GHz対談Vol.2 – HALU x maidable x STGM

GHz Interview, 未分類

GHz対談の第二弾は東京のアンダーグラウンド・ベースカルチャーで活躍している若手DJ/クリエイター達によるスペルシャル対談を公開!
DNB(ドラムンベース)やJUNGLEをベースにDubstepやTechnoまでジャンルを超えてフリーキーに取り込み新しい感覚を持ったユニークなスタイルで注目を集めているお三方に参加して頂きました!
今の若手DJ/クリエイター達が何を考えてどんな物に影響を受けているのかが解り、世代を超えて音楽好きに新たな刺激を与えてくれる興味深い内容の対談となりました!

HALU
https://twitter.com/halu_blcr
https://soundcloud.com/haludnb
DJ/Tokyo
東京のジャングリスト。破壊的な低音とリズムを求めてアーメンブレークの可能性を探っている。
B-GIRLだった学生時代にアーメンブレークを空気のように当たり前に吸い続けていた記憶からアーメンの虜となった。ドラムンベースをきっかけにDJキャリアをスタートし自身の求める低音を唸らせる。
“アーメンブレイク” を根底に置いたPLAYで玄人から素人までを次々にフロアへ巻き込んでいくスタイルを確立、DJデビューから瞬く間に年間60本以上のブッキングを獲得。
ナイトクラブに留まらず、各種インストアDJやライブアートとのコラボレーションやエクストリームスポーツイベントへの出演、地方へのGUEST出演を重ね、クラブミュージック専門ネットラジオ「block.fm」に数回にわたり出演するなど、その知名度を全国に向けて徐々に加速させ、東京Drum’n’bassシーンを代表するFemale DJへと成長を遂げ、国内唯一のFemale Junglistとして数々の現場を駆け抜けている。
現在も年間80本以上の現場に立つ傍ら、トラックメイクやリミックスにも手を広げ、「MICHI」「ちゃんみな」といったメジャーアーティストのバックDJやサポート、さらにはパーティオーガナイズやアートワーク・ビジュアルディレクションも自ら手がけている。
また2017年よりSoraxniwa fmにて自身のラジオ番組「Urban Surf Radio」をスタートさせ、ラジオパーソナリティとしての顔も持つ。
2017年夏には兼ねてからの夢であった「GLAY」のオフィシャルライブ(アフターパーティ)でのDJも勤める。
メジャーとアングラを行き来し、従来のクラブDJの概念を大きく越えて自身の世界観を発信している。

maidable
https://soundcloud.com/maidable
https://twitter.com/maidable
幼少期にスピッツの楽曲をカセットテープにダビングしてもらったことで音楽と出会う。中高とドラムを経験しバンド活動に勤しむも、友人の作った曲に衝撃を受け突如電子音楽に没頭する。
現在はDJ/Producerとして、UKのアンダーグラウンドシーンに影響を受けたDrum’n’Bassやjuke/footworkを軸として活動する。DJではBS0、BACK TO CHILL等サウンドシステム文化に根ざしたパーティーを中心として出演し、楽曲制作では国内でのリリースを皮切りに、アメリカのRubik Recordsや中国のMettāsonicから楽曲をリリースしている。海外レーベル/アーティストにも積極的にアプローチし、より自身の音楽性を追求している。

STGM(Abstract Lab/新宿ドゥースラー)
https://soundcloud.com/sutegomer
“STGM”と書いて”ステゴマ”と読む。大学入学と同時にDJサークルに加入、活動を開始する。Drum&Bass,Jungle,Juke/Footworkを主軸にDJ/Trackmakerとして活動中。
2015-2017年 新宿ドゥースラーにて”Invisible Huge Wave”を主催。
2015年 11月 新宿ドゥースラーにてスタッフを務め始める。
2017年 4月 AOIと共に実験的B2Bユニット「Abstract Lab」を始動。
9月 “Human Elements”に出演。
10月- 新宿ドゥースラーにて”Abstract Lab Pres. MOVEMENT”を定期開催。
12月 “SOUND SLUGGER”に出演。(Abstract Lab)
2018年 2月 Oshirijima主催レーベル”Living”より「Oshirijima – Chloe (STGM Remix)をリリース。


 

Q.
皆さんはどういったキッカケで出会ったんでしょうか?

maidable(以降m). 最初はNEOでやってたINDIGOってパーティーでHaluさんと出会ったんですよね?

