サイケアウツG 特集PT.1

NEWS, サイケアウツG特集

12月26日にMurder ChannelからリリースされるサイケアウツGの新作EP『Pilling』の発売を記念してGHz BlogにてサイケアウツG特集がスタート!

今回は、国内アーティストの皆さんにお気に入りのサイケアウツ/サイケアウツGの曲を教えて頂くチャート記事の第一弾を公開!
これまでにサイケアウツ/サイケアウツGが残してきた数々の名曲の中から厳選された9曲をご紹介!20年以上に渡って日本のダンスミュージック・シーンを牽引している大橋アキラ氏によるサイケアウツGの偉業を感じらる素晴らしいチャートとなっております!

このチャートと共にいつの時代に聴いても色あせない完璧で最高なサイケアウツ/サイケアウツGの世界にどっぷりと浸かってみましょう!


DieTRAX(全日本レコード/KetchupArts)
http://ketchuparts.com/

サイケアウツ – ライオットショ-グン (ヒトラーのしっぽMix)

初めて聴いた『New Rally X ’96』や自分の曲をリミックスしてもらった『Takahashi Attack 2006 (Cycheouts Ghost’s Live Version Remix)』も惜しかったのですが、やはり衝撃を受けまくったこの曲に。

デ○ズニーのエレクトリカルパレードをサンプリングした2STEPに軽快なボイスサンプリング(サザエさんのイクラちゃんだと思っているのですが真相は如何に?)。
ここまでだと、普通に有名曲にビートを乗せて、おぉカッコいい!なのですが。。。
そこから、ジークジオン!のかけ声と共に「切り捨てぃ!」と暴れん坊将軍のテーマ+アーメン乱れ打ち!
もうハッとしました。こんなのやっていいんだ、と。
時代劇の曲=日常に潜む意識しなかった曲がこんなにカッコいい曲になるなんて。
そしてメロディに合わせたアーメン刻んで歌わせるのも凄い。
リズムがメロディになるなんて、考えもしなかったですもん。
いろいろな意味でこの曲は、僕のサンプリング音楽活動の原点になりました。
一生聞き続ける曲です。

PS
僕の出世曲『Takahashi Attack』をサイケアウツGにリミックスしてもらえたのも本当に嬉しかったし、今回出るCDのジャケをやらせてもらったのも本当に嬉しい。
ずっと活動して好きでいたら、いいことはあるもんです!

DJ Shimamura (Rave-A-Ride / block.fm)
http://www.djshimamura.com/

サイケアウツG – Arcadex

サイケアウツ / サイケアウツGの中から1曲!ということで、僕が選ばさせていただいたのはアナログ盤『Vikalpa (分別)』収録のこちらです。

僕の中でのサイケアウツは「ギークなサンプリングテロリスト」「緻密なアーメンプロデューサー」「音響仙人」って感じのイメージがあって、そのどれもが少年の心をくすぐるような存在なんですが、この全てが1曲に集約されているのがこの曲かなと思って選びました!

ゲームに疎い自分でもわかる大ネタ満載!138から176までBPMが加速するアッパー仕様!サイケアウツといえば!って感じのアーメンにボンボン鳴りまくるBASS!サイケアウツが持つ「根アカ感」というか、ポジティブな部分が出まくっていて、どこを取ってもワクワクする構成になっている大好きな1曲です。

hara (HyperJuice)
http://hyperjuice.tokyo/

FFF – Torturing Soundbwoy (Cycheouts Ghost’s 138BPM Remix)

サイケアウツの楽曲の中から1曲選ぶ…これは本当に難しいですよ梅さん!
せめて10選なら…と今回ほど思ったことはありません。
それほどに名曲揃いのサイケアウツ楽曲から僕が1番DJでプレイしている「Torturing Soundbwoy (Cycheouts Ghost’s 138BPM Remix)」を選びます。

MURDER CHANNELからリリースされた日本のハードコア・テクノレジェンド「DieTRAX」とオランダのアーメン狂「FFF」によるRAVEスプリットの第二弾『広島死闘篇~Hiroshima Deathmatch~』の特典CDとして収録されていました。(現在はデジタルアルバムに収録。)
このタイトルもハードコア・ジャングル好きにはたまらない素晴らしい内容なのですが、サイケアウツによる職人技の緻密な跳ねまくりビート+極太ベースラインにハードでファンキーなラガボイスが乗るリミックスがカッコヨスギル!!!
サイケアウツといえば高速アーメンが十八番ですが、Bassline House/UKG/Dubstepも極上なんです。
この機会に是非チェックしてみてください!サイケアウツ最高!

