Amen Break、Acid、ホラー映画など、様々な形式のチャート記事を公開してきましたが、今回の企画ではハードコア・テクノでは御馴染みの「Gabba Kick」に焦点をあてたトップ3チャートを公開!
国内を代表するハードコア系クリエイターの皆さんにGabba Kickが特徴的な楽曲のトップ3を教えていただきました!
ハードコア・テクノ以外のジャンルでもガバキックは広く取り入れられ、ラウドロック~メタル系のバンドからブレイクコア、トラップ、ポップソング、などのシーンでもあの特徴的な歪んだキックは使われています。
鳴っただけで無条件でテンションを上げてくれる魅惑のGabba Kickの世界に是非注目してみてください!
C-TYPE (殺人ヨットスクール)
https://twitter.com/djctype
最近はフレンチコアをメインにDJしてるので、SPEED FREAKやHELLFISHのような
展開をつけたキックも好みなのですが、今回は過去曲も含めて強烈なキックで印
象に残る3曲を選んでみました。
1.Delta 9 – Watch Yer Back(Industrial Strength)
https://www.youtube.com/watch?v=P74Mey8zhWE
95年リリース物。いまだ現役で良曲を出し続けるDELTA9が一番イケイケだった時期の曲。
オーソドックスなガバキックながらギターリフすら押しのけて前面で主張しまくる勢いがたまらない。
2.Naughty Observers – Untitled (Sut Rov)
https://www.youtube.com/watch?v=tl1l-dAamNk
Lasse Steenによる99年リリース物。
ハードコアアシッドを追及しすぎた結果、全体的に割れまくった音で延々と同じフレーズが続く中に強烈に響く暗いキックが不安感と悪夢感を増強させる中毒性の高い曲。
3.Dolphin – ZeroDark (Komplex Kommunications)
https://soundcloud.com/komkoms/dolphin-zerodark-clip
2014年リリース。DEATHCHANTからのリリースでも知られるDOLPHINの、暗く冷たいリフに追い打ちをかけるようにハードなキックが絡む曲。
Dustvoxx
https://soundcloud.com/dustvoxx
1.The Speed Freak – Gunja-sex Weemix
https://www.youtube.com/watch?v=4taOwqY9PUI
Lords of Acid – Marijuana in Your Brainをサンプリングの軸に据えているスピフリ先生の名盤「Freakwaves」の一曲です。
ここまで様々なキックドラムとサンプリングまみれの展開を違和感なく、一つのテーマで一貫してまとめ上げるアーティストは他にいないと思っています。色々なガバキックが鳴っておりますが(笑)、1:50からのガバキックが上物の雰囲気に合わせて徐々に強烈になっていく部分は自身も強烈に影響を受けました。この時代はいわゆるIDM方面に影響を大きく受けており、ビッグルーム化する前の実験的なフレンチコアシーンの成熟しきった形態という側面もあり、キックが一本化しがちな現在のハードコアシーンから見てもまだまだ発見が多いと思います。アルバム「DISINFORMATION OVERLOAD」に収録されているオリジナルバージョンと迷いましたがこちらも名曲です。
2.Alryk – Osiris
https://soundcloud.com/alryk/osiris
ハードテックシーンの中でも特に細かいフィル使いを得意とし、EDM/Dubstepシーンに大きく影響を受けた「Pumpcore」というジャンルを確立させたAlrykの2015年に出たアルバム「Nightmare」収録の一曲です。怪しげなメロディが光る中、4:33からガバキックを大胆に使っています。ハードテックではディスト―テッドな音は珍しいのですが、展開を変えるために上物を変えずにアップテンポハードコア的なガバキックにする手法は、作り手としてはマンネリ化せず尺を長くできるので取り込みたいところです(笑)。4/23に表参道WALL&WALLで開催される「UPSHFT」にて初来日するので、彼のAPC 40&Abelton Liveを用いた独特のプレイも見逃せないところです。
3.Deathmachine – Distort U
https://soundcloud.com/prspct-recordings/deathmachine-self-distort-ep-prspct-xtrm023-out-may
