的に出ています。

伝統を守りつつ、実験的な展開を作っていくThe Twins Artcoreとは何か?を濃縮したEPです。

DieTRAX

Cyanide Vs Maniac Of Noize/Stringz (MOK38)
重厚なイントロから始まって、印象的なリフ、ガバキックが入ってきて、壮大なブレイクと好きな要素がこれでもか!と詰まってる初期の名曲。

同時期に出てたSpeedfreakの変名であるSearch & Destroy/Madness Revisited(MOK 27)にもメロディーが似てるのでややこしいのですが(MOKUMのレコードスリーブは全部赤いやつなので)偶然なのか、ネタ元があるのかわかりませんが、まぁかっこいい。

とにかくガバの情報が無い中、手当たり次第にMOKUMの赤いレコードやコンピCDを買い漁って興奮してたのを今でも鮮明に思い出せます。そんなMOKUMの30周年を日本でお祝いできる日が来るとは!当日もその時買ったレコードたちを使う予定なのでみんなで盛り上がりましょう!

DJ SHARPNEL

Back 2 Bass – I Wanna Be With You
90年代半ばにオランダ全国民が感染した流行り病「ハッピーハードコア熱」は当然アムステルダムにも押し寄せ…というか、むしろ積極的に牽引する形でMokum Recordsはポコポコキックに陽気なメロディの曲を大量に産出、街中どころか国中に溢れ出したダッチハッピーハードコアサウンドは、聞くと偏差値が10は下がると言われ、親に聞くのを禁止された子供たちもいたとか。その波は海を越えて日本にも到達しCDアルバム「ハッピーハードコアの女王様」としてワーナーミュージックジャパンからメジャーリリースされたほど。

ご紹介するMOK57のタイトル曲Back2Bass「I wanna be with you」もその一つで、ユーロポップ全開のボーカルに華麗なピアノスタブ、フーバーなシンセリフがハイテンポにレイブな気持ちを高めてくれる「はやい・かわいい・かっこいい」の3点揃った90sダッチハッピーハードコア名曲の一つ。ユーロポップ的歌モノダッチハッピーハードコアといえばRotterdam RecordsにおけるDJ Paulリリース(Rainbow in the skyなどなど)や、ID&T傘下の後期Pengo Records(Critical Mass、4 Tune Fairytales、2 Brothers On The 4th Floorなど)がよく知られていますが、Mokum Recordsから95年近辺にリリースされたTechnoheadやParty Animals、The Speed Freak先生の変名であるSearch & Destroyなどのリリースからの影響は大きいものと思われます。ダッチハッピーハードコアからの影響を受けたユーロポップムーブメントは世界中に広がり、ポップスの標準フォーマットのひとつになっていきました。

MOKUMのダッチハッピーハードコア路線は過剰なハッピーさでハードコアの可能性を広げたものの、最終的にはオランダ語おじさんによる牧歌的ハッピーハードコアソングに乗せてガバカルチャーをパロったHakkuhbar(MOK67)を生み出し、間違った方向に面白がられて似たような曲が大量生産され結果ハードコアは暗黒期を迎えていくのであった。罪深い!だが良い!

MOKUMの赤い棚の地層を掘り返すと、オランダの辿ったガバの歴史が見えてくる。本日のMOKUMで振り返るガバの歴史はMOK57番ごろのお話でした。

DJ OFFt

Slugno​ï​d – 5AM
イタリアのトラックメーカーSlugnoïdの一曲。初出は2021年の氏のEPで、その後コンピレーションに収録される形で複数回デジタルリリースされている。2023年リリースの『Happy Gabber Sounds vol.1』にも収録されているため、ご存知の方も多いかもしれない。

