J-Sample

特集記事

近年、海外のダンスミュージック・シーンでは日本のアニメや映画、音楽が頻繁にサンプリングされており、日本のサブカルチャーからの影響を感じさせる曲が世界中からぞくぞくと生まれています。

ジャングル~ブレイクコア~ハードコアといったアグレッシブなダンスミュージック・シーンにおいても日本の作品が素材として使われた曲が存在しており、今回はその中でも特に印象的であった曲をピックアップしてご紹介!
我々日本人が聴いたら何とも嬉しくテンションが上がってしまう刺激的な曲ばかりで、素材として使われている作品やアーティストの見えなかった部分も新たに発見出来る内容にもなっております。

General Malice – Coppershot

2000年初頭から中頃にかけて世界中でムーブメントを巻き起こしたハードコア・ジャングルの代表的なアーティストであるアメリカの「General Malice」が2004年にBig Catからリリースした日本のレゲエディージェイ「Ryo The Skywalker」の「Big Gun Salute」をサンプリングしたハードコア・ラガジャングルチューン。
USハードコア・ジャングリズムを感じさせるダーティーでファットなアーメン使いにポリティカルなリリックが合わさる衝撃的な内容。
General Maliceは2006年にリリースしたアルバム「Final Takeover」でも日本のラッパー「NIPPS」の「Island」をサンプリングした「N2O Never Falsify」という曲があります。

STIVS​-​I LOVE MIGHTY CROWN 🙂

もはや説明不要の日本が世界に誇る「Mighty Crown」のサウンドクラッシュをサンプリングしたUKのジャングル/ラガテック・アーティスト「Stivs」のタイトルまんまなジャングル・チューン。Mighty CrownのエネルギッシュなクラッシュとStivsの独特な刻みとグルーブを持ったジャングル・ビートが旨くフィットしています。
Mighty Crownはジャングル・アーティスト達からも支持されており、Mighty Crownのクラッシュをサンプリングしたジャングル・チューンは現在までにかなりの数がリリースされています。

Mochipet – Audition

クエンティンタランティーノ、イーライ・ロス、ジョン・ランディス、ロブ・ゾンビといった名立たる映画人も大絶賛している三池崇史監督のホラー映画「オーディション」から衝撃的であったシーンをサンプリングしたアメリカのグリッチホップ/ブレイクコア・アーティスト「Mochipet」の1曲。2002年にリリースされたMochipetのアルバム「Randbient Works 2002」に収録。
狂人的なビートと不気味なサンプルが混ぜ合わされたカオティックでスプラッターなブレイクコアとなっており、映画の世界観を見事に反映させています。

Society Suckers – The Beaver Song

日本のアイドルグループ「Da Pamp」のヒット曲「if…」をサンプリングしたドイツの伝説的ブレイクコア・ユニット「Society Suckers」のマッシュコア・チューン。チップチューン的なファニーなメロディに日本語のラップ、そして後半からはラガマフィンや映画「パルプフィクション」で有名な「Dick Dale」の「Misirlou」もマッシュアップされていくハイテンションな1曲。
Society Suckersは他にも「Zettai Remix」や「Kakke Ecko (I Love J-Core Forever Mixxx)」でも大胆な日本語サンプルを使っていました。

Hellfish – Fishika (Dedicated to Ramirez)

UKハードコアのパオイニアである重鎮「Hellfish」が日本のアニメーション映画「パプリカ」と平沢進による主題歌「白虎野の娘」をサンプリングしたグリッチーなUKハードコア・チューン。
骨太なブレイクビーツとディストーション・キックの上に映画からの台詞と「白虎野の娘」のイントロ部分をグリッチで捻じ曲げたノイジーかつメロディアスな作風でHellfishにしては珍しいスタイルです。

Forbidden Society – Tokyo Hardcore

同じくアニメーション映画「攻殻機動隊 -GHOST IN THE SHELL」のテーマ曲で有名な「謡」をサンプリングしたチェコのハード・ドラムンベース・アーティスト「Forbidden Society」の1曲。「謡」は凄まじい数サンプリングされていますが、この曲はForbidden Societyの優れたプロダクション・スキルとアイディアによって原曲にまったく引けをとらない迫力さを持ったハードでメタリックなドラムンベース・チューンとなっています。

Luna-c – Ataru

ハッピーハードコア/ブレイクビーツ・ハードコア・シーンの大ベテラン「Luna-C」が2003年にリリースしたアニメ「うる星やつら」の主題歌「ラムのラブソング」をサンプリングしたハードコア・チューン。Luna-Cらしいカラフルでアッパーな素材を駆使したオールドスクール・スタイルなハードコア。シンプルなガバキックと中盤に差し込まれるレイビーなシンセにオールドスクール好きは無条件でぶち上がります。

Venetian Snares – Amazon

ブレイクコア・シーンの帝王「Venetian Snares」が2014年にリリースしたアルバム「My Love Is A Bulldozer」に収録されている「仮面ライダーアマゾン」をサンプリングしたジャングル・チューン。レイビーなサンプルとシンフォニックなストリングス、子供の声とVSのボーカルがグルービーにミックスされたカオティックな内容。VSらしいアーメン・ブレイクの刻みとサンプルボイスのエディットに高揚感を煽られます。

この他にもXaturateの「Mental Gear Solid」やDeformerの「Beat•Bukkake」、Ambassador21「We Are Legion (Detest Remix)」、Gore Tech「Net Terminal Gene」などでも日本のアニメや音楽などがサンプリングされています。
気になった方は是非チェックしてみてください!