DNB TOP3!!!

DNB TOP3

これまでにAmen break、ACID、Gabba、ホラー作品などのチャート記事を企画してきたGHz Blogですが、今回は日本でもテクノ、ハウス、ヒップホップに並んで大人気のジャンル「Drum’N’Bass」のTOP3チャートを公開!!!

Drum’N’Bassは常に進化し続け、Neuro Funk~Liquid Funk~Autonomic~Techstep~Darkstepといった様々なスタイルを生み出し、ロック~メタルといったバンドとの融合やゲームミュージックや映画音楽などにも取り入れられ、今も世界中の音楽シーンに影響を与え続けている革新的な音楽ジャンルの一つです。

このチャートでは国内で活躍するDrum’N’Bass系クリイター/DJの方々を中心にお気に入りのDNBトラックを3曲紹介していただきました!ピックアップされた楽曲はどれも素晴らしいものばかりですのでこの機会に是非Drum’N’Bassの深い魅力に触れてみてください!





Anode
https://anode.bandcamp.com/releases

Proket ‎– Apocrypha E.P.
https://www.discogs.com/ja/Proket-Apocrypha-EP/release/989619

Offkeyからの2007年作。熱さの無い凍り付く質感、トランシーな下音でハメにハメられました。「Technoid/Techno-dnb」と当時myspaceやマイナーなDNB関連フォーラム等で騒がれてました。過度のVEN●EANCE社の音ネタ乱用、極めてインスタントな手法でしたが、そのエディットセンスからこのEP以降多くのフォロワーや模造トラックを生み出していた様に思い出します。

Pyro & Amex – Facem
https://nerverecordings.bandcamp.com/track/facem

現在Ctrls名義でToken Recやテクノシーンで活躍するPyroとPerkussiv主宰Amexのコラボ2009年作。質感はドライでかなり荒いですが、セオリー無視の曲構成、手法的にやるのも早すぎたモタり&ドチャり過ぎのコンクリートダーティテクノDNBナンバー。当時かなりハマりました。激しくストロボ光る中聴きたいです。

Karl O’Connor ‎– Post Crucifixion
https://www.discogs.com/Karl-OConnor-Post-Crucifixion/release/6852536

曲ではありませんが一貫した世界観が素晴らしいです。インダストリアルテクノ重鎮 Regisの実名プロジェクトKarl O’Connorによるドラムンベースミックステープ。Samuel Kerridge主宰Contortからの2015年作。カセットテープ媒体のお陰もあり、雰囲気抜群の高湿度、陰鬱Lo-Fiテックステップ集。アートワーク含めここ最近のお気に入りです。



HALU
www.djhalu.com

Johnny Jungle ‎– Killa Sound
http://www.soundbytesrecords.com/johnny-junglekilla-sound-bw-whats-on-ya-mindsuburban-base-recordssubbase52
https://itunes.apple.com/jp/album/killa-sound-whats-on-ya-mind-single/id817714953

今回チャートを書かせていただくにあたって、好きな曲やアーティストが多過ぎてどういう視点で3曲をピックアップするか本当に悩みました。今回は自分が衝撃を受けてその後のスタイルに影響が出た曲、というテーマでピックアップしてみました!

DJを始めた2012~2014年頃までは最新のドラムンベースを基本的には掘っていたんですが、この曲が完全にその後のわたしの趣向を変えた衝撃の出会いでした。 2014年にデジタルリリースされていて偶然見つけ即購入。それまで見たこともなかった “SB”(SUBURBAN BASE RECORDS) のレーベルマーク、しかもオリジナルリリースは95年…!!!!
20年近くの時を経て私がこれを聴いて、しかも色あせずにマジカッケーーーと思えている事自体に感動しました。10~20年前にこうしてリリースされて時代を作ってきた往年のアンセム楽曲たちは、私にとっては全てが新鮮な新譜のように聞こえるし、ヤバい曲見つけた!!!! と思ってフロアに投下しても先輩方は当たり前ですが必ずといっていい程、全曲網羅してる(笑)

2017年リリースと1995年リリースが、同じ時代にひとつのplayの中でミックスできて、しかも違和感もなく超かっこいい!!! こういうところがジャングルっていう音楽の最強に魅力的な部分だと思っています。
冒頭の “BADBOY SOUND~” の部分はたくさんのトラックに使用されているし、そこが聞こえただけで間違いなく上がってしまいます。
新譜&疾走機械的ドラムンベースを軸としていた初期の頃から、現在の私のジャングルのスタイルに変化したきっかけの曲です。