昨年6月にでた「Self Distort EP」の一曲です。Deathmachineの曲は昔から好きなのでかなり迷いましたが、最近のでも勢い溢れるこちらにしました。彼のキックはまさに機械が振動しているような感じで、上物もノイジーなだけでなく無機質な電子音や機械の駆動音などサイバーパンク溢れる音が多くかっこいいです。一時期クロスブリードも作っていましたが、退廃的な作風の彼には非常に合うものでまた作ってほしいものです。前作のアルバム「Engines of Creation」よりむしろ荒々しくなったのが個人的に驚きでした。コンピュータ上から制御されたディストーションのキックというよりは、アナログ的なファズを通してのキックに聴こえるので、昔の音も好きな自分としては嬉しいですね。
DJ Myosuke (MADCITY)
http://myosuke.com/
DJ Mad Dog Feat. MC Nolz & MC Syco – The Apocalypse (Official Unity Anthem 2015)
https://www.youtube.com/watch?v=bmVIi-5xCiQ
2015年にTraxtorm Recordsからリリースされた曲。勢いがあって重く、かつ綺麗に整ったキックに衝撃を受けました。完璧。
2014年頃に彼のキックのスタイルが変わるタイミングがあって、個人的にはこの曲で現在の形が完成されたように思います。
この曲が好きな人は、2016年に彼が立ち上げたDogfight Recordsをチェックしてください。
Broken Minds & NeoX – Smash the System
https://www.youtube.com/watch?v=WD6SgBYQBfo
2016年にThe Third Movementからリリースされた彼らのアルバムWelcome 2 Brokenland収録。NeoXとの合作。
この曲のKickがとにかく重い!箱で鳴らすと圧がものすごい。そもそも曲の音量がでかすぎてズルい。
僕も彼らと合作したことがあってその曲もTTMから出てるんで良かったら聴いてください。ちなみに彼らは現在上記のDogfight Records所属。
Rude Awakening – The Ritual
https://www.youtube.com/watch?v=z0e8V8yyv5Q
2014年にThe Third Movementからリリースされた曲。Rude AwakeningはTTMのボスであるPromoの変名義。
Industrialな感じのノイジーで無機質な曲。この曲の凄いところは、Kickのみで聴かせるアレンジ、展開。
ほぼKickしか鳴っていないストイックな曲なのに聴いていて飽きない。
Numb’n’dub (5gene/カオティックイラマチオ/AAMM)
https://soundcloud.com/numbndub
1.Suckafish P Jones – Totally Debase (feat. Babymachine)
https://suckafishpjones.bandcamp.com/track/totally-debase-feat-babymachine
“これグライム?でもガバキック!”
結構前に共演したオーストラリアのラッパーかつトラックメーカーの楽曲。グライムのリズムだけど、メインのキックがガバキックでライブでも非常に破壊力のある感じだったの覚えてます。個人的にガバキックはバンドでいうギター的な破壊力、力強さの象徴なんで、ハードコアテクノ以外で、しかも、UKのストリートミュージックであるグライムとミクスチャーされてるなんて、最高にイケてる発想だなと。自分のスタイルもそうだけど、それぞれのジャンルが持つ要素を別ジャンルに混ぜ込んで、突然変異みたいな種ができる面白さがわかわりやすい一曲だなと思います。
2.Headhunterz feat. Krewella – United Kids of the World
https://www.youtube.com/watch?v=k22RM7GS4k8
“Music is our weapon!!!”
音楽は誰も傷つけないけど、いろんな力を与えてくれる。去年出たアルバムにハードスタイルの楽曲があるんだけど、その曲を作りたいって思わせてくれたのがこの曲です。歌に込められらた”いじめ反対”のメッセージと、ガバキックがもつ力強さが絶妙に折り重なってて、久々に、ガバキックかっこいい!ってなったの覚えてます。ガバキックはハードコア(テクノ)の要素だし、やっぱり攻撃力というか、何か不条理な事に反対して戦う時の勇気や意志を、グッとサポートしてくれるように思います。
3.KAN TAKAHIKO feat. Numb’n’dub – Seasonable hours
https://soundcloud.com/edp_official/seasonable-hours-kan-takahiko-demo
“ガバキックでソカ!”
