Cock Rock Disco特集:ブレイクコア史を変革した最重要レーベル

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2000年代のブレイクコア・シーンを支えた重要レーベル「Cock Rock Disco」が再始動!現在、Webサイトでは過去のリリースがアーカイブ化され、Cock Rock Discoの名作にアクセスできるようになりました。そこで、GHz Blog的オススメのリリースをご紹介します。

DJ Donna Summer名義でもお馴染みのJason Forrestによって2000年代前半に設立されたCock Rock Discoは、数々の名作をリリースしてきたブレイクコア史において欠かせないレーベルです。ブレイクコアの枠組みを再解釈し、エクスペリメンタルやレイヴ・サウンドへと特化させるなど、実験を恐れずにブレイクコアの可能性を大きく押し広げてきました。さらに、活動当初からMP3の無料配布やフリー・リリースを積極的に行い、インターネットを通じて幅広い層に自分達の音楽を届け、ブレイクコアへの関心を広げた功績も見逃せません。

ここでご紹介するCock Rock Discoの作品は、今聴いてもまったく色褪せない魅力を持った名作ばかりです。他にも沢山の素晴らしい作品がリリースされているので、興味を持った方はぜひCock Rock Discoのサイトをチェックしてみてください。


Duran Duran Duran – Over Hard
https://duranduranduran.bandcamp.com/album/over-hard
テクノやエレクトロのダンサブルなグルーヴをハードコア化し、独自のフィルターを通じてサイケデリックなフロア・トラックを生み出す鬼才Duran Duran Duranによる2ndアルバム。Cock Rock Discoからリリースされた1stアルバム『Very Pleasure』は衝撃的なジャケットも一部のシーンを賑わせ、ダンサブルかつアグレッシブなブレイクコア作品として高い評価を得ましたが、本作ではフロアでの機能性をさらに高めたトラックの完成度が際立っており、改めて評価されるべき内容となっています。また、最後に収録されているXanopticonのリミックスも言語化不可能な超次元的サウンドを披露しており、アルバム全体を通して一切の隙がありません。

Nero’s Day At Disneyland – From Rotting Fantasylands
https://laurenbousfieldanyev3r.bandcamp.com/album/from-rotting-fantasylands
Lauren Bousfieldが2000年代に展開していたソロプロジェクトであるNero’s Day At Disneylandによるアルバム。バロック調の崇高なメロディとゴシックな空気感を軸にメタルやグリッチなどの要素が絶妙なバランスで融合し、唯一無二の世界観を構築しています。Cock Rock Discoのジャンルレスな姿勢を象徴する1枚とも言える作品であり、レーベルのカタログの中でも強い存在感を放っています。同時期に活動をはじめていたIgorrrにも通じる折衷的なアプローチを持っており、メタル好きにも強くオススメできるアルバムです。

drumcorps – Grist
https://drumcorps.bandcamp.com/album/grist
ブレイクコアというジャンルを大きく進化させた歴史的名盤。本作以前と以降でシーンの流れを一変させたと言っても過言ではない重要作で、多くのフォロワーを生み出しました。グラインドコアやポスト・ハードコアを素材に原曲の攻撃性をさらに増幅させ、リミックスやマッシュアップという手法の枠を超えた領域へと到達。後半では自身の演奏によるギターを取り入れたオリジナル曲も強烈なインパクトを放っています。本作以降、drumcorpsはオリジナル路線へと進み、その先でも驚くべき作品を残していくことになります。

Glowstyx – Class of 1992
https://jasonkohnen.bandcamp.com/album/class-of-1992
Bong-Raによるオールドスクール・レイヴに特化した別名義プロジェクトのアルバム。タイトルの通り、1992年のブレイクビーツ・ハードコアやベルジャン・ハードコアの質感を保ちながら、それを2000年代的なサウンドへと昇華させた傑作です。2000年代後半にはダブステップからジャングルへの回帰の流れが生まれ、Zomby『Where Were U In ’92?』のようにブレイクビーツ・ハードコア再燃のきっかけとなる作品が登場しましたが、本作もまたブレイクコアの側からその流れを後押しした重要な役割を果たしています。90’sレイヴ・ミュージック好きはもちろん、ブレイクコアやレイヴコアを好むリスナーにも強くオススメしたいアルバムです。

Ladyscraper – The Death of Mary Poppins
https://www.cockrockdisco.net/releases/crockp3-003
Petbrickとしてブレイクコア、インダストリアル、メタル、ノイズ、パンクを横断する作品で高い評価を得ているWayne Adamsによるブレイクコア/スピードコア・プロジェクトであるLadyscraperのアルバム。Cock Rock Discoのサイト上でフリー・リリースされ、瞬く間に広がり驚異的なダウンロード数を記録。レーベルにとっても大きな転換点となった重要作です。容赦なく叩き込まれるガバキックの連打は当時多くのリスナーにショックを与えました。スピードコアとブレイクコアを高次元で融合させたサウンドは圧巻で、エクストリームな音楽を求めるリスナーを今なお強烈に惹きつけ続けています。