GHz Junglist interview #4 madmaid

GHz Interview, GHz Junglist

今月から全国発売も開始となったJungleコンピレーション”GHz Junglism”のインタビュー・シリーズの第四弾!

Maltine Recordsからのリリースや多彩なリミックスワークでジャンルや世代を超えて支持されており、GHz Junglismに激ヤバなJUNGLEトラックを提供してくれた若き異端アーティスト「madmaid」さんが登場です!

madmaid_prof
madmaid
https://soundcloud.com/madmaid
https://twitter.com/mmaid

 


Q.
madmaidさんの出身地と年齢は?

生まれも育ちも東京です。今年23歳です。

Q.
音楽に興味を持たれたのはいつ頃からですか?

最初のキッカケは中学生の頃に出会ったbeatmaniaですね。
beatmania自体も面白かったんですけど、自分はプレイするのが余り上手じゃなくて曲を聴く方が楽しいなって。それで、ゲームの中で流れている曲に興味を持ち始めて色々と探し始めました。beatmaniaの中で自分が好きだった曲のジャンルがRAVEとJUNGLEと書かれていたので当時のインターネット力でRAVEとJUNGLEのCDを調べたら、ジュリアナ東京のコンピレーションとJungle Maniaの存在を知ったのでブックオフで買って聴いていました。

Q.
中学生の頃からJUNGLEを聴いていたんですね

そうなりますね。最初に買ったのが「Jungle Mania 3」なんですけど、このシリーズの3番って中古とかでも未だにあんまり見かけなくてレア度が高いんです。Remarc/RIPとかLTJ Bukem/Horizonsが収録されていて内容も凄く良くて。
beatmaniaでJUNGLEとされてたのはどちらかと言うとDrum’n’bassよりだったので、Jungle Maniaを聴いた時に自分が思ってたJUNGLEとは違うなって(笑) でも、聴いているうちに段々と良さが解ってきて聴くのが楽しくなっていきました。

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Q.
beatmaniaで好きだった曲は?

good-cool – Senseって曲が凄い好きでした。

Q.
madmaidさんが中学生の頃には既にYOUTUBEってありました?何歳位からインターネットを使い始めたんですか?

インターネットは小3の時から使っています。割かし速いほうなのかもしれませんね。当時はずっと面白フラッシュ倉庫を見ていました。あとはピンボールで遊ぶ時しか使ってませんでしたね。
YOUTUBEは僕が小学生の頃にはもうありましたけど、まだ英語版しかなくて知名度が低かったかな。その頃、音楽はYOUTUBEよりもTSUTAYAに行ってCDを借りて聴いてました。

Q.
音楽制作を始めたキッカケは?

RAVEやJUNGLEとか、その辺の音楽がハードコアな音楽なんだなって知って。それで、Gabbaのレコードを聴きたくなってディスクユニオンに行ったんですけど、Gabbaは売ってなかったんです。聴きたくても売って無かったんで自分で作るしかないなって。

Q.
その時は何を使って作っていたんですか?

Venetian Snaresの動画を見たらRenoiseを使っていて面白いなって思って体験版を落として作り始めました。Renoiseは今もずっと使っています。

Q.
クラブに行き始めたのはいつ頃からですか?

Gabbaの後にHardtekやTribeを聴きだして。それで高円寺にあったELECTRO VIOLENCEというお店にレコードを買いに行き始めた時に店長さんから、今度代々木公園でRAVEがあるって教えて貰って。クラブとか興味はありましたけど、IDチェックがあったから行けなくて。それで代々木公園のRAVEは昼間だったので遊びに行きました。

Q.
madmaidさんの初リリースとなる作品は?

同人系の企画で化物語のコンピレーションがあったんですが、それに参加して収録された曲が始めて世に出た曲になります。単発ではMaltine Recordsからリリースした「Who Killed Rave at Yoyogi Park EP」が始めてです。

Who Killed Rave at Yoyogi Park EP

Q.
アーティスト名の「madmaid」の名前の由来は?

さっき話した代々木公園でのイベントが「MAD MAX」って名前だったので、そこからMADを取って、maidはDJ Sharpnelさんの「ワタシはメイド」という曲から拝借して「madmaid」になりました。

Q.
Bassline Houseに興味を持ったキッカケは?

2チャンネルにクラブVIPっていう実況スレでラジオDJ形式で曲を紹介している人がいて。そのラジオでKanji KineticのKawaii Riddimが流れていて聴いたんですけど、なんかピンときたんですよね。勢いとかサンプリングの仕方とかがGabbaに似ていて。
Bassline Houseに関してはKanji Kineticの影響が大きいです。Kanji Kineticが日本に来た時に茶箱でイベントがあってKanjiがBassline Houseの作り方講座をやっていて。それで色々と作り方とかを覚えました。

Q.
madmaidさんにとってBassline Houseの魅力とは?また、Bassline Houseの曲作りで大事にしていることは?

ベースが鳴っていて4つ打ちなら何をやっても許されるっていう自由さが良いですね。
曲作りに関しては最初はベースから作ります。良いベースが出来るとモチベーションも上がるので。

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Q.
madmaidさんが作られるBassline Houseは既存のBassline Houseの枠には収まらないスタイルですが、ご自身ではBassline Houseを作っている意識はあるんでしょうか?

