GHz Junglist Interview #6 Spinscott

GHz Junglist

Jungleコンピレーション”GHz Junglism”発売記念のJUNGLE特集!

今回のインタビューでは、MPCでJUNGLEのライブ演奏を披露しているUSの凄腕手動JUNGLIST「Spinscott」が登場!

YouTubeで公開している数々のライブ動画では、MPCを使いシーケンス無しのリアルタイムでAmen Breakを正確に演奏した驚愕のプレイスタイルで話題を集めています。
ライブパフォーマンス以外にもSpinscott名義での楽曲製作もおこなっており、オールドスクールな雰囲気のあるJUNGLEからFOOTWORK JUNGLEな楽曲まで発表しており、Dynamix RecordsやFaction Digital Recordingsといったレーベルから作品をリリースしています。

Spinscottの本邦初公開となる貴重なインタビュー!JUNGLE好きは勿論、ビートメイカーやMPC/サンプラーバトルのファンの方も是非チェックを!




Q1.
出身はどちらですか?

アメリカのメリーランド州出身。音楽に溢れた環境で育った。

Q2.
音楽活動をスタートしたのはいつですか?

かなり幼い頃から、何らかの形で音楽に関わってた。初めてドラムスティックを手にしたのは、4、5歳の頃。それから学生の間ずっと、ドラムやパーカッションを演奏して、卒業後も複数のバンドで演奏してた。90年代初頭、地元のパーティーでポップミュージックをかけるDJを始めた。更にその数年後、JUNGLEに衝撃を受けてすぐに虜になったんだ(特にドラムとリズムに)。それから1年たった頃、JUNGLEのレコードのミックスを始めた。

Q3.
JUNGLEを初めて聴いたのはいつですか?その際、JUNGLEの何処に魅力を感じましたか?

初めてJUNGLEを聴いたのは、MastervibeというDJのミックステープで、1995年の秋だった。
姉が地元のパーティーでそのミックステープを買ってきたから、それをダビングして毎日聴いてた。少なくとも6ケ月間は聴いてたかな…聴き込みすぎてテープが切れる度に、またダビングしてた。その魅力の理由は、間違いなく複雑なリズムだった。何年間もドラマーだった僕は、両手両足の限界を超えたドラムキット上ならではのビートとリズムに興味をそそられた。
当時僕は、車の中でそのミックステープをかけて、ダッシュボード上で全ての音を叩いた。1つでも逃した音があれば、またテープを巻き戻してやり直した。ちょっとクレイジーだったとは思うけど、それが今の僕のドラムマシーン演奏の原型になっている。

ちなみに、僕が大好きなプロデューサーは間違いなくLemon DとDanny Breaksだ。Lemon Dは”I Can not Stop”とか、僕のお気に入りのトラックを数多く作っている。僕が思うに彼のトラックは、JUNGLEが持つありとあらゆる最高の要素を存分に詰め込んだ絶対的で完璧なトラックなんだ。”Feel It”や “Urban Style Music”と言うトラックも彼の作品だ。この曲も、数々の長寿の名曲と共に僕は今でも聴いてる。
Danny BreaksはDroppin ‘Scienceレーベルから”Step Off”、”Firin’ Line”などを含む世界的に人気を誇る作品をリリースした。あの頃は、数々のパイオニアやイノベーターが素晴らしい楽曲を世に送り出してた時代だったから、それらを全部挙げてたらフェイバリットリストを作るのはど偉いことになるな。けど、この2人のアーティストの作品は、僕の心の琴線に本当に触れるものだった。

Q4.
あなたが初めてJUNGLEを聴いた時、USにはJUNGLEのシーンはありましたか?

