『ハードコア・テクノ・ガイドブック オールドスクール編』発売記念特集②

Hardcore Guidebook

『ハードコア・テクノ・ガイドブック オールドスクール編』発売記念特集の第二弾!
今回はパンク~メタル~ブレイクビーツ~ジャングル~ハードコア・テクノ/ガバ~インダストリアル~ノイズを混ぜ合わせた過激な電子音楽「デジタル・ハードコア」の名曲をピックアップ!

デジタル・ハードコアはAtari Teenage RiotのAlec Empireが立ち上げたレーベル「Digital Hardcore Recordings(以降DHR)」が展開していたスタイルであり、メタルやミクスチャーロック/ラウドロック系のリスナーからも支持され、DHRの作品は日本でも未だ根強い人気があります。『ハードコア・テクノ・ガイドブック オールドスクール編』にはデジタル・ハードコアのディスクレビューとコラムに加えて初期デジタル・ハードコアに深く関わっていた人物達の貴重なインタビューも収録。デジタル・ハードコアとドイツのアンダーグラウンド/Raveシーンについて知りたい方は必読です!

Alec Empire – Hardcore Gal

1994年にリリースされた記念すべきDHRの第一弾作品『Digital Hardcore EP』に収録。
今作以前はハードなブレイクビーツ・ハードコア/ジャングルをクリエイトしていたAlec Empireが明確にデジタル・ハードコアというスタイルを定義づけした最初期の作品であり、デジタル・ハードコアの核心部分が全面に表れています。

Atari Teenage Riot – Get Up While You Can

1997年にリリースされたATRの2ndアルバム『The Future Of War』の1曲目。1stアルバム『1995』で開拓した手法を更にアップデートさせ前作よりもハードコア・パンク的な要素を強め、更に過激に勢いを増したATRの第二章を象徴する名曲。

Killout Trash – Signe Says

DHRの設立メンバーの一人であり、後にSomething JとしてWarpからシングルもリリースするJoel Amarettoのユニット。DHR初のコンピレーション『Harder Than The Rest』のオープニングを飾る曲であり、当初のデジタル・ハードコアが目指していた方向性を形にしています。Killout Trashとして残した曲は少ないですが、デジタル・ハードコアの概念を変化させながらも最後まで突き通したユニットであります。

Shizuo – Anarchy

DHRの看板アーティストの一人として知られる伝説的なアーティストShizuoの『High On Emotion EP』に収録されているライブ音源。『High On Emotion EP』はDJ Scudとの共作含むオリジナル・トラックと1996年に開催されたDHRのイベントでのShizuoのライブ音源で構成。オリジナル・トラックも素晴らしいですが、ライブ音源からはShizuoのどうしようもなくパンクな生き様が音となって表れており、ある意味で最もデジタル・ハードコアな存在であったのが感じられます。

Ec8or – I Don’t Wanna Be a Part of This

デジタル・ハードコアのエレクトロニック・パンク的側面を追求していたPatric CataniとGina V. D’OrioのユニットEc8orが1996年にリリースしたEP『Spex Is A Fat Bitch!』に収録されている超ハードコアな1曲。Patric CataniがE-De-CologneやEradicatorで披露していたハードコア・スタイルにデジタル・ハードコアのメンタリティを落とし込み、自身のアティチュードを証明しています。

Bomb20 – Lory Vs Bomb 20

ヒップホップ色の強いグルービーなカットアップでデジタル・ハードコアに新たな方向性を与えたBomb20のDHRデビュー作『Choice Of The Righteous』に収録。ブレイクコアにも多大な影響を与えたBomb20のハードなブレイクビーツ・スタイルを象徴する1曲。ポリティカルな部分でもBomb20は活動を通して強く自身のスタンスを表していました。

The Curse Of The Golden Vampire – Caucasian Deathmask

Justin K Broadrick(Godflesh/JK Flesh)とKevin Martin(The Bug)のユニット Techno Animal(現Zonal)とAlec EmpireによるThe Curse Of The Golden Vampire名義のアルバムに収録。両者の様々なバックグラウンドが混合して生まれたハードコアなイルビエントの傑作。Alec Empireが言っていたハードコアとは速度ではなく攻撃性で決まる、を表しています。

Atari Teenage Riot – Speed(Live)

『Live In Philadelphia Dec. 1997』に収録されているATRの代表曲のライブバージョン。ATRが最も勢いのあった頃をパッケージしており、全編を通してデジタル・ハードコアの本質が感じられる名盤ライブアルバムです。

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