“RAGGACORE” HISTORY

GHz Junglist

今回は、JUNGLE特集の番外編として「Raggacore」の特集記事を公開!

RaggacoreはBreakcoreのサブジャンルの一つとして知られていると思います。元々Breakcore自体が定義しづらいジャンルであり、そのサブジャンルともなると更にカテゴライズが難しく、何をもってRaggacoreなのかは断言しづらい所ですが…。

この記事では、あくまで個人的な視点からRaggacoreのルーツを辿りつつ、過去の名曲をご紹介出来ればと思います。


まず、Raggacoreとされる楽曲の特徴としてはダンスホール・レゲエのボーカルやサウンドクラッシュのスピーチ音源をサンプリングした物やレゲエのリズムカッティングやベースラインの引用であったり、レゲエから派生したジャンルであるDUBやJUNGLEの要素をBreakcoreに取り入れたスタイルがRaggacoreと認識されているかと思います。

RaggacoreやBreakcoreが誕生する以前にもダンスミュージックの中ではレゲエからの影響を受けた楽曲は多く、Breakcoreのルーツとして大きいRAVE/Hardcoreの楽曲ではレゲエのサンプルを使った物が90年代初頭に数多く誕生しています。

The Prodigy – Out Of Space (Official Video)

The Prodigy – Everybody In The Place (Dance Hall Version)

SL2 – On A Ragga Tip

The Ratpack ‎– The Searchin’ For My Rizla

RAVEなどのダンスミュージック・カルチャー以外にも初期のBreakcore系アーティストの中にはNew Wave系からの影響を公言している人達も居ましたが、そういったジャンルでもレゲエ(特にDUB)を取り入れた作品は多く、Mark Stewart、Muslimgauze、Tackhead/ON-U SOUND、Meat Beat Manifest、Jah Wobble/Keith Leveneといったアーティスト達の作品もRaggacoreの一つのルーツとなっているのかもしれません。

Mark Stewart & The Maffia – Liberty City

そして、90年代中頃になるとBreakcore系アーティスト達が多大な影響を受けているレーベル「Digital Hardcore Recordings」からリリースされていたALEC EMPIREやEC8ORの楽曲にレゲエ・サンプルを見つけることが出来たり、I Wanna Be A HippyやHappy Birthdayなどのヒットチューンで御馴染みのTechnoheadがレゲエディージェイをフューチャリングした楽曲を発表したり、Omar Santana、Syndicate(Bloody Fist Records)などのブレイクビーツを多用したHardcore系アーティスト達が自身の楽曲でレゲエをサンプリングしています。

90年初頭から中頃にかけてBuju Banton、Super Cat、Shabba Ranks、Shaggy、Snow、Capletonといったダンスホール・レゲエのアーティスト達がメジャーレーベルからヒット曲を連発しており、広範囲にレゲエやダンスホールが承認されていた事やJUNGLEの大きなムーブメントの影響を考えると、他ジャンルにおいてもレゲエのサンプルを取り入れる事がある種のトレンドにもなっていたのかもしれません。

Technohead – Banana-Na-Na

EC8OR & MOONRAKER – SMASH HIM TO GROUND

Alec Empire – Bass Terror

Alec Empire – Squeeze The Trigger

Syndicate – Jungle Muffin

そして、この時期のHardcore Techno(Gabba)の中で最も印象的なのがオランダのDJ Ruffneckのレーベル「Ruffneck Records」からのリリースです。Raggaサンプルの多用とJUNGLEをさらに高速化させたマッシブなブレイクビーツをGabbaと重ね合わせたハイブリッドな楽曲からは現在のRaggacoreに通じる物を強く感じます。

RuffneckといえばWedlock名義での「Ganjaman」が非常に有名で今でもプレイされるクラシックですが、これ以外にも多数のRaggaネタやJUNGLEとGabbaのハイブリット・トラックが存在します。

