“GHz Interview28” Noripi

GHz Interview

今回のGHz Interviewは、最先端のダンスミュージックからオールドスクールまでを独特な視点からミックスされる個性的なDJスタイルでも人気が高く、ピアノ男氏とのRaveガバ・ユニット「リョウコ2000」としても活動されているNoripiさんへのインタビュー記事を公開!
音楽的なルーツからNoripi以前の活動やリョウコ2000の結成の経緯など、Noripiさんのユニークな経歴の背景が垣間見える貴重なお話をお聞きしました。

Q.
ご出身はどちらですか?

青森の弘前です。寺山修司とか人間椅子のワジーとか、D-SETOさんとかと同じ出身地です。青森の中では割と都市部でしたけど本当に遊び場がなかったですね。若い子が遊べるようなところが。

Q.
Noripiさんの音楽的ルーツを教えてください。電子音楽に興味を持たれたキッカケは?

一番最初に音楽に興味を持ち始めたのは姉の影響で僕が小学3年生くらいの時、青春パンクと言われてたものが丁度ピーク時くらいで姉と同じ部屋で過ごしてたんですけど、一日中GOING STEADY、太陽族、ガガガSP、175RとかSTREET ROCK FILEに掲載されてそうなバンドが永遠にかかってて、そこで普段見てた音楽番組以外の音楽に触れた感じですね。

中学に上がるとそのままバンドにのめり込むんですけど、部活の先輩で音楽に詳しい人がいて、ジョンゾーンが運営してるTzadik RecordsのCDを大量に持っててFred Frithとか巻上公一、Derek Bailey、Marc Ribotとか貸してもらったり、それまで触れた事がなかったMERZBOW、非常階段、暴力温泉芸者、MASONNAとかノイズミュージックを彼から教えてもらいました。彼とは今音信不通なんですけど、それまでバンドにしか興味がなかった自分にインプロ、現代音楽、ジャズとか幅広く教えてくれた大切な人です。この時教えてもらったものが今の僕の土台になってます。

あとは家から自転車で行ける範囲内に古本屋がいくつかあって、今はもう潰れてしまったお店なんですけど、そこにBURST、STUDIO VOICE、宝島、クイックジャパン、鬼畜系、FOOL’S MATE、DOLLとかのカルチャー、音楽誌のバックナンバーが大量にあったのでひたすら立ち読みしては、高校に上がるまで携帯電話とかPCを持ってなかったので最寄り駅にPCレンタルスペースみたいなのがあったので古本屋で見た面白そうなバンドとかキーワードを検索して視聴するのが日課でした。当時はそれ以外の娯楽が他に本当になかったです。
クラブミュージックに興味を持ったキッカケはCDRさんですね。確か一番最初に聞いたのはdistraction paradiseって曲だったと思います。

サウンドももちろんですけど、ジャケットにアニメのキャラクターのそのまま露骨に貼り付けたり、映像のコラージュ感は当時物凄い衝撃を受けました。
高校生の頃に自分で作ったカセットを欲しい人に無料で配ってたんですけど、急にCDRさんから連絡が来て良かったらカセットもらえませんか?とツイッターのDMが来て交流が始まり、定期的にお互いの作ったドローイング、コラージュした作品を入れたり、mixCD、ほぼゴミみたいなのを同封してメールアートみたいな事をしてました。

Q.
Noripiさんとリョウコ2000の楽曲やDJセットでは、ガバの要素が取り入れられていますが、ガバを聴かれたのはいつ頃からですか?Noripiさんはガバのどういった所に魅力を感じられますか?

ガバを聴き始めたのはニコニコ動画からだと思います。高校上がってすぐくらいですかね。DJ Sharpnelさんを聞いててそこからタグで関連していった感じです。
うーん…魅力…。正直なところ、ガバ、ブレイクコア、ジャングル、ハードコアとかに関してはほぼ同じ感覚で聞いていて、クラブミュージックを聴くキッカケにもなったジャンルでもあるので…うーん……元から自分の中に根づいてるもの過ぎて上手く説明できないですね…でも10代の頃はその頃特有の悶々とした気持ちをハードなサウンドが打ち消してくれる感じが魅力的で聞いてたかもしれないです。


