Hardcore / Techno PT.2

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今月頭に公開したテクノ/ハードコア・シーンのクロスオーバー化に関する記事が予想以上のアクセス数があったので、この勢いを持続させるべく急遽第二弾を公開!
前回紹介出来なかったアーティストを中心に、今回はテクノ側からのユニークなアプローチをピックアップしてみました。

ここからさらに深く掘り下げるともっと面白い作品に出合えるかと思いますので、気になった方は是非いろいろと探ってみてください!

Axyom



アシッド狂いやブレインダンス好きにはお馴染みBug Klinik RecordsのサブレーベルであるRave Alert Recordsから衝撃的なEPを去年リリースしたフランスのAxyom。ハードコアにサイケトランス、ドラムンベース、アンビエント、アシッド・テクノなどをミックスしたフレッシュなトラックはハードコアやテクノに限らず、様々なDJにとって重宝される内容。今後の活躍に期待です。

Dave Delta


90年代中頃から数多くのクラシックを連発し、今も邪悪でブルータルなテラーコア・スタイルでハードコア・シーンでは絶大な人気を誇るDelta 9のテクノ・サイド。Delta 9でも、アシッド・テクノやノイズをハードコアに落とし込んだ実験的な作品を発表しており、テクノ的なニュアンスの楽曲も昔から作っていましたが、Dave Deltaではストレートなテクノを主体としたダンサブルな楽曲をリリースしています。ストレートなテクノでありながらも、下地となっているのはハードコアであり、ノイズやインダストリアルの要素も大きく反映されているので、ハードコア・ファンにもオススメです。

Mickey Nox


切れ味の鋭い尖ったテクノをリリースしているオーストラリアのGreen Fetish RecordsのオーナーでもあるMickey Noxは、ハードコアやインダストリアル・テクノ、ハード・テクノといった枠に収まりきらない個性的で美的センスの高い楽曲で、ここ数年最も刺激的な活動をしているアーティストの一人です。去年リリースされた「Death Metal Henry EP」はMickey Noxの魅力が凝縮された傑作であり、RIOT Radio RecordsやSouth London Analogue Materialからのシングルもブレない姿勢を貫いた素晴らしい作品でありました。

Peaky Pounder



90年代後半からハード・テクノをリリースし、2000年代にThe Third Movementからハードコアとハード・テクノをミックスした独創性の高い楽曲をリリースしていたPeaky Pounderが2019年にリリースした復帰作は、彼にしか作り出せない独特なバランス感を持った素晴らしいハイブリッド・トラックでした。過去にThe Third Movementからリリースしていたハードコア・トラックは、[KRTM]のストレンジなハードコア・スタイルともシンクロする作風でもあり、MadBack RecordsやPRSPCT SSSPCRのファンは是非チェックして欲しい内容です。

Scørch / My_Initials



The Outside Agency/DJ Hiddenとしてインダストリアル・ハードコア/クロスブリード/ハードコア・ドラムンベースの名作を発表しているNoël Wesselsのテクノ・プロジェクト。2019年にリリースされたScørch名義ではインダストリアル・テクノにフォーカスを当てた作品を発表し、My_Initials名義ではエレクトロニカやハードコアもミックスしたオルタナティブなテクノをリリースしていました。TOAやDJ Hiddenでお馴染みの全ての音を埋もれさせずに聴かせる職人技的なサウンドと一筋縄ではいかない展開も反映されたNoël Wesselsらしい内容です。

Gijensu



テクノにガバとインダストリアルをエネルギッシュに掛け合わせたハイパーなトラックでアンダーグラウンド・シーンで人気を集めているGijensu。トランシーなメロディに突き抜ける様なアッパーなガバキックをテクノのグルーブで締め上げた力業の様なスタイルは、クロスオーバー化しているシーンの中でも異彩を放ち続けています。IST Recordsの現代版的なハイブリッド・トラックは、Casual GabberzやI Hate Modelsのファンにもオススメです。

Perc


Perc TraxからのAnsomeやGhost In The Machineのリリースなどで、ハードコアとテクノのクロスオーバーを実現させたPercも自身の楽曲にて、ハードコアを独自解釈したアグレッシブなテクノをリリースしています。UKらしい渋いインダストリアル・ミュージックの要素に加えて、ハードコアのエッセンスもミックスしたトラックはインダストリアル・ハードコアやリズミックノイズ、テクノイズ系のリスナーにもオススメ。

Keepsakes



VTSSやTommy HolohanのシングルもリリースしているHavenを拠点に、インダストリアル・テクノやEBM的要素を交えた独特の歪みのある楽曲が魅力的なKeepsakes。Minimal ViolenceやAnsomeの作風にも近い個性的なアナログ感があり、PCPやCold Rush Recordsの現代版とも言える様なハードコア・テクノ的なアプローチも感じられます。

Rude Awakening



インダストリアル・ハードコア・シーンのトップアーティストとして君臨するDJ Promoの別名義。初期はインダストリアル・ハードコアをテクノのフォーマットに落とし込んだユニークなトラックをリリースしており、ハードコアの要素とテクノの要素を兼ねそろえたハイクオリティな作品を残しています。2000年中頃から後半に掛けてRude Awakening名義でリリースしていたトラックは、まさに今の時代にフィットする物が多いかと思います。

Somatic Responses



Shockwave Recordings、Drop Bass Network、Praxisといってレーベルから実験的なハードコアやブレイクコアの名作を発表し、カルト的な人気を誇るイギリスの兄弟ユニット。25年以上に渡って定期的に作品をリリースしており、近年はエクスペリメンタル・テクノ/エレクトロ・シーンのアーティスト達から支持され、フランスのテクノ・レーベルRAARからもレコードを発表。彼等が90年代にリリースしていたアシッドコアやインダストリアル・ハードコアはPerc TraxやAnD、Ontal Seriesと非常に良い相性を見せています。