UKハードコア必聴作品特集

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GHz Blogがプッシュしつづけているジャンルのひとつ「UKハードコア」について、近年のリリースを中心に主要アーティストの名作をご紹介!

UKハードコアとは、HellfishとThe DJ Producerを中心に形成されたハードコア・テクノのスタイルで、90年代後半からフランスやオランダを経て世界へと広がりました。スクラッチやブレイクビーツといったヒップホップの要素をハードコア・テクノに取り込み、高速でありながらも強くグルーヴを意識した踊れるサウンドが大きな特徴です。また、フレンチコアやクロスブリードの発展にも大きな影響を与えた重要なジャンルとして知られており、その影響は現在もさまざまなシーンで感じることができます。

昨年はUKハードコアにとって非常に刺激的な一年であり、ジャンルの可能性がさらに広がった重要な年だったと感じています。そして今月には、オランダの老舗大手レーベル「Thunderdome Music」からHellfishのシングル『We Are Sick』がリリースされ、今年も大きな動きが起こりそうな気配があります。このタイミングであらためてUKハードコアの名作を聴き直し、その魅力を改めてお伝えできればと思います。


Hellfish – Unmute the Mutant

UKハードコアというジャンルを土台から築き上げ、そのサウンドと精神性を約30年にわたり保ち続けている鬼才Hellfishによるアルバム。シングルやEPでは収まりきらないHellfishの世界観が本作ではしっかりとまとめられており、UKハードコアの反骨的な姿勢が明確に表れた一枚となっています。
聴きやすい作品から入るのも一つの方法ですが、本作の混沌とした側面に触れることでUKハードコアの核心により近づくことができるはずです。

The DJ Producer – Grasp the Heavens

ブレイクビーツ・ハードコアとヒップホップを軸に、テクノ、ドラムンベース、ブレイクコアなど多様なジャンルを一貫した姿勢で融合させた唯一無二の作品でアーティストからの評価も高いThe DJ Producer。本作は彼の究極のハイブリッド・ハードコアを体現した名作シングルです。
約40年にわたるキャリアを重ねながらも、常に新たな挑戦を続け、自らの限界を更新し続けてきた真のパイオニアであることを改めて示した間違いのないクラシックと言えるでしょう。HellfishがUKハードコアの混沌とした側面を象徴する存在だとすれば、The DJ Producerはその純粋さと本質を体現する存在なのではないでしょうか。

Bryan Fury – Costa Blanca’s Cannibal Club

重厚で無骨なUKハードコア・スタイルで知られるBryan Furyによる待望のフルアルバム。マスタリングエンジニアとしても数多くの作品を手がけてきたBryan Furyだけあって、サウンドの迫力は圧倒的でUKハードコアの中でもトップクラスの音圧と重厚感を誇っています。
本作はUKハードコアの最新形を提示すると同時に、その根本にある精神や本質を力強く示した名盤です。

The Teknoist & Dolphin – Ninja Columbo 14

オルタナティブな視点を重視した実験的なアプローチを続け、UKハードコアの可能性を拡大させているThe TeknoistとDolphinによるコラボレーション・シングル。両者はこれまでも数多くの共作を重ねてきただけに相性は非常に良く、今作でもそれぞれの個性を見事に引き出し合っています。
ブレインダンスとUKハードコアを完璧に融合させたイギリスならではの感性を感じさせる一曲「Lion Girl (Dolphin Magnum Opus Remix)」は、Dolphinの叙情的なメロディが強烈なインパクトを放っています。

Deathmachine – Mind Over Matter

ドラムンベース・シーンの人気レーベル「Blackout Music NL」からのEPリリースも話題となったDeathmachineの狂気性と緻密な技術が際立つシングル。徹底して無慈悲に叩き込まれる機械的なキックと精巧なサウンドデザインはハードコア・テクノの領域においても強い存在感を放っています。
UKハードコアのパンク的な姿勢を理性的かつ構築的に表現し切るDeathmachineの底知れない技術力には毎回圧倒されます。

今回は比較的新しい作品を中心にセレクトしてみました。現在では90年代のUKハードコア・クラシックもストリーミングで気軽に聴くことができますので、興味を持たれた方はここで紹介したアーティストをきっかけにさらに掘り下げてみてください。