Dub Phizix & Chimpo ‎– Ossibisa
https://dubphizix.bandcamp.com/track/ossibisa-ft-chimpo

Dub Phizixは最も好きなプロデューサー。先日の来日公演で、ご存知【Marka (feat. Strategy)】のイントロが投下された瞬間、感動のあまり号泣してしまったくらい(笑)
【Dub Phizix & Chimpo ‎– Ossibisa】は、2015年にリリースされた彼のアルバムの中の1曲で、ここ2年くらい私のplayの中で核となっている重要な曲です。

THE・ドラムンベースではなくて、THE・ジャングルでもない、でもめちゃくちゃ図太いベースラインと民族楽器とのバランスが至高…!!!! この曲の後にHIPHOP的な着地もできるし、世界旅行的な民族系リズムにも持って行ける、もちろんジャングルに戻ることもできる天才的な曲だと思っています。

このアルバムの発売以降、私のplayはドラムンベース/ジャングルに留まらず、BPMはそのままで縦横無尽に自分の行きたい方向に行き易くなりました。
私自身が HIPHOP や REGGAE の影響を強く受けていることもあって、色んなジャンルの良いとこ取りをしつつ必ずドラムンベース/ジャングル感を残した楽曲を作ってくれるのがDub Phizixの大好きなところ。

Tim Reaper – Innerspace (feat. Parallel)
http://www.blumarten.com/product-category/vinyl/
https://blumarten.bandcamp.com/album/all-right-innerspace-feat-parallel

3つの中で最も新しいリリースのこの曲【Tim Reaper – Innerspace (feat. Parallel) 】
Blu Mar Ten から今年の3月にリリースされていて、個人的にBlu Mar Ten はファンタジーっぽい綺麗な所謂リキッドのレーベルというイメージ、なのにまさかの大好物ジャングルがリリースされている…!!!!

都会感のあるメロディアスなリキッドと、土臭い生音のジャングルって相反するところにあると思っていたんですが、Tim Reaper はそれを絶妙なバランスで一つにしてくれているトラックが多く、最近よくチェックしては現場に投下しています。
東京という街でジャングルを鳴らしているわたしにとって “都会感” というワードは今の気分に合っているし、土臭さやオールドスクール感こそがジャングルの醍醐味と思っていた意識を2017年らしい解釈でアップデートできた出会いになりました。

同じく今年の3月に Repertoire からも【Tim Reaper – Lanterns (Dead Man’s Chest Remix)】という曲がリリースされていて、こちらも絶妙な都会ジャングルになっています。



SHINS-K
https://soundcloud.com/shins-k

ドイツ、ベルリンをベースにDJ、プロデューサー、イベントオーガナイザーとして活動しています。ベルリンに移住した2008年以前は東京のD’n’B/Jungleシーン界隈で謳歌というクルーの一員として活動していました。現在の自分の楽曲、DJを聞いたことがある人はそうは感じないかもしれませんが、自分では今でもジャングリストだと思っています。自分の音楽活動と並行して、アラブのオルタナヒップホップアーティストを招集、交流するプロジェクトAIWA ( https://www.facebook.com/aiwaberlin/ ) をベルリンにて主催しています。

Photek ‎– Natural Born Killa EP
https://shop.metalheadz.co.uk/download/met008d

この時代のPhotekの作品はアレンジの繊細さ、サウンドスケープ、ミニマリズム、等いまだに影響を多大に受け続けています。今でもよく聞くし、D’n’Bとか関係なく音楽として素晴らしく完成度の高い作品。師匠。

Goldie — Mother
https://www.youtube.com/watch?v=I-FcAl8kY08

アルバム’’Saturnz Return’’ のCD1枚目に収録の60分に及ぶ常識の枠を超えた叙事詩的な1曲。実に私的な曲で、タイトル通りお母さんに捧げたという曲。GoldieについてはD’n’B/Jungleシーンの人達から賛否両論ありますが、自分は彼の功績、存在はシーンにとって非常に重要な役割を担ってきたと思っています。ちなみにこの曲のプログラミングはOpticalの仕事みたい。

Flynn & Flora — Native Drums (CD Album)
https://www.youtube.com/watch?v=X8bEAD4lvlg

