今回のTop3はテクノ~ドラムンベース~メタル~ジャズ~インダストリアル~レゲエ~エレクトロニカなど様々なジャンルを飲み込んで進化し続けている驚異的ジャンルのBreakcore!!!
このチャート記事では、日本のBreakcoreシーンで活躍している素晴らしいアーティストの皆様にご協力していただき、近年また盛り上がりをみせてきているBreakcoreの魅力を再確認出来る貴重な内容の物となりました!
Breakcoreに興味を持った方はチャートを執筆してくださった皆さんの作品やチャートで紹介されている音源からチェックしていって掘り下げてみていってください!
すてらべえ
https://soundcloud.com/stella_hiragana
http://stellabeekun.tumblr.com/
CJClip – No reason to live but we do it.
https://www.youtube.com/watch?v=ydrG8k4krCw
このブレイクコアのチャートにおいて、個人的に彼のこの曲は絶対に外せません。
キャッチーなサンプリングとハードなブレイクビーツが合わさっているこのブレイクコアは、普段ブレイクコアを聴かない人にとってもなかなかとっつきやすい曲なのではないでしょうか。
他の楽曲でもパンクをサンプリングし自身もパンクバンドのギタリストであった経歴を持つ彼は、ジャングルをプレイすることも多く、Drumcorps(Aaron Spectre)に近いものを感じます。
PV同様、過激な衣装を身に纏い、即興性に富んだパフォーマンスを繰り出す彼のライブもかなりのインパクト。
https://a4-images.myspacecdn.com/images02/129/c457ae336e5c4c2ab165fcde158e6faa/full.jpg(myspaceより)
https://www.youtube.com/watch?v=mwhCnD9Ev9w
Hagerrr – A Nose Dive
https://soundcloud.com/hagerrr/4bunno7beat_205bpm
彼は、日本人ブレイクコアアーティストの最高峰の一人と言っていいでしょう。それほどまでに彼の作るブレイクコアはクオリティが高いです。
繊密で緻密なブレイクビーツから織りなすこの曲のビートは、難解で複雑でありながら決してグルーヴ感を失わず聴き手を惹きつけます。
99年生まれ、18歳(リリース当初は16~17歳)という若さで世界に通用するレベルの楽曲を制作する彼は、今後の活動も含めて注目したいアーティスト。
また、彼自身のwebサイトで配布しているブレイクビーツのサンプルパックも要チェック。
https://hagerrr-desu.tumblr.com/release
FFF – Murder
https://www.youtube.com/watch?v=zbPjiJ-4jMA
最後はおなじみのFFF。みんな彼のことは知っているだろうし、この曲も今更紹介するまでもないかもしれないでしょう。なんて言ったって、Youtubeで「Breakcore」と検索したら真っ先に出て来る程の曲ですから。
それでもチャートを作るならやっぱり入れてしまいたくなるこの曲は、激しく駆け抜けるめちゃくちゃなブレイクビーツが終始荒れ狂う、まさにブレイクコアと言った感じの曲。
途中で、突然、なんの前触れもなく、ハッピーなピアノとどことなく切ないシンセメロが流れ出しそのままブレイクビーツとともに終了するという展開のギャップが凄まじく、この曲を初めて聴いた当時の僕は大変衝撃を受けました。
予定調和と言うものをハナからぶっ壊しているこの曲は、自分が初めて触れたブレイクコアでもあり、それまで僕自身が持っていた音楽の概念すら覆してしまうほどのエネルギーがある曲であります。
KenKoTaiji
https://soundcloud.com/kenkotaiji
https://twitter.com/kenkotaiji
https://www.instagram.com/kenkotaiji/
Venetian Snares – Frictional Nevada
https://www.youtube.com/watch?v=kk2Cq1dgKHY
https://venetiansnares.bandcamp.com/track/frictional-nevada
僕が初めてBreakcoreと呼ばれてるものを聞いた曲です。これから入って他の彼の作品を聞きました。
とても聞いててリズムとメロディーが気持ちがよくて、こういう曲を作ってみたいと思いました。
Repeater – Ultra Violet
https://www.youtube.com/watch?v=GXtXTZkPUyc
https://peaceoff.bandcamp.com/track/ultraviolet
イントロ流れただけで笑顔になれます!!