ここアメリカにおいて「Rave」シーンは僕が好きになる前からずっと存在してて、ローカルイベント、地方イベント、そして国民的イベント問わず、数多くの音楽スタイルが既に健全で活発に展開されていた。
僕がJUNGLEを初めて聴いた頃、この地域ではFever、Buzz、Rise、Ultraworldなど、数多くの素晴らしいパーティーが定期開催されてた。JUNGLEはそういうイベントからも引っ張りだこで、世界中からDJが招待されて音楽の起源を学ぶ入り口になるようなレクチャーも開催されてた。
JUNGLEのヴァイナルやCDは、Modern Musicや Yoshitoshi、Music Liberated辺りの近場のレコード屋で見つけられたから僕もレコードを買ってた。でも、この近場以外にも、Breakbeat ScienceやNew Yorkって言う個人的に気に入ってたレコード屋があって、そこからもヴァイナルを注文してた。

Q5.
貴方が初めてJUNGLEのトラックを作ったのはいつですか?

1999年後半、僕はまだ初期のJUNGLEスタイルにハマってた。けどクラシックなドラムブレイクサンプルや、clean808、Reese bass linesあたりの、僕が聴いたりミックスするのを楽しめる要素があるリリースを新しく見つけるのが、残念ながら困難になってた。 当時使えたのは殆どドラムンベーススタイルで、確かに素晴らしい楽曲のリリースはありはしたんだけど、僕が探し求めてたテイストとはちょっと違ってた。 だから自分でトラックを作ることに決めた。Madtrackerというプログラムと、その”oldschool”な雰囲気を生かして作る事にした。それから一年後には、自分の曲をイベントでミックスするようになってた。

Q6.
貴方のMPCスタイルはいつ生まれましたか? なぜあなたはMPCでJUNGLEをプレイしようと試みましたか?

Madtrackerを数年間使ってから、2012年の夏だったな、僕はハードウェアも試してみようと思った。
MPCドラムマシンとは何であり、そしてそれが数十年に渡り電子音楽制作に使用されてきたということは分かってた。更には、ドラムマシンやラックサンプラー的なものが僕の好きなJUNGLEトラックに頻繁に使われてたことも知ってた。けれどだ、僕はMPCでリズムをライブでプレイする人間を見たことが全く無かった。
その夏のある日、僕は人生初のドラムマシンを選んだ。そしてその晩、パッドを叩く演奏スタイルで「ライブ」とか「リアルタイム」でJUNGLEを演奏している人が過去に居たのかどうかをオンラインで検索しまくった。そしたら誰も居なかったんだ。だから、フリースタイルのお遊びで、JUNGLEドラムのビデオ・クリップを50秒間だけ録画してみて、それがどんな結果を引き起こすかを見てみようと思った。その結果、正直言って、動画が注目を浴びすぎてショックだったけど、でもまぁ、もともと人のために演奏するのは好きだったし、オーディエンスも確実そこにいたから、プログラムやビデオをどんどん新たに作り続けた。

その後、自分のDJセットの中にドラムマシンのプログラムも組み込み始めた。それが “Jungle Plus Drums”スタイルの始まりだ。僕が現在所有してるドラムマシンは、ビデオやライブツアーでも使用してるMPC 1000だ。過去数年間で、他にもいろいろ買ったり売ったりして試してきた結果だ。今でも常に新機材はチェックしてるし、最近もまさに新製品をいくつか検討中なんだよね。

Q7.
貴方のMPC Liveは非常に正確ですが、クリック音も聞こえません。だから、目を閉じてライブセットを聞くと、シーケンスされているように聞こえます。あなたはどのようにリズムをキープしていますか?
私はリズム感がありません。 リスム感を鍛える上で何か良い方法を教えてください。

正確さについてコメントしてくれてありがとう! 🙂
僕は人生の大半をドラマーとして生きてきたから、ライブでドラムマシンを演奏するにあたって、リズム面は非常に重要な要素だ。過去にも現在にも僕の親戚には数多くのドラマーがいるんだ。てことは、僕も運良く生まれつき、タイムキーピングのセンスが備わってたんだろうね。

ドラムマシンを初めて使用した時から、僕の目標は1ショットのサンプルだけを叩いて演奏することなんだ。一連にシーケンスしたリズムパターンじゃなくて。これは、ボンゴやコンガドラムのようなハンドドラムの演奏と非常によく似てる。結構皆、僕が既にシーケンスされた音をパットで叩いてると最初は思いがちみたいだから、イベントの際には僕の動きがきちんと見える角度にビデオを設置して、プロジェクターのディスプレイもはっきりと見えるようにしてる。