終始アッパーで明るいメロディ、繰り返し使用されるサンプリング、ピアノサウンド。溢れんばかりのHappyさを味わうことができる一曲。展開に一本筋が通っていて、踊りながら聴いていても意識がぶれなくて良い。他の曲とミックスするときも少しずつ要素を足すような遊び方がしやすい。 自分がこのジャンルに入ってきた最初期に、J-coreや歪んでない方のUK Hardcoreに触れていた期間が割と長く、メロディアスな曲を嗜好する節が根底にある。キックの歪んだHardcoreの中では、明るさの要素がよく合うのがEarly Hardcore, Gabbaではないかと思っている。日本のハードコアヘッズにもよく刺さるとジャンルだと思うので、Mokumはもちろん色々掘っていただければ幸甚である。

M-Project (Mokum Records)

V.A. – Fxxxking Hardcore
1996年リリース。 Moum Recordsの看板コンピレーション”Fxxxking Hardcore”第5弾。
展開が目まぐるしいハッピーチューンSpoetnik”Let Me Be Wild”や Search & Destroyの代表曲”Deep In The Underground”のGTO(Technohead)リミックス、 Onyx – Throw Ya Gunzを大胆にサンプリングしたChosen Few”4 Gunz”、メインリードの Hooverが気持ちいいTellurian”Get Raw”、Omar Santana節全開の”Mad Creator”等、 ハッピーよりのトラックからハードなH2OHやXSV直径系のガバなど多彩なトラックを収録。 当時のMokumらしいシリアスなガバだけでは無いバラエティーに富んだ内容が魅力的でした。

このコンピレーションはロードランナー・ジャパンより「ハードコアの王様」名前で日本盤が 制作されており、日本のオークションサイトでも稀に見かけます。 現在bandcampでは入手可能ですが、残念ながらParty Animalsのトラックだけ 削除されています。

Miyuki Omura

Miyuki Omura & Alarma Ravers – Acid Tokyo
7月に来日するThe Twins ArtcoreとRHZのユニットAlarma Raversと私のコラボ楽曲を紹介させて下さい。

2023年10月、New Generation Hardcoreを提唱するドイツのレーベルGabber Industries Berlinが主催するMokum30周年のイベントでDJさせていただくことになり、そこで初めてThe Twins Artcoreにお会いしました。後日The Twins Artcoreから合作のお誘いと、日本に行きたい旨のDMを貰いました。正直、インダストリアルをメインにプレイしている私がMokumのイベントに携わっていいのだろうかと悩みましたが…コラボトラックを完成させてMokumから出せばいける!と思い勢いで作った曲です(笑)。
初期Deathchantのような仕上がりになり、個人的にはお気に入りです。303サウンドが大好きなので、面白い企画のコンピに参加できて光栄でした。

単独主催は初めてで不安ではありますが、先輩方が長い間絶やさずガバを布教して下さったお陰で開催に至ることができました。今回のイベントで、ガバヘッズは勿論、少しでも気になっている方に是非来ていただけたら嬉しいです。

Revers16

Peckerhead – The Terrordome 
2019年にリリースされた、PeckerheadのEPです。4曲が収録されています。 Track 1はFrenchcore、残りはEarly Hardcoreというような構成です。 私が特にお気に入りなのは、Track 2に収録されている「Reeza & Peckerhead – Redefined Hardcore」です。Oldschoolなサウンドを現代においても再定義し続ける、タイトルが象徴しているような良いトラックだと思います。この曲はEnergycoreというEarly Hardcoreのスタイルの一つで表現されており、比較的速めな210BPMで構成されています。

Energycoreについては、メインフロアで出演されるDynamaxさんが国内で精力的に発信していらっしゃるので、気になった方はプレイリストやMixをぜひチェックしてみてください! Track 4の「Hardlopen」も近い雰囲気なので好みですね。 私自身、Mokum Recordsのリリースについて大して詳しくないのですが、皆さまが好みなアーティストやトラックに出会える一助になっていれば幸いです!30年の歴史を持つ老舗レーベルですので、ぜひ、このMokum In Tokyoという機会に様々な曲を聞いて、好みのリリースを探してみてください!