Q.
ご自身で音楽制作を始められたのはいつからですか?

一番最初に曲を作り始めたのは小学5年生くらいですね。でも楽器は全く出来なかったので父親の携帯電話に録音機能があったのでひたすらそれにメロディを吹き込んでました。

Q.
Noripi名義以前はどういった活動をされていましたか?

高校生の頃、スマッシュパンプキンズみたいなバンドがやりたくて仕方なかったんですけど気があう友人や知人が全くいない事に気付いて、中学の終わりくらいからハーシュノイズに興味を持ち始めてたので、これなら今持ってる機材で一人で活動出来る!と思って「epepe」と言う名前でノイズをやってました。

地元でも一応ライブ活動してて、クリスチャンマークレーが大好きでレコードプレイヤーをギターみたいに背負ってノイズを搔き鳴らしたり、箸にコンタクトマイク付けてその音にエフェクトかけてご飯を食べる。みたいな足立智美さんに影響受けたインスタレーション的な事もやってたんですけど、ほとんど相手にされてませんでしたね…酷い時だとお店の店主に裏に呼ばれて説教されてましたね…「メロディとか入れて見るといいんじゃない?」みたいな嫌味を言われてそれをきっかけに地元ではライブ活動をしなくなっちゃいました…

Q.
Noripiとして活動を始めたのはいつ頃からですか?

norpiとして活動し始めるギリギリまでepepeの活動はしていて、epepeの活動が当時若干マンネリ化してて、何か新しい事を始めようと思って始めたのがnoripiですね。2015年の秋頃だったと思います。あとその当時onomatopeeeさんみたいなスカム的なブレイクコア、ハードコアな人があんまり最近見かけないなと思っていて今またやり始めたら面白いんじゃないかと思ったのがキッカケです。

Q.
楽曲制作される際に使用されている機材は?どういった工程で楽曲を作られているのでしょうか?

Abelton使ってます。気が向いた時にしか作ってないので何か参考にしたい方は過去のインタビューを見るのをお勧めします。

Q.
ご自身の音楽活動においてポリシーとしている事などはありますか?

正直なところポリシーらしいポリシーはないんですけど、今の名義もそうですし、前名義の時も何ですけど一度強く印象付ける曲やイベントに出演すると〇〇の人みたいな感じに分けられてしまうのが強烈にストレスを感じてしまって…極力曖昧な存在でいたいなと思って活動してますね…

Q.
ピアノ男さんとの「リョウコ2000」がスタートした経緯を教えてください。

一緒に何かやり始めたのは2018年の春にM3でスプリットCDを出すのがキッカケですね。その後、僕が毎年夏にasiaで呼ばれてたイベントがあって、毎年僕と僕が今一緒に出たいDJ、トラックメイカーの人と組んで出演するのが恒例行事になってて、その時はユニット名はなかったんですけど今のリョウコ2000の原型ができた感じですね。イベントの時ピアノ男がめちゃくちゃ楽しそうで終わった後に「なんかめっちゃ泣きそうになった」って言われたのがすごいジーンときたのを覚えてます。あと、その年の大晦日のナードコアの夜明けにお互い出演オファーが来てて、もうここで声かけなかったら今後誰ともユニット組んだりすることないだろうなと思ってピアノ男を誘ってリョウコ2000が結成された感じです。


Q.
リョウコ2000の楽曲制作はどの様にして行われていますか?

ピアノ男が原型を作って僕が肉付けする流れですね。まだお互い探り探りの状態です。

Q.
先日リリースされた『Parasitic Dominator』にはどういったテーマやコンセプトがありますか?収録曲の中で特に気に入っている楽曲はありますか?

テーマと言うかノスタルジーになり過ぎず、完全に新しいタイプのガバを作ると言うよりかは二人の好きなオールドスクールのガバの良い部分を継承しつつ、アップデート出来るような曲を作りたい話をepを作る前にお互いしていた記憶があります。
個人的に「Xanadu2000」ですかね。前までイベントでBPMを完全に消失させて再構築していくみたいな流れを作るのが流行ってて、その感じを曲に落とし込めないかと考えて作った曲ですね。それを再現出来ているかは定かではないですが…

Q.
現在国内で気になっているアーティストやレーベルはありますか?

ELMSさん、朝生愛さん、Kazuma Kubotaさんが気になっています。

Q.
音楽活動において目標としている事はありますか?

目標…うーん…。クラブでよく会う人たちといつもクラブで会ってイベントが終わったらそのままバイバイって感じの流れが嫌なのでその人たちと旅行行くのが目標ですね。熱海とか。

Q.
今後のスケジュールを教えてください。

発表されてないのもありますが5月くらいまで出演予定があるので気になる方は僕のツイッターかインスタを見て下さい!
https://twitter.com/no_repeat1993
https://www.instagram.com/no_repeat1993/?hl=ja