曲調は退廃的なんですがもう聞いたら頭が「ふぁ~~」ってなって気持ちいです!最高です!
説明がアホっぽいですが本当に大好きな曲です!
Gromov – King Of The Dancehall
https://www.youtube.com/watch?v=UdWf7RoD3yw
https://allergyrecords.bandcamp.com/track/king-of-the-dancehall
リズムが本当に気持ちいです! こういうビートが歌ってて気持ちい曲がいいです!もっとこういう曲聞きたいのでみんな作ってほしいです。お願いします!!
Laxenanchaos (Anybody Universe/Virgin Babylon Records) 訳:ばいを般若
https://anybodyuniverse.bandcamp.com
・Venetian Snares – Make Ronnie Rocket
https://www.youtube.com/watch?v=FWbOLMjPVCg
自分のブレイクコア初期衝動を突き動かした曲。
数あるVenetinan Snaresのマスターピースの中でも特にキャッチーで極悪。
数年前、初来日のTAICOCLUBで彼と遭遇した時にもこの曲をリクエスト。(最高の展開でプレイしてくれた)
導入部の禍々しいトリップ感、凶暴に歪んだベースライン、ザラついたビートは打つ度に意識を支配し、沸点に到達する後半には、ヴェネチアンの真骨頂ともいえる怒涛の展開が押し寄せる。
David Lynchの未完映画を指したであろうタイトルもクール。
・Xanopticon – Neurve
https://www.youtube.com/watch?v=k4om56W1FwE
サイバーでグロテスクなMVと併せ、衝撃でした。
もがき続けるような混沌としたノイズまみれのビートが八方から押し寄せる、超越的な雰囲気の曲。
この曲に限らず初期のXanopticonは強烈にアブストラクトな展開で攻めまくっていて、音色なども含め、かなり影響を受けました。
ちなみに、MVの素材は80年代の映画ALTERED STATESやTRONをMIXしたもの。
・Sabrepulse – Twin Chevron Action Flash (Remix)
https://www.youtube.com/watch?v=QQ-RkR5dObY
エレクトロポップバンドColon Open BracketのRemixで、イントロからグッと来るEmotionalなChipbreakアンセム。Sabrepulseは一時期かなり愛聴していました。
Amenbreak、ストリングスなど、原曲を更にビルドアップさせたアレンジが素晴らしいです。10年以上前の作品ですが、Youtubeのコメントなどを見ても今なおリスナーの心をつかんで離さない、かなりの名曲。
この曲は勿論、Skyfire Ace、We Are Hi-Speed (Tour Mix)など名曲ばかりを収録したアルバムがBandcampにてNYPで再リリースされています。
https://sabrepulse.bandcamp.com/album/chipbreak-wars
自分のルーツはUKロックなんですが、ブレイクコアに辿り着いた流れとして、実験音楽でバグな展開やグリッチ・エフェクト、骨格となる高速ブレイクビーツの面白さはBIGBEATで覚えました。
ビッグビートは嵐のように過ぎ去ったジャンルですが、当時、映画やCMなどで世界的にフィーチャーされ、爆発的に盛り上がっていたのを覚えています。
中でもProdigyやLunatic Calm、初期Boom Boom Satellitesなどに大きく影響されました。
自分の場合、BREAKCORE直系ぽいJUNGLEやHARDCORE TECHNOなどは逆引きで出会っており、UKロックからの実験音楽・ビッグビート、そして所謂ドリルンベースがブレイクコアの出会いに繋がっています。
最近ではアーティストの層も厚くなり、一定のフォーマットが馴染んできてどんどん洗練されていってるんですが、そのきっかけとも言えるSoundcloud以降で、オールドスクールな雰囲気と異端的な個性を感じた楽曲を最後に紹介します。
