レーベル特集③ / Subtrakt

レーベル特集

今回は4月30日に新作『Everything at Zero』をリリースするMonologが運営する実験的なベースミュージックを扱うレーベル「Subtrakt」を特集します!

元々、SubtraktはDean Rodell主宰のSubdivisionのサブレーベルとして2007年にスタート。ドラムンベースやテクノなどの要素を兼ねそろえたダブステップやダウンテンポなどをリリースするレーベルとしてBalkansky、Current Value、Machine Codeといったアーティストのシングルやアルバムを発表していました。ハード・ドラムンベースやスカルステップ、ダークステップ・シーンで活躍するアーティスト達によるダークでハードなダブステップをリリースするレーベルとして、ドラムンベース・ファンを中心に人気を集め、一風変わったダブステップを求めるリスナーやDJ達からSubtraktの作品は重宝されました。
2010年にリリースされたBroken NoteとMachine Codeのコラボレーション・シングル『Knuckle Dust』やコンピレーション『Low Life』でドラムンベースのパワフルさと機能性をダブステップに落とし込んだ新たな方向性を映し出していき、2011年にはMachine Codeの2枚組アルバム『Environments』という傑作を世に放ちます。『Environments』は当時のクロスオーバー化していたアンダーグラウンドのダークなドラムンベース/ダブステップ・シーンの勢いも収めながら、Current ValueとDean Rodellという天才アーティストの圧倒的な実力を形にした名盤であり、今聴いても十分に通じる素晴らしいアルバムです。GHz music storeでも好セールスを記録していました。


その後もSinister SoulsやLoop Stepwalkerが参加したヘヴィーなダブステップ・シングルやCurrent ValueのEPをリリースしていきます。同時期にMonologはドラムンベースとインダストリアル、メタル、グリッチを磨き抜かれた技術によってミックスしたハイクオリティな作品をAd NoiseamやPlasma Torusから発表しており、耳の肥えたリスナーから高い評価を受けていました。特に、2013年に発表された『2 Dots Left』はDean Rodell、Swarm Intelligence、Coohも参加したハイブリッドな作品でドラムンベース・ファンからテクノイズやインダストリアル系のリスナーからも支持され、Monologの存在はドラムンベースやベースミュージック・シーン以外にも知られていく事になります。


そして、MonologがDean Rodellからレーベルを受け継いで新たなアプローチでSubtraktを動かしていきます。Dean RodellとThe SectのDavid Edwardsによる10365やDEFCE、Ynojiといったアーティストの作品から、MonologとBalkanksyのコラボレーション作など、アンビエントやエクスペリメンタルなベースミュージックなど、ダブステップという枠を超えて新しい形の音楽を発表していきました。


最近では、Ivan Shopov(Cooh/Balkansky)とMonologのコラボレーション作やKarsten PflumとMonologのユニットA Dying User、日本のAtsushi Izumiやフランスの2methylのEPをリリースし、クオリティの高い作品をリスナーに届けています。
リリースされているアーティストを見れば解る通り、ハード・ドラムンベースやアグレッシブなダブステップを通過した者によるアンビエントやエクスペリメンタルなベースミュージックをリリースしており、それらの作品は他の実験的なダンスミュージックとは違った攻めの姿勢を感じさせる画期的な物が多く、作品全てが作りこまれた深みのある作品ばかりです。
ドラムンベースやダブステップのファンは勿論、インダストリアルやテクノイズ、レフトフィールドなベースミュージックがお好きな方は間違いなくハマる作品ばかりですので彼等のBandcampを是非チェックしてみてください。