『ブレイクコア・ガイドブック』特集PT.6 – Hardcore

Breakcore特集

ブレイクコア・ガイドブック発売記念特集の第六弾!

ブレイクコアのルーツでもあるハードコア・テクノに特化したダンサブルで過激なブレイクコア的なハードコアをピックアップ!DJユース的でもあり、UKハードコアやフレンチコア、インダストリアル・ハードコアともミックス出来る抜群の楽曲をご紹介します!

Mr KiLL – Haters Want War

Peace Offのオーナーであり、ブレイクコア・シーンのトップ・アーティストであるRotatorのハードコア・プロジェクト。2005年にリリースされたこのレコードでは、フレンチコアにブレイクコアとパンクをミックスさせた暴力的なサウンドでブレイクコア・シーンからハードコア・シーンまでも巻き込んで衝撃を与えました。ラガマフィンやギターのサンプルの使い方にアナーキーさが出ていて流石であります。

The Teknoist – Lion Girl

DeathchantやRebelscum、Industrial Strength Recordsといった名門ハードコア・レーベルから素晴らしいレコードをリリースしているThe Teknoistは、ブレイクコアとIDM/エレクトロニカをハードコアに落とし込んだオルタナティブなUKハードコア・スタイルを作り上げた重要なアーティストの一人です。Teknoistのメロディアスでエモーショナルなハードコア・スタイルが全面に表れた名曲「Lion Girl」は未だに根強い人気があり、ブレイクコアのDJ達もプレイしていました。

Duran Duran Duran – Over Hard

ブレイクコアとハードコアに、ゲットーテック~アシッド~IDM~ジャングル~テクノを混合させたケミカルチックなダンストラックで高い人気を誇るDuran Duran Duranが2010年にリリースした名盤 2ndアルバム。収録曲の「Bass Face」では、UKハードコア的なパワフルなキックとノイズをミックスした異色のスタイルでブレイクコアともハードコアとも違ったユニークな曲を披露しています。

Kid606 – Wicked

デビュー当時からディストーションとグリッチで捻じ曲げたアヴァンギャルドなハードコアを作っていたKid606が、Peace Offのハードコア専門レーベル「Bang A Rang」からリリースしたサイバーパンク感のあるハードコアチューン。Kid606のハードコア・サイドが全面に出た傑作です。

Detest ‎– The Massacre

現在はアップテンポやメインストリーム系ハードコア・シーンからも支持されるドイツのDetestが2006年にStrike Recordsからリリースしたミニアルバム「The Massacre」の収録曲。伝統的なドイツ産ハードコアのスタイルを継承しながらも、ブレイクコア的な要素も大きく取り入れたアグレッシブでハイクオリティなハードコアで唯一無二のスタイルを確立しています。ミニアルバムに収録されているBong-Raのリミックスも見逃せない内容です。

Servants Of The Apocalyptic Goat Rave – Servants Of The Apocalyptic Goat Rave

Bong-RaとSickboyによるユニットの1stアルバム。レイビーなシンセと無骨なガバキック、メロディアスでドゥーミーなストリングスが合わさったダークコア・スタイルはインダストリアル・ハードコアやドゥームコアにも通じます。ヨーロッパのアンダーグラウンドなRaveシーンの雰囲気も感じさせる危険なサウンドには中毒性があります。

DJ Donna Summer – Panther Tracks

ハードコア~ボルチモア~ジャングル~オールドスクール・ブレイクビーツ~ブレイクコア~ハード・ハウスまで飲み込んだカラフルでハイパーなダンスミュージック・トラックを生み出していたJason Forrestによる別名義。この1stアルバムはDJ Donna Summerの熱いパッションが凝縮された素晴らしく勢いのある傑作になっています。

Gore Tech – Ghost Warfare

2010年以降の新しいブレイクコアをクリエイトしていたUKのGore Techの1stアルバムには、ブレイクコアを軸にUKハードコア~ドラムンベース~ダブステップをミックスしたメタリックでフィジカル度の高い楽曲が収められており、この曲ではラガコアにUKハードコアのエッセンスを交えさせたスタイリッシュな曲を作り出しています。

DJ Floorclearer ‎– Roger’s Massive Armpits EP

超高速ガバキックが容赦無く襲い掛かってくるブルータルなスタイルでエクストリーム愛好家から絶賛されていたDJ Floorclearerの記念すべき初単独レコード。ブレイクコア+スピードコアの完成形の一つであり、未だに凄まじいインパクトがある狂気的な1枚。

Venetian Snares – WINNIPEG IS A FROZEN SHITHOLE

数あるVenetian Snaresの作品の中でも最も暴力的でハードコアな内容のアルバム。アーメンブレイクよりもガバキックの方が多く使われており、ハードコア~スピードコア系のリスナーにもオススメ出来ます。最強に狂ったハードコア・アルバムなので聴く人を選ぶかもしれませんが、Venetianの暴力的な美学が堪能出来る名盤でもあります。