HALU(以降H). そうそう、確か5~6年前だよね?可愛い子が気持ち悪い曲をかけてて最高だなってのを覚えてる(笑)
そのパーティーは私と同じ年の89年生まれのDJ達で主催していてDNBをメインにJump UpからExit系のディープな物まで幅広くやってました。そもそものコンセプトがDNBオンリーというのと若手をフックアップするというのがあったので自分達よりも年下のDJを沢山集めていて。そのパーティに出てた子は今は別の現場に出てたり辞めてしまったりなので未だに繋がっているのはmaidableくらい。

STGM(以降S). 同じ大学で僕のマイメンのSparkとちょくちょくDNBのパーティーに一緒に遊びに行ってて。彼からどんどん知り合いを増やした方がいいよって言われて、色々な人を紹介してくれた中の一人がHaluさんでした。
maidableさんとはAQUANAUTSでしたね。どらむん町内会ってイベントでmaidableさんがトップバッターでDJしていて、まったく聴いた事の無いドープな曲をかけてて。これ、どらむん町内会だっけ?って(笑)
後で他の人にmaidableさんがかけてたのって何てジャンル?って聞いたらDNBだよって言われて。それでいろいろ掘っていってハーフステップとかオートノミックを聞き出しました。その辺は最初DNBだとは解らなかったです。

m.その時期はメインストリームのDNBではなくてChimpoとかstrayなどのちょっと変わったタイプのものを好んでプレイしてましたね。フットワークとDNBが融合した曲が好きで、その中でも特にStrayはエクスペリメンタルな感じがあって新鮮だったのでよくプレイしていました。

皆さんの音楽的ルーツを教えてください。

H.私は9歳からダンサーをやっていたんですけど、その時からブレイクビーツを練習曲としてずっと聴いていて。「It’s Just Begun」とか大好きでしたね。その流れでアーメン・ブレイクが凄い印象に残っていて、原点回帰して今またJUNGLEに戻ってるんです。それと、ヒップホップも聴いていて90’sとか00年頭とかのチャラくなり始めた頃のヒップホップが好きでした。

ダンスミュージックをガッツリ聴くようになったのは、サマーソニックでProdigyを見たのがキッカケですね。単純にインストのダンスミュージックで馬鹿踊りしたのはProdigyが最初でした。その時はまだDNBを知らなくて。DNBに系統したのが2011年頃で、関西にGAME SHOPって人力DNBバンドが居るんですけど、彼らのジャケットのモデルをやったんですよ。その時にGAME SHOPの曲を聴かせて貰ったんですが、GAME SHOPが当時ドラムンベース・ステップというのを押し出していて。
私はダンサーでしたけど、バンドが好きでヒップホップが好きでレゲエも好きで、全ての界隈からはじかれる様な状態だったんです。ロック好きな子はヒップホップ嫌いで、ヒップホップ好きな子はロックが嫌いで。ずっと板挟みになっていて。だから、バンドの形態でダンスミュージック側の要素があるGAME SHOPに衝撃を受けてDNBにハマっていったんです。その時にGAME SHOPのキミトにDNBやりたかったらDJやったら?って言われたのがキッカケでDNBをやりたくてDJを始めました。
本当はダンサーとしてDNBをやりたかったんですけどね。ドラムンベース・ステップはフットワークに近くてシャッフルとかジャンプスタイルみたいな呼ばれ方をしている足の運びのステップがあるんですが、ショウケースとして使える様な形では無かったので。まずはDNBって何?という所からダンサーの友達に教えていかなきゃいけなかったから自分で踊ってみて動画にしてみたんです。そしたら意外な事に多くの人に見て貰えて反響も大きかった。

DJカルチャーに接していくのはいつ頃からでしたか?

