『ブレイクコア・ガイドブック』特集PT.1

Breakcore特集

ブレイクコア・ガイドブック』上下巻の発売を記念して、GHz Blogにてブレイクコア特集を開始!
第一弾は『ブレイクコア・ガイドブック』の予習も兼ねて、様々な名曲が一気に楽しめるブレイクコアの入門に最適なDJミックスをご紹介します!

今回ピックアップしたのはブレイクコア・シーンで絶大な支持を受けている実力派DJ達のミックスとなっており、収録されている曲もブレイクコア・クラシックとされている物が多く使われています。それぞれスタイルはバラバラですが、間違いないスキルと選曲でブレイクコアの魅力が凝縮された素晴らしいミックスを選んでみました。
ここで紹介しているミックスを聴けば、ブレイクコアはダンスミュージックでありながらもパンクや実験音楽の要素も兼ねそろえた究極のハイブリッド・ミュージックだというのが感じられるかと思います。

C64 
カナダを拠点に90年代後半から活動していたブレイクコアDJ。ディストーション・ブレイクにインダストリアル的なサウンドを複合させた初期の硬派なブレイクコアを中心に、ジャングル~ドラムンベース~ハードコアをスムーズに繋ぎ合わせるスキルフルなDJスタイルでブレイクコア・シーンで高い評価を受けており、未だにC64のミックスは人気が高いです。
Peace OffからのMix CDのリリースやVenetian Snaresとのツアー、そしてヨーロッパでの大型フェスティバルへの出演などでアンダーグラウンド以外からも注目され、C64のDJミックスは様々なリスナーからチェックされていました。


Baseck
ターンテーブリストとして圧倒的なスキルと個性を持ったアメリカの凄腕DJ。ブレイクコアとハードコア・テクノを主体にIDM~ブロークン・ビーツ~スカルステップまでをグルービーなスクラッチとフェーダー使いで繋ぐ神業的なプレイでブレイクコア・シーンにおいて伝説的な存在です。
DJプレイには不向きとされる様な扱いづらい複雑なブレイクコアのレコードを簡単に繋ぎ合わせていき、ラップのアカペラやスクラッチを重ねてマッシュアップしていく高度なスタイルは今も昔も誰も真似が出来ません。



DJ /rupture
エスニックでトライバルなブレイクビーツとダンスホール・レゲエを主体に、ブレイクコアやIDM、ジャングルをマッシュアップする知的かつフィジカル度の高いDJスタイルで一時代を築き上げたアメリカの奇才。
2000年初頭にオンラインで公開されたミックス「Gold Teeth Thief」の衝撃は凄まじく、このミックスを入り口にブレイクコアに興味を持った人々も多いはずです。IDMや実験音楽にラップのアカペラをマッシュアップしたり、ダンスホールのセクシャルな要素にブレイクコアの凶暴性を巧みにミックスするDJスタイルは革命的でした。


Parasite
90年代末からイギリスはブリストルにて活動していたUKブレイクコアのパイオニア。DJとしてもブレイクコア~ラガコアにラガジャングルをミックスしたダンサブルな名作ミックスを多数残しています。
ブレイクコア・シーンにとって重要な役割を果たしたParasiteのレーベル「Deathsucker Records」の10周年を記念して作られたミックスでは、Bong-Ra、Shitmat、BeeSnares(Venetian Snares)、Krumble、Sickboy、Electromeca、KnifehandchopがDeathsuckerからリリースした名曲が多数収録されており、ラガジャングルやマッシュアップの要素が強く、フロア対応のダンサブルなブレイクコアがメインとなった聴きやすい内容なのでブレイクコア初心者にオススメです。


Zombieflesheater
ドイツの極悪ハーシュ・ブレイクコア・アーティストのZombieflesheaterはブレイクコアのマニアとしても知られており、DJでは非常にレアなブレイクコアのレコードを多数プレイしています。
Zombieflesheaterの楽曲に影響を与えたであろう90年代から2000年初頭のパンキッシュなブレイクコアをメインに、アンダーグラウンドでカルト的な人気のあるマニアックなレコードが一気に聴けるので、深くブレイクコアを知りたい方はマストです。