正直ベスト3作品に絞るのが難しかったんですが、初めて生でしっかりしたサウンドシステムで体感してぶっ飛ばされた経験という意味では、2001年DBSでのFlynn & Flora。これぞJungle / D’n’Bといった本当にほぼドラムとベース、プラス上音のサンプルというシンプルな構成なんだけど土着的? なリズム、音に持って行かれ、気づけば朝までフロアで音を浴び踊り続けた記憶があります。以降ブリストルサウンドに強い下北のディスクショップゼロに足しげく通いました。



STGM (Abstract Lab)
https://soundcloud.com/sutegomer

Calyx&Teebee – Long Gone
http://www.junodownload.com/products/calyx-teebee-long-gone/2781433-02/

一曲目は大定番DNBレーベルのRAM RecordsからCalyx自身のボーカルによる、今にもアウトドアに駆け出したくなるような一曲をチョイスしました。
Calyx,DJ TeebeeはそれぞれMoving ShadowやSubtitlesなどでソロリリースを重ねていて、ユニットとして活動を開始したのが2004年頃。
Calyxはソウルフルな音使いとバウンシーなベースを駆使する一方で、Teebeeはトランシーで冷徹なサウンド。静と動、それぞれのスタイルが融合した化学反応ユニット、Calyx&Teebeeは今後も目が離せない存在です。

Furney – Uhulu
http://www.junodownload.com/products/furney-foundations-ep/2669093-02/

僕がLiquidfunkを本格的に聞き始めた頃から愛聴しているFurneyのRagga JungleとLiquidfunkのちょうど中間のような一曲です。
A,B二曲通してキレのあるビートプログラミング、心地の良いサブベース、煙たいラガサンプルが最高で、これだけで白飯3杯食べられそうな、噛めば噛むほど味の出るスルメなEPです。
Furneyといえば「Rhodes For D」や「101 Keys EP」のようなローズ・ピアノやストリングスをフィーチャーしたジャジーなトラックのイメージが強いのですが、こういったネタ物でも器用に纏め上げる所がまたニクいアーティストですね。そろそろ日本に呼ばれないかな…。

Omni Trio – First Contact
https://www.beatport.com/track/first-contact-original-mix/619078

Omni Trioが2001年にリリースした「Even Angels Cast Shadows」より最も好きな一曲です!
僕のドラムンベース原体験がPS1のゲーム「サルゲッチュ」に寺田創一さんが提供していたサウンドトラックだったこともあり、94~05年位のローポリゴンなゲームの雰囲気を感じられる曲を漁っていた所で出会った一曲です。実際にRockster Gamesの名作、Grand Theft Auto : 3にも収録されていたみたいですね。
哀愁ただようミニマルなメロディー、浮遊感、テクニカルなビート全てが懐かしいあの頃に連れ去ってくれそうな一曲です。



DJ YAHMAN (Tribal Connection)
https://soundcloud.com/djyahman

Roni Size – Snapshot
https://www.beatport.com/track/snapshot-original-mix/7698641

俺の中での、ザ・ドラムンベースな曲です。2000年のリリース。オリジナルな1曲。ドラムとベース、特にベースラインは、80年代の コンピュータライズド ・レゲエのリディムのようにも聴こえる。ファンク・バンドの一夜のライヴのリズム隊のヤバさを1曲に凝縮した感じでもある。淡々と進行するハードコア・ミニマル・ドラムンベースともいえるかな。ハードコアなんだけど、バキバキしてるわけではなくて、丸みを帯びた、不思議なハードコア。

2016年に、リリース・レーベルのFull Cycleから、Swindleによるリミックスがリリースされました。このリミックスがリリースされる前のアナウンス的な、いわゆる外部への音出し解禁日みたいな、その日のUKのラジオ番組の放送を、どんなリミックスになったんだろう、とドキドキしながら聴きました。

DJ Hazard – Ready 4 This feat. MC White
http://playaz.co.uk/store/dj-hazard-ready-4-this-ep/

スレンテンは、何万ヴァージョン作られたのかというぐらいにずっと人気のある、レゲエの黄金のリディム。このベースラインは、ロックの「Summertime Blues」が始祖とされ、カシオトーンのプリセットになり、レゲエで使われた、80年代コンピュータライズド・ダンスホール・レゲエの代名詞。それを見事にブチ上がるジャンプアップ・ドラムンベース化したHazardはマジ凄い。2003年のリリース。アホカッコよすぎて笑う、っていう‘あのゾーン’に突入してます。

