Hip Hop x Amen Break

PICK UP

GHz Blogでは前々からAmen Breakに関する記事を書いてきましたが、まだまだAmen Breakの魅力は伝えきれない程にあるので新たにAmen Breakの特集記事を公開致します!
まずは、Amen Breakの歴史において最も重要なヒップホップにおけるAmen Breakを使った隠れた名曲を10曲ピックアップ!
Amen Breakを使ったヒップホップ・トラックではN.W.A の「Straight Outta Compton」が有名で知られていますが、他にもMantronixの「King of the Beats」やEric B. & Rakimの「Casualties of War」、Heavy D & The Boyzの「Let It Flow」などのヒップホップ・クラシックでもAmen Breakは使用されています。この記事では比較的最近の物からオールドスクールな物まで選んでみました。
Hip HopにおけるAmen Breakの愛称の良さはやはり抜群!まだまだAmen使いのヒップホップは存在するので気になった方は是非掘ってみてください!



 

Killa Instinct The Bambi Murders

The Criminal Mindsと並んで90年代初頭のUK Hip Hopシーンの土台を作った「Killa Instinct」が92年にリリースしたデビュー曲であり、UK Hip Hop史に残るクラシック。USとは違ったサウンドのアプローチと荒々しいラップとAmen Break使いは元祖Bitcoreと言える内容です。

Ghostface Killah & Apollo Brown – Blood on the Cobblestones feat U God & Inspectah Deck

2013年に発表されたGhostface KillahとApollo Brownとのコラボレーション・アルバム『The Brown Tape』に収録されていた超ロウでファンキーなAmen使いが素晴らしい1曲。WUからU-GODとInspectah Deckもキレキレなラップで応戦していてGFK/WUファンにはたまらない曲でもあります。Apollo Brownは優れたネタ使いと独特のファットなビートで数々の名作を発表しておりPlanet AsiaやRas Kassとも共作を作っています。過去にはPUNPEE氏もApollo Brownのビートを使った曲をYOUTUBEで公開していました。

Tyler, The Creator – Pigs

Frank OceanやThe Internetも在籍していたOdd Futureのリーダーであり、ラッパー兼プロデューサーとしてもUSヒップホップのトップアーティストとして活躍しているTyler, The Creatorが2013年に発表した2ndアルバム『Wolf』に収録。Tyler, The Creatorらしいアブストラクトでダーティーな世界観にマッチしたストナーなAmen使いが素敵です。

HI-BULLET / Str8 outta RAGGA

OZROSAURUSやDELI、DS455にフューチャリングされていた事でヒップホップ・シーンでも人気の高かったレゲエ・ディージェイ「CORN HEAD」のヒップホップMC名義「HI-BULLET」が鎖GROUPからリリースした『THIS IS HI-BULLET』に収録されていたN.W.A / Straight Outta Comptonを使った1曲。元の素材を上手く活かしつつオリジナルの要素もあるユニークなトラックを完成させています。

Beastie Boys – Negotiation Limerick File (Ganja Kru Remix)

DJ Hype、DJ Zinc、Pascalによる伝説のジャングル/ドラムンベース・ユニット「Ganja Kru」によるBeastie Boysのオフィシャル・リミックス。名盤『Hello Nasty』からシングルカットされた「The Negotiation Limerick File」の12”インチに収録。ブリブリなベースラインとグルービーに刻むAmen BreakにBeastie Boysの痛快なラップが合わさった名曲です。他にもGanja KruはJay-ZやMissy Elliottのリミックスも手掛けていました。

DJ Shadow – lesson 4

カットアップ・ブレイクビーツ/メガミックスのクラシックであるDouble Dee & SteinskiのLessonシリーズへのオマージュであるDJ Shadowの初期を代表する名作「Lesson 4」ではFunky Drummer/ Soul Pride(JB)、Apache(Incredible Bongo Band)、You’ll Like It Too(Funkadelic)、Let a Woman Be a Woman – Let a Man Be a Man(Dyke & the Blazers)などの一度は聴いた事があるであろう黄金のブレイクビーツやファンク、ソウルの大ネタを矢継ぎ早に重ね合わせていく中、後半からのThe Winstons / Amen, Brotherのネタ使いは流石。同曲のCut Chemistによるリミックスも素晴らしいです。
この情報量の多いメガミックス・スタイルはブレイクコア・ファンにも通じる物があるのではないでしょうか。

Techno Animal – Piranha feat. Toastie Taylor

Justin K Broadrick(Godflesh/JK Flesh/Jesu)とKevin Martin(The Bug/King Midas Sound)によるハードコア・トリップホップ~イルセントリック・ヒップ・ホップ・ユニット「Techno Animal」が2001年に発表したアルバム『The Brotherhood Of The Bomb』に収録されていたToastie TaylorをMCに迎えたハードコア・ラガヒップホップチューン。後半からぶっこまれるAmen BreakとToastie Taylorのラガマフィン調のラップとのぶつかり合いに痺れます。Toastie TaylorはICE(Techno Animalの2人によるバンド)やSi Beggの楽曲にも参加していました。

Ultramagnetic MC’s I Ain’t Takin’ No Shorts

Kool Keith、TR Love、Ced Gee、DJ Moe Luvによるレジェンド・グループ「Ultramagnetic MC’s」が96年に発表したアルバム『New York What Is Funky』に収録されていた隠れた名曲。生ける伝説であり鬼才ラッパーKool KeithのラップとAmenのファンキーな打ち込みが印象的な1曲。

Dope D.O.D. – Bloodbath

ドラムンベースやダブステップ、トラップを90’sなブーンバップやホラーコアと組み合わせたオランダのラップユニット「Dope D.O.D.」の2ndアルバム『Da Roach』に収録。メインでAmen Breakが使われている訳ではありませんが非常に良いアクセントになっています。『Da Roach』はRedman、Onyx、Sean Priceがフューチャリング・ラッパーとして参加しており、トラックメイカーではドラムンベース・アーティストのMaztekが参加していてヒップホップだけではなくベースミュージック・ファンからも支持されています。

Anarchic Hardrive – Loony Shit

Werk DiscsやPunch Drunkからレゲエとダブにジャングルのエッセンスも交えたテッキーなダブステップ/グライムをリリースしていたAtki2(Monkey Steak)が2000年初頭に結成していたブレイクコア・ヒップホップユニット「Anarchic Hardrive」の唯一のアルバム『Feeding Our Paranoia』に収録されていたブロークン・ラップチューン。このアルバムでは殆ど全曲でAmen Breakが使われており、D’HerbalisとLewisの2MCによる迫力のあるスモーキーなラップとブレイクコア的なトラックが見事に融合しています。