KAN TAKAHIKOさんと制作した楽曲で、LIVEでもよくプレイしてる曲です。陽気なソカのリズムにサビ部分がガバキックになるという人気のチューンなんですが、上記に述べた2つの楽曲より、ライトな使い方ができた作品になったなと。ガバキックって個性が強い音だから、これで4つ打ちにしてしまえば、もうハードコア(テクノ)の完成!ってな感じだけど、そこを敢えて、”あれ?よく聴いたらガバキックじゃん!”って感じライトに使用できた良い例だと思います。
ロックバンドのギターで例えたら、重ためのギターリフじゃなくて、比較的高い所でギターリフを弾いている感覚。
でも普通のソカ以上に攻めた感じに聴こえるようにできて、自分たちらしい作品ができたと思ってます。
RoughSketch (Notebook Records/Yatsuzaki Hardcore)
http://notebookrecords.net/
ガバキックの『サウンド』が衝撃だった作品
■Endymion ft. Murda – Stoner
https://www.youtube.com/watch?v=7dwlT_VGd1Y
「こんな低いキックが、ここまで綺麗に鳴らせるなんて!」 と当時衝撃を受けました。Eのキック!
当時のEndymionはハードコアに新しいサウンドを積極的に取り入れていたので聴いてて毎度驚かせれました。
■MYST – Man Bear Pig
https://www.youtube.com/watch?v=uhDA_Q6WQnI
ハードコアキックは一発のインパクトがもちろん大切ですが、ちょいちょい挟むトリッキーなトリックも醍醐味の一つ!
その中でもこのトラックのトリックは異次元でした。上述のEndymionの流れからなのですが、Nightbreedのサウンドが全体的に好きです。→https://www.youtube.com/user/wearethenightbreed
■Black Flowers – Taste of Death
https://www.youtube.com/watch?v=lg9Nl-L3wO8
最近聴いて面白いなーと思ったのはこういうキックです。
アタック感が今風のゴンゴンした質感で、リリース感と独立した印象のあるキック。
ハードテックやフレンチコア的なアタック感じゃないのが面白いなぁ~と思ってます。アタック感とリリースで分離したものだと↓こういうのも出て来てて幅が広くなってきたなぁと!
https://soundcloud.com/mistortion/fuck-the-psymachine-mistortion-23-remix
ガバキックの『使われ方』が面白いなーと思う曲も貼りますね!
ジャンル飛び越えてサウンドの選択肢の一つとして存在感出てるの良いなーと思います。
・虹のコンキスタドール「ぴくしぶおんど」
https://youtu.be/DIP1cVu9-Sc?t=1m49s
・Knife Party & Tom Morello – Battle Sirens
https://youtu.be/3GG4Oi-bxEc?t=2m53s
ガバキックまみれのイベントを僕の拠点札幌で行うのでもし興味持った方がいらっしゃれば遊びに来て下さいね!
YATSUZAKI HARDCORE #52~ART OF FIGHTERS Japan Tour in Sapporo~
2017.5.5(fri) 22:00~ @ Plastic Theater (札幌市中央区南5西1キタイチビルB1)
http://www.plastictheater.com
エントランス 3000円
http://ameblo.jp/shcblog/entry-12262166869.html
ACID、AMEN BREAK、ホラー作品のチャート記事も是非チェックを!
ACID TOP3!!!
http://ghz.tokyo/2016/12/20/acid-top3/
The Amen Break Top 3!!!
http://ghz.tokyo/2016/09/08/the-amen-break-top-3/
http://ghz.tokyo/2016/10/24/the-amen-break-top-3-pt-2/
What’s your favorite Horror Work?
http://ghz.tokyo/category/interview/whats-your-favorite-horror-work/