CCDM – Dodecahedron in C# minor
https://www.youtube.com/watch?v=cajlBMWrlVw
CCDMはモジュラーシンセや伝説的コンピューターAmigaを駆使するシカゴのアーティストで4から5拍子など、シフトするテクニカルなビートメイキング・多彩な展開がかっこいいです。
全編に渡り、重厚でクラシカルなストリングスがチープな電子音と絡み、独特の乾いたバランスでシリアスに疾走する曲です。
こちらの楽曲は2009年にSociopath Recordingsから収録アルバムがフリーリリースされ、2010年にもRadiograffitiから7インチが限定で再リリースされてます。
一緒に収録されているDirsh Birdies(hell cry)も怒涛のスネアロールが最高です、是非チェックしてみて下さい。Datachi’のThe Elements、Ruby My Dear好きにもオススメ。
Miii
https://miii.persona.co/
https://twitter.com/miiixn
1. Toecutter – Ode To Brendan Phelan
https://youtu.be/c1HJ3-xMMzk
僕の中でブレイクコアと言えば最初に浮かぶくらいインパクトのある曲なんですが、如何せん現時点で音源入手困難というのがちょっと悲しいですね。(Discogsに中古あるらしいけど、そこまでして欲しいか?笑)
音質最悪、展開が安定しない、サンプルが節操ない、すぐドラムパターン変わる、同じサンプリングを曲内で使いまわしまくる、なのに世界で一番カッコいい音楽、という僕の中でのブレイクコアのイメージを定義付けた曲です。
Toecutter自身はBest Party Everで一山当てたあと隠居気味ですが、今復活してもまたクソをバラまくだけのどうしようもない感じになる気がしますね。新曲待ってます。
2. Repeater – Dyslexic Funky Droid
https://youtu.be/H5iMC44JvAI
僕がブレイクコア大好きなのってルーツだからっていうのもあるんですが、とにかく振り幅が広いっていうのがあって、だからこそ人にオススメをするのが難しい分野なんですが、これはいわゆるザ・ブレイクコアという感じでGoodです。
サンプルを散りばめたハチャメチャ度合いと音質の良さのバランスが良くて、今聞いても全く色あせていない名曲です。
今でもリリース元の〈Peace Off〉が開いているBandcampページでget出来るので、しっちゃかめっちゃかなパーティー向けに用意しておくと楽しいんじゃないでしょうか。→https://peaceoff.bandcamp.com/album/ultraviolet
3. About – Think Niles Drink
https://youtu.be/IUzETUGzITY
ブレイクコアの名門〈Cock Rock Disco〉から突如リリースされた、2017年現在になっても類を見ない異形のアルバム『Bongo』からの1曲。
やたらキャッチーでやや多動的なロック・ポップスでありながら、微妙にチープで異質なサンプリングが絶妙に配置されていて、聴いてるうちに色んな事がどんどん分からなくなっていきます。謎に(?)そこそこよく出来ているMVも味があって良いですね。
そしてなんとこのアルバム、現在無料ダウンロード出来るらしいです。謎の中毒性を湛えたこの名作を是非味わってみて下さい。→http://www.cockrockdisco.net/releases/physical/crock009-about-bongo/
tac-t!s(MUSOURINNE)
http://ryuusanndorodoronanndemotokasu.tumblr.com/
https://twitter.com/tac_tis
普段はイラストとかデザインとか描いたり描かなかったりします。
そんなぼくですが、今日はびっくりするくらいひねくれたブレイクコアチャートを書きます。ヨロシクネ
Radiactive Samurai – Chelovechestvo Ne Perspektivno