Kanjiや僕が作っていたようなBasslineはMutant Bassと呼ばれていて、元々はビートはUKGでベースはFidget Houseっていうスタイルに近かったんですよ。なので自分としてはBassline Houseを作っている意識はあって、なんならUK Garageの流れの上にある音楽だと思っているんですけど、UK GarageのDJには中々受け入れられていないのが現状ですね。

Q.
最近のBassline Houseもチェックされているんですか?

Basslineは常にチェックしていますね。ずっと作っているし、リリースしていきたい。
最近はBass Houseの流れが出てきていて、個人的にはBasslineっていう一つのデカい流れになって欲しいですね。UKGとHouseの境目がなくて、ベースだけで皮一枚保って欲しいです。
日本人だったら Rhytone が良いです。
https://soundcloud.com/rhytone

個人的には今年UKに遊びに行った時にHadeanやSquire Of Gothosを見れたのが大きいです。Off Me Nutのスタジオにも遊びに行けて一緒に曲を作れたりして楽しかったです。
あと、UKのイベントでお客さんがBassline Houseでちゃんと踊っているのを見て、こういう音楽を好きで踊ってくれている人が居たのが嬉しかったですね。改めてBassline Houseを好きになって作っていこうと思いました。

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Q.
madmaidさんはクラブ・トラックを作られていますが、パーソナルな部分はクラブ・トラックを製作する際に反映されたりするのでしょうか?

曲を作る時は楽しさを優先しています。さすがに踊るとき位は楽しくしたいし、こういった音楽は踊る時に聴かれるので。
あとは、DJで自分の曲が使われる時に個性が出るようにしています。

Q.
LiveやDJの時はアグレッシブな動きをされていますが、ステージに立つときに意識されている事などありますか?

皆に踊って欲しいので自分も大きく動くっていうだけなんですけど(笑) 自分で作った音だと自分が好きな音になるんで、大きい音で鳴ってると楽しいので。
なるべくライブまでに新曲を1曲作るっていう決め事が自分の中であるんですけど、大体誰も気づいてくれないですね(笑)

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Q.
madmaidさんの作品はデジタルでのリリースが多いですが、フィジカルでのリリースはどう思われていますか?

フィジカルを強要してくるのはちょっと煩いなって気持ちはあります。アナログは絶対みたいな。バイナルしか出さないのも、正直あんまり好きじゃなくて。たまになら良いんですけど、ずっとバイナルのリリースだけっていうのは賛成出来ないなって感じですかね。
単純に不便なの嫌じゃないの?って。デジタルでも欲しいって人もいるだろうし。自分に関して言えばフォーマットに拘りは無いですね。皆が買いやすければCDでもデジタルでもいいです。

Q.
あまり積極的に作品を発表されていませんが、現在の消費スピードなどに対して抵抗などがあるのでしょうか?

僕の場合は曲のクオリティーをキープしたいんです。面白くないのをリリースするのは良くないと思っていて。
クオリティーがしっかりしたのを纏めて出したいっていうのがあって最近は作品を出さないようにしているんです。クオリティーのチェックに関しては他の人の作品や自分の過去の作品と差別化出来ているかどうかをチェックしたりしています。
消費のスピードは別に気にしていないですね。逆に今のスピードでも良いと思っています。10年後とかに掘り起こされて聴かれて面白がられるのも良いかなと。

Q.
今回、GHz Junglismに提供してくださった楽曲のコンセプトは?

あの曲は今まで出てきていたJUNGLEの良い所取りをしようと思って作りました。タイトルは、Grimeでよく使われているフォローベースをあの曲でも使ってたのでタイトルでも使いました。

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Q.
madmaidさんにとってJUNGLEの魅力は?影響を受けたプロデューサーは?

使っている素材や工程は同じ事をやっているのにプロデューサーによって出てくる音が全員バラバラなのが面白いですね。REMARC、BIZZY B、Debaserの作品が好きです。
まだ自分はJUNGLEを手玉にとってる感じがなくて。もう少し個性を出せるようにしたいですね。

Q.
今後の活動において目標にしていることは?

似たような音楽を好きな友達が増えてきたので、自分の周りのシーンが大きくなったら良いなと。友達が好きな音楽が広がっていくというか固まっていくというか、シーンになって欲しいですね。

Q.
madmaidさんよりも若いクリエイターが増えてきましたが、何かアドバイスはありますか?

売れたいなら売れたほうがいし、売れる手段は使ったほうがいい。
あと、若さを売りにすると結構な時間が立った後でも、まだ若い人って扱いになるので大変なことになりますよっと(笑)
曲作りに関しては個性を大事にしたほうが良い。皆と同じスタートラインに立ったあとの個性を大事にして欲しいです。

インタビュー/文:GHz Staff
※このインタビューは2016年10月5日に行われました。

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