ベースが入ってきた瞬間のリワインド、何度やったんだろう。本編に入るまでは、ダンスホール・レゲエな感じで、ワクワク感を盛り上げる。現場で、MCがいない時は、ラガマフィンのアカペラを乗せて、リディム遊びをしたり、楽しめる曲です。

Digital – Deadline
https://www.beatport.com/track/deadline-original-mix/1202758

ズンドコトライバルなドラムンベースの、俺の中の最高峰といえばコレ。Digitalのオリジナルなトラック・メイキングの極致的な曲といえそう。2000年のリリース。最初聴いたのは、ドラムンベースの大型パーティーで、誰か忘れちゃいましたが、リリース前の、つまりDubplateをかけていて、これが鳴った瞬間ビビりまくって、なんじゃこりゃと騒いだ覚えがある。リリース後、レコードでは45回転なんだけど、33回転にしてトライバル・ハウスとつないだDJもいました。

リリース・レーベルのFunction Recordsから、2015年に、Dub Phizixによるリミックスが発売されてます。このリミックスは、Dub Phizix節が全開の、スッカスカでありながら突き上げる、南米テクノやデジタルクンビアのパキパキ感がドラムンベース化したような、危ないパーカッションwithダンスホールなトラック。



101
https://twitter.com/currymania
https://drumandbass101.wordpress.com/author/drumandbass101/

今回はNeurofunkに絞って最近のリリースからクラシックまで広い範囲でトラックを選ぶつもりでしたが、偶然にもすべて2001年リリースのトラックになりました。

Cause 4 Concern – Synergy – Cause 4 Concern 2001
https://www.beatport.com/track/synergy-original-mix/920245

Drum&Bassのフォーマットを守りながらもその制約の中に納まり切らずに、
静かな狂気すら感じさせる変態的で鋭いトラックを作るC4Cは最も好きなアーティストの一人です。

Funkの要素が発展的に継承された、まさにNeuro”Funk”と呼ぶにふさわしいトラックで、トラック全体を通して反復されるオープンハイハットと蠢くベースがフロアを狂乱へと導きます。じっくり聴いていくと汗臭くてドロドロした生々しさや気持ち悪さがあり異形のFunkだと思います。ひょっとしてC4Cはエイリアンではないか?とときどき思います。

Faith In Chaos – Possession (Kemal + Rob Data Remix) – Outbreak Records 2001
https://dylanbackcat.bandcamp.com/track/faith-in-chaos-possession-kemal-rob-data-remix

活動休止後から年月を経ても、いつまでも遺した名曲が語り継がれ、現在でもレコードが高値で取引される等、熱狂的に支持されている伝説的なアーティストKemal&Rob DataによるRemix。別名義のKonflictでも多数の名曲を遺しています。

重たいハーフテンポを導入部と中盤に据えた展開は、2001年当時とても斬新に感じられました。Noise / Industrialとも通じる無機質で絶望的な世界観を見事に描きだしていて、聴いていると知らないうちに精神がそこに浸かりきってしまいそうになったものです。

余談ですが 2014年にリリースされたCalyx&TeebeeのFabriclive 76では、新しい曲が並ぶ中、2000年のKemal&Rob Dataのトラックが収録されており、嬉しさのあまりいろんな人に熱く語って迷惑がられました。

Stakka & Skynet Featuring DJ Friction – Altitude – Underfire 2001
https://skynetaudio.bandcamp.com/album/clockwork-remastered-2014

Neurofunkの基礎を築いたUnderfireからリリースされたDrum&Bass史上に残るEssentialな傑作LPのひとつStakka And Skynet – Clockwork収録の名曲。

2001年当時、盛り上がっていたBroken BeatsやClub Jazzをよく聴いていて、正直なところDrum&Bassへの興味が薄れてきていたのですが、そんなときにDrum&Bass ArenaからAndy CのMIXCDがリリースされました。Drum&Bass Arenaからの最初のリリースということもあり飛びつくように買って聴いたところ、内容が素晴しく、再びDrum&Bassに戻っていくきっかけになりました。その終盤に重要な役割を果たしたのがこのトラックです。

持続する疾走感と反復により徐々に増していく高揚感でフロアを陶酔させていくある種のTRANCEのような構成で、ときどき入るフィルインが極上のデザートのような美味さです。


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