第2回目となる本企画、今回は昨年末に4年ぶりとなる待望のニューアルバムをリリースしたデジタルグラインダー「OZIGIRI」氏がチャートを提供してくれました!
国内でもトップクラスのエクストリームサウンドを作ってきたOZIGIRI氏に影響を与えたであろう作品達も、最狂にエクストリームな作品ばかり!
OZIGIRI氏のファンは勿論、とにかく刺激を求めている方は必聴です!!!
PT.2 by OZIGIRI
https://soundcloud.com/ozigiri
https://twitter.com/zuho
デジタルグラインダーOZIGIRIことZUHOです。
愛する作品が多すぎてチョイスに難儀しましたが「融合」「クロスオーバー」をテーマに音楽を8作品、映画を2作品に絞り込んでみましたのでここに紹介させて頂きます。
1. Squarepusher – Come On My Selector(MV)
まず、このイカれた曲にMVがついた事自体が奇跡でしょう。
音と映像、そしてカルト映画そのものなトンデモストーリーが見事にシンクロ。
いまだにコレを越えるMVは現れていません。
Amazon.co.jp: Squarepusher : Big Loada – 音楽
2. Aphex Twin – Come To Daddy(covered by The Dillinger Escape Plan)
原曲のCome To Daddyに関してはもはや説明不要かと思いますが、
それをバンドで完璧に再現したのがDEPでした。
このカヴァーが収録されている「Irony Is a Dead Scene EP」は
DEPとマイク・パットンによる特別編成ですが、この組み合わせがハマりまくり、カオティック・ハードコアの完成形の1枚と言っても過言ではない名盤となっています。
Amazon.co.jp: Dillinger Escape Plan : Irony Is Dead Scene – 音楽
3.Discordance Axis – Ikaruga
複雑怪奇な曲、癖のあるボーカル、ヘンテコなタイトルにアートワーク……
それは明らかに正統派グラインドコアとは異質で唯一無二でした。
この世界観を作り上げたのは怖そうなバンドマンではなく、
使徒のタトゥーを入れてしまうようなエヴァ狂いのオタク。
ガチオタの熱い想いと捻くれまくった楽曲が起こす化学反応がここにある。
カオティック・グラインドと称されるのも納得。
ちなみにタイトルはシューティングゲーム「斑鳩」より引用。筋金入りです。
Amazon.co.jp: Discordance Axis : Our Last Day – 音楽
4. AGORAPHOBIC NOSEBLEED – Built To Grind
生ドラムの代用品でしかなかったドラムマシンを生かし、
デジタルハードコア的アプローチとは別の切り口を見せたバンド。
ドラムマシンを使用したバンドは数あれど、
ここまで「スピードとグルーヴ感の共存」を追求したバンドは他にいないのでは?
極度に速いBPMにありがちなグルーヴ感の欠如を、
めまぐるしい曲展開や高速タム回しの挿入などで見事に押し切っています。
Amazon.co.jp: Agoraphobic Nosebleed : Frozen Corpse Stuffed With Dope – 音楽
5. Vader – Wings
収録作品「Litany」は極度なミックスによってFear Factoryも真っ青な
インダストリアル・デスメタルと化した珍品です。
Vader自体はデジタル要素のないデスメタルバンドですが、
何故かこのアルバムだけ異常にキックが強調されています。
一体どのような経緯でこのバランスに仕上がったのかは謎ですが、
インダストリアル・デスメタルとして聴いた場合実に絶妙な仕上がりになっており、音作りに悩んだ時は参考にしている1枚です。
Amazon.co.jp: Vader : Litany – 音楽
6. THE MAD CAPSULE MARKETS – CHAOS STEP
なんてことはない「バンド・ハードコアにアーメンブレイクが乗っている」ただそれだけ!
でも、このシンプル・イズ・ベストなバランス感覚を保てていたのは後にも先にもMADだけな気がします。
Amazon.co.jp: THE MAD CAPSULE MARKETS, KYONO, TAKESHI UEDA, Killing Joke, J.MILES : 010 – 音楽
7. The Berzerker – No One Wins
なんてことはない「デスメタルのバスドラをガバキックにした」ただそれだけ!
でも、他にいなかったんですよ。発想の勝利です。
ガバキックでカヴァーしたCarcassはマジで痺れますよ。
後期はDelta9にリミックスを依頼するなど面白い展開を見せていたのですが、無念の解散。
Amazon.co.jp: Dissimulate: Berzerker: デジタルミュージック
8. Delta 9 – Watch Yer Back
グラインドコアやデスメタルの名門レーベルEaracheは良い意味で節操の無いレーベルで、割と初期の頃からクロスオーバーな音源を出していました。
特に面白い動きを見せていたのは、やはりハードコアテクノに接近した90年代中頃でしょうか。
ハードコアテクノの名門Industrial Strength Recordsと絡み、スピードコアの祖D.O.A.やDelta9のアルバムを出しています。
が、本格的なハードコアテクノシーンとの邂逅はこれきりだった模様。
上に挙げたThe Berzerkerのようなバンドがもっと現れたかもしれない等と
妄想すると残念でなりません。
Amazon.co.jp: Doomz Day Celebration [Explicit]: Delta 9: デジタルミュージック
9. π(Pi) – Darren Aronofsky
「レスラー」や「ブラックスワン」でおなじみダーレン・アロノフスキー監督のデビュー作です。
作品そのもののクオリティは後の作品に比べると荒削りなのですが、
とにかく映像+音の処理がクール。(テクノ好きならグッとくるはず)
サントラがまたこれ凄まじいメンツでして、Aphex TwinにOrbitalにAutechreにRoni Sizeにとそんじょそこらのテクノコンピより数倍の破壊力を誇っていました。
この映像はオープニングシーンですが、中坊の私はこれで完全にアーメンブレイクの虜に。
Amazon.co.jp | π [DVD] DVD・ブルーレイ – ダーレン・アロノフスキー
10. Videodrome – David Cronenberg
基本的にクローネンバーグ作品はどれも好きなのですが、
代表としてカルト映画と名高いエログロSF「ヴィデオドローム」を挙げました。
1度見たら決して忘れられないような強烈なシーンの連続で、人体破壊描写もそれはそれは凄まじいのですが、ただの悪趣味グロ映画ではなく、現代のインターネット社会に通じるような世界観とそれに対する問いかけのようなストーリーはかなり先見性があり、きちんとSFしてます。
グチャドロな面がどうしても話題になりがちですが「デッド・ゾーン」や
「イースタン・プロミス」のような人間ドラマに重点を置いた作品も秀逸ですよ。
Amazon.co.jp | ビデオドローム [Blu-ray] DVD・ブルーレイ – デヴィッド・クローネンバーグ
いかがでしたか?
こちらのチャートは不定期にて掲載していきますので、また次回をお楽しみに!