国士無双
https://soundcloud.com/kokushimusou

Guchon
https://soundcloud.com/guchon

サイケアウツ – ヘルボロ

サイケアウツの曲を初めて聴いたのは高校時代に友人が「ピチカートファイブのラジオでマジやばい曲かかってた!これがその録音!」と言いながら聴かせてくれた時でした。その曲がこのヘルボロでした。
ファンキーでファニーでファッキンで当時、クソガキだった僕はめちゃくちゃにぶっ飛ばされました。
それから10数年が経つ今も初心を思い出したい時はヘルボロを聴き返します。
僕にとって理想の音楽は喜怒哀楽の全てが入っている音楽で、サイケアウツはそれを余すことなく表現しているアーティストだと思っています。
一生の目標です、サイケアウツ最高!アーメンフォーエバー!

藤子名人
https://soundcloud.com/hujikopro

サイケアウツG – T.sus

火曜サスペンス劇場ネタというゴースト名義以降の曲の中では、そのネタのわかりやすさからか、ついついそこに注目してしまいがちなこの曲ですが、この曲で僕が最も驚かされ、また最も好きな部分は、アーメンの発明とも言うべき異常なまでに打ち込みが多彩なところ。

1度目のブレイクから2度目のブレイクの間までの約2分間。
4小節を1ループと捉えて聴いてみた時にわかる、一度たりとも同じアーメンのパターンを使い回さない引き出しの多さ、僕らが通称「盆踊り打ち」と呼ぶ3連符でアーメンを打つ斬新なアイデア、効果的に入るお得意のリバーススネアと階段音階のクラッシュシンバル、等々・・・
文字で書いても到底伝わるものではないので是非聴いてみて欲しい。

何度聴いても飽きないこの曲にはまだまだ見つけられていない発明があるかもしれません。
だから僕はこれからも何度も何度も聴き続ける事でしょう。

・・・ちなみに余談というかこれは単なる自慢ですが、僕の持っているVikalpa(分別)のLPにはサイケアウツ直筆のサインが入っており僕の家宝です。

DJ DON
https://soundcloud.com/dj-don-1

サイケアウツG – 天
https://www.discogs.com/ja/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%84G-%E3%81%BF%E3%81%9D%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3/release/2782341

個人の感想にはなりますが、この世に星の数ほどAmen Breaksがある中、サイケアウツのAmen Breaksことサイケアーメンが世界で一番だと僕は思っております。
そのサイケアウツが禁断の(!?)オリジナルThe Winstons – Amen Brotherをスクラップ&ビルド、ならぬデストロイ&ビルドでサイケアウツ仕様に再構築するという最高の一曲。個人的世界一のサイケアーメンがAmen Brotherの曲の下で鳴り響く!

bpmも138から始まり、途中ブレイクからの174!!!そのまま138に再着地という展開ありもDJ的に使いどころ多数です。(138から174ってところも思わずニヤリ)
禁断の大ネタだからなのかは不明ですが、残念ながらwebに上がっているサイトは発見できませんでした。
2014のOutlook Japan Launch PartyにてJungleのサウンドクラッシュ、「Jungle Crash」に僕が出演した際にはこの曲をエディットした、クラッシュチューンを1曲目に投入!こちらは自分のSoundcloudにて聴けるのでぜひご拝聴ください。
https://soundcloud.com/dj-don-1/ryn-crash-dub

CD-R流通ではありますが(この流通形式も最高!)「みそアーメン」「塩アーメン」「ピリ辛アーメン」のラーメンTrirogy3部作のどれも様々なジャンルに散りばめられたサイケアーメンが聴けますので超オススメ!激Must!2枚買い!

