“GHz Interview40” yumeo

GHz Interview, 未分類

鋭く尖った電子音を用いたインダストリアル・テクノを主体にEBM~ブレイクコア~ノイズ~パンク~エレクトロ~ポップスなど様々な音楽の要素を飲み込んだカオティックなダンスミュージックをクリエイトする「yumeo」のインタビューを公開!

MURDER CHANNELからリリースしたShimon_Harbigとのスプリット『GRACE』とシングル『Naious』が海外のハードコア・テクノ~インダストリアル・ハードコア・シーンのトップDJ達からサポートされ、現在大きな注目を集めているyumeo氏。6月7日に待望のニューアルバム『Wild Tale』の発売を控えており、今後の展開が非常に気になるyumeo氏にニューアルバムのお話を中心に初期作品や去年再始動し独自の”バーストコア”スタイルを提唱しているcodesight.についてなど、色々とお聞きしました。

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Q, yumeoさんは元々ブレイクコアやチップブレイクをクリエイトされていましたが、それらのジャンルを知ったキッカケとはなんだったのですか?

10年くらい前にネットで知りました。といってもYoutubeとニコニコ動画ばかり見ていたのでYoutubeでBreakcoreと検索して上位に出てくるReizoko CJのミックス動画を見たのが初めな気がします。
今となっては照れくさい思い出ですが、当時はかなり気に入っていて今日まで”Reizokocore”?とか言われたりとかしていますけど、あのガチャガチャした感じのブレイクコアがとても好きでした。

そこからブレイクコアをどんどん掘り下げていってクラシックなものからサウンドクラウドで日々アップされているインターネットカルチャー色強めのものまで色々漁っていましたね。音MADが好きだったのでその影響が大きかったと感じています。

Q. 2019年に発表された『BREAK ME DOWN』がyumeoさんのデビューアルバムとなるのでしょうか?今作が生まれた経緯について教えてください。

そうです、その前にも色々自主リリースとかしてたんですけど、正式なファーストフルアルバムはBREAK ME DOWNとなります。専門学生時代、当時はレトロゲーム(特にPCゲーム等のFMチップ)サウンドにハマっていたのが一つと、今振り返ると機能的な部分もかなりあって、元々楽曲にメロディ重視のセオリー部分のエッセンスをもっと取り入れたいと考えていて、電子音が映え、且つそのセオリー部分のセンスが問われるジャンルとしてチップチューンのスタイルになり、そこに軸にあるブレイクコアと融合してあの作風に仕上がったのも大きいと思いますね。

時間がかかりましたが、作っていてとても楽しかった思い出があります。プロデュースも兼ねてリリースを持ち掛けてくれたHAIZAIAUDIOにも感謝です。

Q. ブレイクコアやチップブレイクからの影響は現在のyumeoさんの音楽にも受け継がれていると思われますか?

チップブレイクを作り出した時期からDAWの使い方やサウンドデザイン、セオリーのスキルが一気に上がり、今に至ってます。
今でもポップスを作曲する際には、とても受け継がれています。というより現在進行形で可能性とスキルが水の波紋のように広がっている感じです。

Q. 2020年にリリースされた『First Edgework』からインダストリアル・テクノにフォーカスした活動を進められていますが、そのキッカケとは何だったのでしょうか?
インダストリアル・テクノのどういった部分に魅力を感じていますか?

First Edgeworkはもともとチップブレイクやブレイクコアなどの活動と同時進行形で、テクノにハマっていたのと、あんまり鮮明に印象に残っていないですが、あの当時ハンディレコーダーを買っていろんな音を録っては加工しを繰り返していた行動が合致してあの作風になっていったのかなと。
インダストリアル・テクノはシーンとかを詳しく語れるほどでは無いですがあの音が好きです。金属音と恐怖を感じるキックが。

Q. ニューアルバム『Wild Tale』はいつ頃から制作を始められていたのでしょうか?

正確な時期は覚えていないですが、、たぶん”BREAK ME DOWN”をリリースしてから1年後あたりくらいから”Nostalgic Disease”を制作していた気がします。
2,3,年前とかは自分の音楽スタイルでかなり迷っていて、今も迷い悩んでいるのですが、当時はソロでのボーカル作品とか”codesight.”のEPやMV撮影など色々な事やってたので、よく覚えていないです。