H.クラブのバーテンを二十歳からやってたのでDJにはずっと接してました。ダンスのイベントのオーガナイザーもしていてDJもブッキングしていたので。
その時に働いてたのは青山FIAT SPACEっていう箱で。ハウスとかディスコとか年齢層の高いクラブだったんですけど、そこの上司がDJで、仕事が終わった後に朝まで店のブースを使って練習に付き合ってくれて。3~4ヶ月くらいスパルタな練習を受けました(笑)。俺がいいって言うまでDNBはやるなと言われて、ヒップホップとか128BPMのEDMとかをプレイしていました。その後に基礎は教えた、あとはもう好きな曲でDJやっていいよって言われて1秒後にはDNBかけてましたけど(笑)。
DNBのDJを始めた頃はHospital Records周辺とかNetsky、MonstercatとかDelta Heavyとか使ってましたね。DNBってその辺だと思ってたんですけど、掘れば掘るほど色々知っていって。

STGM君は?

S.原体験的な部分では5~6歳くらいの時にプレイステーションが発売されて、それからずっと名立たるゲームをプレイしていて。当時の音楽的風潮がゲームミュージックにも表れていて、テクノ、トランス、ドラムンベース、ジャングル、いろんな要素が詰まっていたのでそれが結構心に残っているというか。SONYが出してたサルゲッチュはほぼDNBやJUNGLEだったり。リッジレーサーとかもそうですね。ゲームで流れているBGMが好きだったのでゲームを止めて聴いてました。
それと、中学の時に周りはJ-POPとか洋楽を聴いて鼻高くなっているのが嫌で。自分はオタクを拗らせていたのでアニソン、ゲームミュージックから始まってニューウェーブからクラフトワーク、そこからテクノポップ、パンクにハマりました。高校の時は御茶ノ水のジャニスに行ってテクノポップのコーナーを端から端まで借りていってバイト代を全部使ってましたね。

その頃って初音ミクのYMOカバーとかありましたよね。

S. あれもめちゃくちゃ聴いていました。平沢進がリバイバルしたのもあってまんまとハマって。高校時代はテクノポップで過ごしたので誰とも音楽の話が合わなかったです。
通っていた大学にDJサークルがあったので自分もDJをやってみようとなって。周りはハウス、ハードコア、EDMで居場所が無かったんですよ。そんな中で先輩にクラブに遊びに連れて行かれて、そこで見たのがAstro-Hunさんって先輩のDNBのDJがいて、そこでDNBを知りました。先輩がリキッドファンクをやってたので僕も最初は真似して曲をメモして買ってリキッドファンクをかけてました。曲を買っては繋いでを繰り返して。二十歳の時にAQUANAUTSに呼ばれて、それが学生サークル以外では初のイベントでした。

maidableさんは?

m. 僕はSTGM君と違ったゲームミュージックから入っていて。中高はバンドでドラムをやっていてほとんどバンドミュージックしか聴いていませんでした。ある時に打ち込み音楽をやっている友達がBMSという音楽ゲームを教えてくれたんです。それで色々とプレイしていく中で削除くんのトラックがブレイクビーツを主体としていて、当時ブレイクビーツって名前も知らなくてリズムのアプローチが面白いなっていうのと単純に好きで聴いていました。他にはFALLさんの「TOKYO-RHYTHM No.524」とか。それで電子音楽に惹かれていきました。


何故ドラムを選ばれていたんですか?

m.単純なんですけど直感的に音が出せるなっていう。ドラムだったらスティックで強弱付ければいいんで(笑) ちゃんとやってる人に怒られそうですけど(笑)
僕は中高時代はRADWIMPSとかELLEGARDENとかASIAN KUNG-FU GENERATIONとかのコピーバンドをやってましたね。BMSと出会うまではほとんど電子音楽を通らずにいました。

DNBとの出会いは?