DJ WILDPARTY
https://soundcloud.com/shot-bass-records

サイケアウツG / 9

サイケアウツ時代のヴァーチャコア、サイケアウツGになってからのグライムやdubstep、そして最近のテクノ等々、名曲を挙げればキリがないサイケアウツワークスですが私は個人的に「REMIX and FREEZE DRY TRAX」の9曲目であるこのタイトルの無い曲を挙げさせて頂きます。
攻撃的であったりドープな印象が強いと思いますが、この曲は(恐らくサンプリングソースによって)サイケアウツGワークスの中でも特にエモーショナルなメロディーが特徴的で、終盤の怒涛のアーメンジャングルのアツさといい今でも一番かけているサイケアウツの曲だと思います。

マル(Hondalady)
https://twitter.com/pwei

サイケアウツ – 無人O.B.
https://www.discogs.com/ja/Various-%E8%A7%A3%E6%94%BE%E6%88%A6%E7%B7%9A/master/28931

「大阪にヤバい人達がいるらしい」と渋谷宇田川町周辺でも話題になっていた1997年、ホンダレディを結成して間もないころで、威勢ばっかりよくて身の程知らずだった俺たちはこの曲が収録されたアルバム「解放戦線」を恵比寿みるくで聴いて完全に打ちのめされた思い出があります。

サイケアウツのすごいところは、安易にディストーションギターサウンドをサンプリングしてロックっぽいカタルシスを得るグループが多々いた(いる)中で、鳴っている音一つ一つは繊細なのに、曲として吐き出されたとたんに狂暴性の塊のようなジャンクな音にトランスフォームするところ。いい/悪いの前に、1+1が無限大に感じるかのようなロマンを感じますし、同じミュージシャンとして嫉妬にも似た熱い感情を抱いてしまいます。

この曲に出会った数年後、幸運にもホンダレディとして難波ロケッツで競演することになるんですが、ライブパフォーマンス以上にステージ袖でマクドナルドのドナルドの格好をしたセキュリティによる最前列の客への少しだけ強めのかわいがり(完全に杖で殴ってた)が偶然目に入ってしまい、気が気じゃなかったことを鮮明に覚えています。いつの時代も名曲揃いのサイケアウツ/サイケアウツGの楽曲群で、そんなライブの熱?エネルギー?みたいなものが一番パッケージされていると個人的に思っているこの曲を選びました。

ちなみに自発的に音楽を聴き始めて30年以上経ち、怖い人たちが集まる現場にもまぁまぁ足を運んでいるほうだと思うんですが、生涯出会った中で一番怖いDJネームは断トツで「DJカッターHELL」です。

Raveman(Aural Vampire)
http://www.auralvampire.com/

サイケアウツG – I♡DAF
https://www.discogs.com/ja/Cycheouts-Ghost-Prapa%C3%B1ca-%E6%88%AF%E8%AB%96/master/177686

サンプリング文化と、日本においてそれを本質的に提示したサイケアウツに関しては自分も哲学的な部分に強く影響されたくらいで、この場で語り尽せないのですね。
東京でLIVE見れる機会も少なかったと思うのですが行って良かった@恵比寿MILK

ただし意義とか影響とか抜きにしても、至高のブレイクビーツをただ喰らうだけで味が最高なんだから、それ以上必要ないんじゃないかって思う次第。
そのくらい信頼確かなブランドですので、ベストを1つ選ぶって感じでもないのですけど…
ここでは数あるDAFネタの中から『Prapanca (戯論)』収録「I♡DAF」を選びました。
サイケアウツのサンプリングは、実は主張しすぎず音色として完全に取り入れた形で、それも一級の職人技的だと思うのですがライブミックスでは完全に流れに乗せられてIQ下がりきったタイミングに、この大ネタ使いの曲がドロップされるイメージですね。

そしてその明快さにタイトルどおりDAF愛が感じられるのです。

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次回のサイケアウツG特集は大橋アキラ氏のインタビューを公開!
引き続きチェックを!