僕がどうリズムキープしているのかは、ちょっと説明できないかも…プレイしてる時に、ただあるゾーンに入っていって、自然とそれが起こるんだ。
練習する時は、自分にリズム感があるかどうかなんて心配せずに、ただ始めると良いよ。好きな曲を1曲かけて、テーブルか何かの上でビート部分をタップする練習をしてみて。
また、スタンダードなドラムの基礎を学ぶことも基本中の基本だから、オンラインで様々なスタイルのドラマーのビデオを見るのがおススメ。
オンラインに、フィンガードラムンのレッスンプログラムもある。例えば、メロディックスと言うレッスンプログラムがあるんだけど、それを使えば色んなレベルやスタイルの演奏を学ぶことができる。初心者でも始められるし、スキル磨きにもなる。そうすれば、大金を先攻投資しなくても、基本的なスキルが身に付く。安いコントローラベースのドラムパッドだってたくさんあるし。

Q8.
音楽制作の過程について教えてください。MPCライブと音楽制作を区別していますか? または、ライブで演奏しやすくなるように曲を作っていますか?

僕は、あらゆるタイプのプロジェクトに、あらゆるワークフローを用意してる。
リアルタイムドラムマシンのビデオでは、サンプル処理や音のアレンジ(パッドのレイアウト)、そしてドラムマシン自体のエフェクトの全てを自分で設定してる。
リリース用にトラック制作する際は、まずはコンセプトの構築段階でMPCを使用、実際のトラックの構築段階とミックスダウンにMadtrackerを使ってて、他にも編集用の他のプログラムも作成してる。

制作系のプロジェクトには、ヤマハHSモニターを使う。そして、Jungle Plus Drums DJセットでのパフォーマンスには、4CHミキサーのCDプレーヤーを使ってる。ライブドラムマシンのルーティンと、クラシックやオリジナルトラックを、そこで組み合わせてミックスしてるんだ。

最近のリリース一覧:
Limbic System / Trust Me (Dynamix Records)
The Rhythmic Induction EP (Dynamix Records)
Lights / Achromatic (Faction Digital Recordings)
Variations (Dred Collective)
The Greeting (Wicked Jungle Records)
No Control, Scottie Remix, Ricky’s Bad Day, etc (soundcloud.com/spinscott)
※他にもまだたくさんリリースの予定があるけど!:)

Q9.
現在のアメリカのJUNGLEシーンの現状をどう思いますか?

アメリカのJUNGLEシーンは現在最高の時期をむかえていると思うな。
音楽自体も全国のプロモーターから多大な支持を得てるし、たくさんの新旧プロデューサー達も新鮮な音楽を作り出してるし。熱意あるハイレベルなレーベルから、質の高い音楽もどんどんリリースされてるし。更には、DJたちの取り組みも同様に素晴らしい。ヴァイナルオンリーの従来のDJから、革新的なコントローラーや機材を使った演奏、そしてライブ要素とドラムパッドの融合スタイルによるパフォーマンスに至るまで、どれも素晴らしいし、インスピレーションの源だ。僕は、この国のアーティスト達の成長や成功を見てるのが好きだ!
今年は国内外およそ20都市のイベントでプレイして、各地のシーンを見ることもできて幸せだった。…JUNGLEシーンの忠誠や献身、愛情がとにかく素晴らくて、かなり感動したんだ。

Q10.
今後の活動予定について教えてください。

刺激的で新しい予定がたくさん待ち受けてる!
リリースに関しては、デジタルとヴァイナル両方でのリリースが数カ所のレーベルから予定されてる。今まさに進行中のプロジェクトなんだけど、フルLPの制作にも取り組んでる。
ドラムマシン側の活動に関して。来年は劇的にスペシャルなデモプロジェクトと、カスタムビデオをガンガン作っていく予定だ。
次回のツアーについては、世界各地のパフォーマンスを現在調整中。冬から春にかけてのギグは、もうすぐ発表予定だ。アーティストページにて随時スケジュールは更新してる。( www.facebook.com/spinscott

インタビュー: GHz Stuff
翻訳: Kyoka
※このインタビューは2016年10月12日に行われました。