m.大学に入ってサークルの先輩にRedcompassってDJが居て当時クラブミュージックを殆ど知らなかった僕に色々と教えてくれたんです。クラブに遊びにいくようになって、その頃はダブステップが好きだったんですけど、友達にダブステップが聴けるコンピレーションは無いですか?って聞いたらUKFのコンピを取り合えず買えばいいんじゃないって言われて、それで「UKF Bass Culture」を買って。そこに入ってたDJ Freshの「The Gatekeeper」とDJ Marky & S.P.Yの「Yellow Shoes」に完全にやられましたね。その後にCritical Musicというレーベルに出会うんですが、Rockwellの「Aria」という曲を聴いて、めちゃくちゃ衝撃を受けました。全然DNBっぽくないんですけどね(笑)。聴いた瞬間に何これ!?ってなって。それでCritical Musicのカタログを片っ端から買っていって、そこから実験的な物を好むようになりました。DNBってこんなに凄いんだって気持ちが芽生えたというか。

H. The Gatekeeperめっちゃ好きだった!これは今も通じると思う。



DJデビューはいつですか?

m.大学サークルのイベントが最初でしたね。当時めちゃくちゃチキンだったんでCDケースの裏側にメモを挟んで曲のBPMとか、何分何秒から曲を入れ替えるとか全部メモっていて(笑)。めちゃくちゃ緊張していてBPMも合わせられないだろうから最初に全部仕込んだんですけど、やっぱり失敗しました(笑)。今もそのメモ帖は戒めとして残しています(笑)。その後、しばらくサークルでDJしていて、INDIGOに誘われて初めてサークル以外でやりました。

皆さんにとってDNBの魅力とは?

S. いろんなパーティーに遊びに行って現場で実際に体感して感じたのはフォーマットがあるようで無いのが魅力ですね。アホみたいなのもあればシリアスだったり四つ打ちっぽいのもあったり。最低キックとスネアとベースが鳴っていればDNBなんだって。

m.同感です。型にはまっていてもはまっていなくてもいい。ハウスやテクノはフォーマットがある程度決まっていてそれも好きなんですけど、DNBは今また多様化していて本当に面白いです。

DNBにおいて一定のフォーマットやイメージから離れた表現だと日本のENAさんの作品やUKのASCなどはどう見えますか?

m.ENAさんはもう本当に大好きです。ファンですね。

H.最高ですよね。DNBを聞き始めた時にDNBって言葉に無意識に縛られていたけど、今はもうDNBって言葉に意味がなされていなくて。もはやジャンルの名前が意味をなしていない。個人的にはレーベルもアーティストも関係無くて音だけで選んでいる。何のレーベルが好きなのって聞いてくるのって大抵は年上の先輩なんですけど、音で選んでるんでレーベルとか正直どうでもいい。掘る時には時短になるし拡げやすいからそういう検索オプション的なイメージかな。そういった会話が出来るのは同世代が多くて皆オープンマイドですね。所謂ベース・ミュージックの中でも皆好き嫌いはあるだろうけど、皆それぞれ確たる自分の好きな物はあって自分の物にしているというか。

m.それの最たる物がENAさんとASCも参加しているGrey Areaってシリーズで。
あれって曲名も書いてなくてアーティスト名も無記名で全部関係なく音だけで勝負していて、ひたすらテクノとDNBの延長線上を展開している作品なんです。
あとは同じく一定のフォーマットやイメージから離れているという意味だとOm Unitとか。ちょっと他と違ったエクスペリメンタルさやメッセージ性もあって。変名義も含めてDNBで一番好きなアーティストはOm Unitかもしれません。


日本のDNBプロデューサーで皆さん世代にとって重要なプロデューサーは?

m.HEAVY1さんです。メインストリームな曲を各主要レーベルからリリースしていた一方で、本当に早い段階でエクスペリメンタルな事をしていて。あとは、MAKOTOさんやベロシティさんも勿論大好きです。個人的には今後の展開も含めてキーになる人はHEAVY1さんかなと。

H.私も完全に同意見だなー。HEAVY1さんの曲は今もかけてる。それこそさっきのBass Cultureにも入っているし。あとはAMPS君も気になってますね。

S. 僕の中でヒーローなのは、HUMAN ELEMENTSのMAKOTOさんとVELOCITYさんなんですけど、これから若手が引っ張っていくとなると、一番最初に思い浮かぶのはMAOZONさんとか。


皆さんはドラムンベースを得てからのJUNGLEですよね?JUNGLEのどんな部分に興味を惹かれましたか?