http://sociopath-recordings-releases.blogspot.jp/2009/07/srmp3-143-radiactive-samurai.html
数多のブレイクコアリスナーの中でも、初めて聴いたブレイクコアがこのRadiactive Samuraiだった人は、そういないのではないだろうか。
当時のぼくは、厳つい下水道ボイスやとにかく早いブラストビートを聴いて、キャッキャと半裸で喜ぶような能天気グラインドコア・デスコアキッズだった訳だが、このRadiactive Samuraiとの出会いは、それはそれは、NoisiaのSplit the Atomのジャケットの表情のまま一生を過ごすことになりそうなレベルで衝撃だった。
バンドサウンドを基調としながらも、炸裂するドラムマシンのアーメンブレイクと2ビート。そしてギャウギャウ騒ぐ高音シャウト。なんだこれは。何語?ロシア語?わけのわからない想いを胸に、ぼくはこれから、ブレイクコアの支配する暗黒の世界へと足を踏み入れるのであった。おめでとう。
ちなみに、このアルバムの楽曲をKamikaze Deadboyをはじめとした様々なアーティストがREMIXしたアルバムも出てるので、そっちもマストチェックだ。
http://www.dramacore.com/info/99.htm
KenKoTaiji – HoNe
https://www.youtube.com/watch?v=9-goWZVQ5Vw
http://www.otherman-records.com/releases/OTMN044
アーメンブレイクの支配する暗黒世界に果敢に飛び込んだぼくは、闇の誘いを受け、とあるブレイクコアアーティストのアートワークを担当することになる。
そのアーティストこそ「KenKoTaiji」。そして、担当したEPに収録された楽曲「HoNe」は、今でもぼくのブレイクコアヒットチャートに刻まれ続ける最高の1曲だ。
綿密に配置されたアーメンブレイクは言葉で説明できないくらいかっこいいし、特に後半の叙情的なメロディと複雑怪奇なリズムの融合は、もはや浄化されるレベルで至高である。
不穏かつアンビエントチックなシンセとアーメンブレイクが交錯する「NiKu」や、スプリット相手であるVaenusのCrossbreedな楽曲も魅力的だが、個人的にはやはりHoNeを激推しする。
なお、このアートワークで描いたキャラは、そんなKenKoTaiji氏の曲を聴いたぼくが、目からナイアガラの滝の如く涙を流したことから思いついたというエピソードがあるが、そんなことより早くこのEPをダウンロードして、みんなもぼくと同じように目からアーメンブレイクを流して欲しい。インスタ映えしそう。
Igorrr – Vegetable Soup
https://www.youtube.com/watch?v=5LN7W3EtRMg
それは、すっかりアーメンブレイクにも慣れ、気持ちのよいスカンッ!と鳴るスカルスネアの音を聴くとニッコリする、常人が見たら不気味がる暗黒の日々を過ごしていた頃であった。
Radiactive Samuraiみたいな、こう、メタルとブレイクコア!みたいな~!サウンドが~欲しいッ!と、おもちゃ屋で駄々をこねる子どものように暴れていたぼくに届けられた轟音。それこそ、おフランスの鬼才「Igorrr」のアルバム「Hallelujah」であった。そしてぼくは、収録曲のひとつ「Vegetable Soup」でさらなる混沌の深淵へと誘われる。
最早ブレイクコアと呼んでいいのか分からないレベルでコケティッシュに鳴り響くスネア。10秒意識を失うだけでお手軽に別次元を彷徨える曲展開。とてつもなく怪しいボーカル。鶏。鶏。鶏。インコやワンコがボーカルと務めるバンドもいることだし、今更驚きはしないが、それでもこの鶏と人間のうさんくさいツインボーカルが生み出す異様な雰囲気に飲まれてしまって、すっかりハイになってしまった。ハレルヤ!
それと、Hallelujahがリリースされたのがクリスマス数日前くらいだったので、この年のクリスマスイブはこれを無限リピートしながらひとり絵を描いて過ごしたのはナイショだ。
Igorrrの別プロジェクト「Whourkr」も激推しマストなのだが、残念ながら2017年現在は活動していない。でもチェックして欲しい。ヤバイから。