この他にもRuffneckはDNBに特化したレーベル「Ruff-Teck」も運営しており、自身のトラックやDJ HIDDEN、Current Valueの作品をリリースしており、Crossbreedの原型を2000年初頭に作り上げていました。

Wedlock – Ganjaman

Hyperion – Ruffneck reality

Knightvision – The search for marihuana

Nitrogen – Bad Bwoy

Da predator – Dubplate style

Lockjaw – Ruff ‘n ruggin

Predator vs Wedlock – Jungle place

90年代後半になり、DJ SCUD、Society Suckers、Aphasic、Noize Creator、Eiterherd、Geroyche、Hecate、Davros(Abelcain)の登場でBreakcoreというジャンルが確立されてきた中で、DJ SCUD、I-Sound、Rich KidといったAmbush所属のアーティスト達はダンスホール・レゲエやサウンドクラッシュのサンプリング、DUBの手法を取り入れており、今に通じるRaggacoreのフォーマットを作り上げています。

DJ Scud & Nomex – Total Destruction

Asian Dub Foundation – Witness(DJ Scud Remix)

Bloodclaat Gangsta Youth(DJ SCUD) – Kill Or Be Killed

Jah Vengeance(I-Sound) – No Light

これまではフレーズ単位でのRaggaサンプル使用だったのがアカペラを丸々使った物が増え、2000年以降はRotator、Knifehandchop、Parasite、Enduser、FFF、LFO Demonといったアーティスト達によるラガマフィンの要素を強めた直球なダンストラックとしてのRaggacoreが誕生。この時期には多くのアーティスト達がRaggacoreテイストの楽曲を発表しています。日本からもDope Coara、OVe-NaXx、FRX、Skyfishといったアーティスト達が自身の楽曲にRaggacoreの要素を反映させていました。

Rich Kid(The PANACEA) – Badman Anthem (Soundbwoy Remember This!)

Rotator – Chicken Boogie

Knifehandchop – Bounty Killer Killer

FRX – XXX

LFO Demon – Classwar Dynamite

Amboss – Ganja Blends

Snares Man!(Venetian Snares) – Clearance Bin

Venetian Snares – Hand Throw

Enduser – Beatdown

Enduser – I Come from Cincinnati

Geroyche – Dus Dem Out

DopeCoara – Nuttah Which is not Original

FFF – Murder

REPEATER – Collision Repair Specialist

Cardopusher – Jamaican Tang

サンプリングがメインであったBreakcoreの中でも実際にレゲエディージェイをフューチャリングした楽曲も発表され、Bong-Raは現在Skindredのボーカルとして活動しているBenji Webbeとのコラボレーション楽曲を製作し、Noize Punishment(Forbidden Society)はRaggaテイストのMCを披露するPopular Warriorとのユニット「Unsane Virusez」で数枚のレコードをリリース。Shockwave Recordingsから作品をリリースしていたGabba/Speedcoreクリエイター「Bazooka」はDaddy Freddyをフューチャリングした12″レコードをリリース、Kid606主催のTIGERBEAT6はサブレーベル「Shockout」を立ち上げジャマイカのレゲエ・アーティスト達とのコラボレーションをおこないました。

Unsane Virusez – Bullet In Your Head

Drop The Lime/Red Dragon – Gal Yu Nuh Beg (Push Push Remix)

Com.A/Wicked Act – No Heathen (Ghetto Plasma Mix)

Bong-Ra – Jah Kingdom

Bong-Ra – Blood & Fire

Bazooka – RuffnezZ alongside Daddy Freddy

Bazooka – Ganja (Bazooka Remix)

そして月日は流れ現在はRaggatekやRavecoreとのコンビネーションも生まれ、Mr Bad Monkey、C3B、Meow Meow、Breakforce Oneといったアーティスト達にRaggacoreの遺伝子は受け継がれているのではないでしょうか。
今回ご紹介出来たのはRaggacoreのごく一部ですが、少しでも気になったアーティストや曲があれば是非チェックしてみてください!

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