H. JUNGLEという名前を意識したのは2〜3年前かな。NEOでCoral sunrise(今年8月から蜂で復活しました!)ってイベントをオーガナイズしていて。それはヒップホップとドラムンとレゲエをミックスするっていう私得なイベントだったんですけど、それでヒップホップとレゲエの要素を持ったDNBって必然的にRAGGA JUNGLEになるんですよ。元々私は横浜出身でレゲエは聴いてたのでラガは身近だったからもう最高!ってなって(笑)

S. 僕がJUNGLEを認識したのは2014年ごろに福岡のColonさんがドゥースラーでやってたWastelandに出させていただいて。そこで、Rave RisingさんがRAGGAも無いブレイクビーツとベースだけのマジなJUNGLEをやってて。それでめっちゃ食らって。そこから数ヵ月後にCONGO NATTYが来日したので見にいってまた衝撃を受けて。その時にDONさんも出演したんですが、そこで見たDONさんのプレイに惚れました。CONGO NATTYの往年のJUNGLEに対してDONさんはいろんな表現でJUNGLEをやっていて。FOOTWORK JUNGLEからDNBに行って最後はH Jungle with tで終わるという。本当にカルチャーショックでした。


m. 僕はAddison Groove & Sam Bingaの「BS3 EP」からですね。フットワークとテクノの要素もあって衝撃的でした。EPの説明文で170BPMで808をバウンスしているけどJUNGLEじゃない、ボーカルをチョップしているけどフットワークじゃないと書いてあって。フットワークは知ってたけどブレイクビーツを意識しはじめたのはそれが最初ですね。そこからブレイクビーツが入った曲を探して行ってCONGO NATTYに辿り着いたのがJUNGLEとの出会いでした。それと、2014年のJUNGLE WARも自分にとっては大きかったと思います。日本でもLIMITED TOSSさんとかDONさんとか、Shexさん(TECHNOMAN)、国士無双が参加していて、アーティスト単位というよりムーブメントとして知っていきました。

DubwiseはDNBとJUNGLEのハイブリッド的な立ち位置だと思いますが、皆さんはどう思われていますか?

m. 確かにJUNGLEってよりかはRAGGA DNB、みたいな曲も多くあると思います。でも、各々自分の信じるDNBやJUNGLEがあるので僕はそれでいいと思っています。
僕達よりも下の世代はもっと自由で好きな音をジャンル関係無く聴いていて、昔の曲も今の曲も関係なく好きだったらプレイしているのがすごいなって思います。僕も最近はジャンルとかじゃなくてBPMで考えるようになりました。

H. JUNGLISTって思考だよね。JUNGLISTはテクノをかけていてもJUNGLISTだし。

S. JUNGLE ROCKさんは正にそうでよね。

皆さんはご自身のDJスタイルをどう説明しますか?DJプレイにおいて意識されている事は?

H. サウンドシステムカルチャーにすごく興味を唆られるので、それを通ってる音楽をプレイする、ですかね。あとはやっぱりダンサーの過去を活かしたいというかアーメンに血が騒いでしまうので最近は特にアーメンを意識してますね。
昨年からはバックDJをしていて、それは仕事だし絶対に音を止めちゃダメで背中を守らなくちゃいけないので責任が重い。普段やっているアンダーグラウンドなDJをする時とは違ったプレッシャーがありますね。それで自分のDJに対する意識も変わりましたね。自分の身なりとかSNSの使い方とか。昔はDJしながら潰れることもあったし(笑)

S. 平坦なDJは好きじゃないのでBPMの上げ下げだったりとか、雰囲気を変えたりとかは意識していますね。

m. 最近は自分で作っている150BPMくらいのダブステップとブレイクスの間みたいなのもかけています。ダブステップでもドラムンベースでもないので、一言で言い切れないので困ってるんですけど、、(笑)。「ベースミュージック」という言い方も波紋を呼びそうなので。ベースミュージックって範囲がとても広いですし、人によって解釈が違うので。捕らえようによってはディープハウスもブロステップもベースミュージックですし。
DJプレイにおいては自分が楽しい、かつ同じ趣向の人も飽きることなく楽しんでくれるっていうのを意識しています。