Q. 『Wild Tale』のコンセプトについて教えてください。また、トルコのデザイナー「helo」を起用した理由は?

“Wild Tale”のコンセプトは前々から考えていた創作物語”Wild Tale”が基盤となっています。
元々は初期の”codesight.”のボツ案のひとつに創作物語の架空のサントラを作るという案があって、自分が中途半端に書いたSFダークファンタジー物語の構成書類が残っていて、そこから始まりました。ボツ案からの流用なのですが、経緯としては脳死でソロの次回作を作っているうちに”Naious”辺りからその物語に引っ張られていることに気が付いた感じです。
作家ではないのでまだ大まかなストーリーのあらすじだけしか手掛けられていないですが、今回のCD-R版の内ジャケにて読めますので是非チェックしていただければと思います。

helo氏とはインスタグラムでNORM CORPSとの繋がりで知り合い、彼のデザインするアシッドなロゴタイプやアートワークやSCI-FIな雰囲気が気に入り連絡を取り始めました。heloの方からもかなり早い段階でアートワーク関連で何か一緒にできればと声をかけてくれていて、そこから時間がかなり経ってしまったのですが、今回このような形で依頼できた事がとても嬉しいです。

Q. アルバムからシングルカットされた「Naious」はGhost in the machine、Ophidian、Somniac Oneといったハード・テクノ/インダストリアル・ハードコアのトッププロデューサーからもサポートされていました。「Naious」はどういったキッカケで生まれた曲なのでしょうか?

Somniac Oneからはインスタグラムのストーリーで現地の会場で”Naious”プレイして盛り上がっている様子がメンション経由で送られてきたりなど著名な方々の反応に驚きました。
“Naious”は作中に登場するギャング集団が違法に流通させている架空のドラッグ”Naious”という設定でそれがテーマとしてできたトラックです。このトラックのみテーマの解像度が他トラックと比べて高い方なのでそこまで時間はかかっていなくて、ハードコアな質感をアプローチした曲にしたいという感覚で製作していました。

Q. 『Wild Tale』にて使用した機材を教えてください。yumeoさんの作られるビートとサウンドデザインは非常に特徴的ですが、それらを作る際に重要視していることは?

今回はハード機材は一切使わなかったです。全部Ableton Live上で制作を行いました。プラグインも”Serum””CHIPCRUSHER””izotope trash”、ほぼLiveの内蔵音源とエフェクターとサンプルです。GranulatorというM4Lデバイスがとくに役に立ちました、とても優秀です。重要視していることは、実験しまくること。

Q. リミキサーとしてFretとKatranが参加されていますが、彼等のリミックスを聴いてどう思われましたか?

Fret氏が手掛けてくださった”Nostalgic Disease”のリミックスが届いて初めて耳にしたとき、一貫されたサウンドアプローチと音圧に感動しました。軸のあるスタイルで奏でるグルーヴには説得力が強く感じられます。
Katran氏のリミックスに関しては、ミニマル的な表現と再構築の可能性に気づかされました、リメイクされたベースサウンドも心地よかったです。お二人が引き受けてくれた事がとても嬉しかったです。

Q. 『Wild Tale』収録曲で特に印象深い曲はありますか?

反響が大きかった”Naious”と5曲目の”Alfirk”は結構気に入っています。理想のサウンドになりました。

Q. yumeoさんの音楽は様々な角度から「美」を表現しているように思うのですが、そういった意識はありますか?yumeoさんにとっての「美」とはなんでしょうか?

言葉にするのは難しいですが、常に作品に対して追い求めているものではあると思ってます。
視覚表現やサウンドデザインで基盤となっているものはSCI-FIとゴシックです。

Q. 現行のハード・テクノのムーブメントに対してどう思われていますか?

特に思っていることはないです、ハード・テクノ系統にあまり興味が湧いてこないのが現状です。

Q. 去年、Shimon_Harbigさんとのcodesight.を再始動させていますが、再始動後のcodesight.はどういった方向性となっているのでしょうか?

codesight.は紆余曲折あり、現状トラック全般のサウンド系統を僕が手掛けて、ライブVJやMV編集などをShimonが担当しているスタイルとなっています。
今後はボーカルスタイルも取り入れた形で展開していきます。駆け上がっていきます。


Q. 今後のスケジュールを教えてください。

これからは前々から考えていたスケジュールに沿って動いていきます。
8月末を最後にyumeoでのライブ活動や楽曲制作依頼は正式に一旦締め切りさせていただき、前述の通りcodesight.での活動に専念していきます。
EP発表とかMV公開など展開していく予定なので、皆さんには是非”Wild Tale”と併せて動向をチェックしていただきたいです。よろしくお願いいたします。

yumeo
https://yumeosound.bandcamp.com/