判明教師にしている事などはありますか?

m. 時々、SNSで過激な発言をしているDJやアーティストの方を見ますが、きっといろいろ考えてマジメにやっているのにそういった処で損をしていると思います。パーティーとか音楽への想いを語るのは良いのですが、それで人を攻撃するのは個人的にはあり得ないと思ってます。こういうのもあるけど、僕はこういうのが好き、とかなら解るんですけどね。そういう人がシーンを壊しかねない。SNSではパッと思いついてすぐに発言できてしまうのもあると思います。お会いして人が良いのを知っていると余計に勿体ないなと思います。

H.それこそプロ意識ですよね。私もTwitterとかインスタとか使い方考えた時期もあった。

皆さんよりも下の世代が出てきているとの事ですが、下の世代が出てきた事によって焦りなどはありますか?

m. はい、焦りますね(笑)。
でも、このご時世年齢を話題にするのってナンセンスだと思います。上も下もない。最近は徐々にではあるけど、お客さんでもDJでも年齢や性別が関係なくなって来ているし。とても良い流れが出来ているんじゃないかと。

H. 別に下とも思ってないですね。上の人にもですけど。年齢ってほんと意味ないかなって。

S. めちゃくちゃ焦ってます。二十歳前後の人たちのイベントに行ったり共演させて貰って思うんですが、下の世代は僕とかちょっと上の世代よりも振れ幅が大きいし、エネルギーがある。T5UMUT5UMU君とか本当に凄い。クオリティが半端じゃない。それと、下の世代はさらに色々なジャンルを行き来しているのでジャンルオンリーの時代は終わったんだなって感じています。

今注目しているアーティストやレーベルは?

m. SULLYとかのオールドスクールを感じさせるニュースクール系が良いですね。Rupture というレーベルは女性が運営していて、男社会になりがちなDNB/JUNGLEシーンでも女性DJが活躍できる場を積極的に設けていて、とてもいい流れだと思います。※


※Ruptureを運営するMantraがInstagramにアップした、1年間のgig数に対する女性がプレイした割合の、レーベル間比較
https://www.instagram.com/p/BdcnwoXFKxz/

S. SpinscottとThumbzo。この二人は特に注目株ですね。


GHz Junglist Interview #6 Spinscott
http://ghz.tokyo/2016/12/08/ghz-junglist-interview-6-spinscott/

H. 今は130BPMをメインに掘っているからドラムン系だとぱっと出てこないな〜。CRKは結構気に入っています。あとMelt yourself Downってバンドがめちゃいいです!130ならMella Deeが好きすぎる!PANGAEAも好きです。今の気分だとテクノにアーメンが組み込まれてる曲をもっと掘りたいです。

今後の活動において目標としている事はありますか?

H. 今年は一つ一つを丁寧にしていきたい。去年は有難い事にDJの本数が多くて80本くらいやらせていただいたんですけど毎回満足は出来なくて。なので今年は予習復習するループを大事にして一つ一つの現場を大事にしたいというか意味を持たせたいです。パーティーにおいて毎回ピークタイムを任されるのに憧れもありますけど、アンダーグラウンドな音楽だってのは解っているので。呼ばれた場所で自分の仕事をやり遂げたい。

S. 去年は目標としていた事は大体やり遂げられて、でも、まだまだあってやりたい事や挑戦したい事は沢山あります。DJも曲作りもクオリティを上げたい。
活動においても東京に縛られ過ぎてるなってずっと感じていて、北海道でも大阪でも何処でもやりたい。まだ井の中の蛙ですが、色々見て勉強していきたい。音楽を取り上げられたら何も残らないので。

m. インプットももちろんそうですが、アウトプットをもっとしっかりと楽曲として出したい。DJとしてもそういった考えを軸として、一回一回作品を作る様なプレイをしていきたいです。