“GHz Interview07” KenKoTaiji

GHz Interview

GHzのインタビュー企画の第七弾は日本の次世代ブレイクコア・シーンの代表格「KenKoTaiji」が登場!

ネットレーベルを拠点に作品を発表されており、最近ではCock Rock DiscoやRagga Terror Frontといった海外のレーベルのコンピレーションにも参加し、そのハイクオリティーな楽曲は現在のブレイクコア・シーンの中で抜きん出た存在になっている注目のアーティストです。

カオティックなブレイクビーツのうえにチップチューンやクラシカルな音色を合わせたメロディアスな曲や、メタルやパンクなどのバンドの音源をマッシュアップしたダンサンブルな曲など、様々なスタイルの楽曲を披露しており、どんなスタイルの楽曲でもセンスとクオリティーがずば抜けて高く、ジャンルを越えて今もっともチェックすべき期待のアーティストです。

今回はKenKoTaijiさんの初となる貴重なインタビューに加えて、なんと!KenKoTaijiさんが特別にGHz Blogの為にMIXを提供してくれました!
このMIXはKenKoTaijiさんが今まで作ってきたオリジナル曲とリミックスのみで構成されたスペシャルな内容となっており、KenKoTaijiさんの魅力が凝縮されたベスト版的な音源となっております!

是非、インタビューと合わせてMIXをチェックしてください!

KenKoTaiji – My Tracks & Remixes MIX

Track List
01_KenKoTaiji – Quickening
02_Ove Naxx – Wabisabi Violence (KenKoTaiji Remix)
03_KenKoTaiji – Dun Di Place Remix
04_KenKoTaiji – All I Want (IKINUKI-AmenPunk)
05_Captain Raveman – Pursuit (KenKoTaiji Remix)
06_KenKoTaiji – Break Time
07_KenKoTaiji – Lol
08_e-coli – Munster Jig (KenKoTaiji Remix)
09_KenKoTaiji – naturally curly hair
10_KenKoTaiji – Scratch of neck (YabaiKore! Release Party Version)
11_KenKoTaiji – MaSaYuMe
12_KenKoTaiji – ToyBox
13_KenKoTaiji – In Dying Days (BUTTA-GIRI Remix)
14_KenKoTaiji – Scrambreak
15_Meow Meow – face down yoshi up (KenKoTaiji Remix)
16_Meow Meow – kkwwiiijjjllll (KenKoTaiji Remix)
17_KenKoTaiji – 10-ZoKu
18_Squarepusher-Iambic_9_Poetry(KenKoTaiji_Remix)
19_KenKoTaiji – Change
20_KenKoTaiji – Bye Bye my Home
21_KenKoTaiji – Quickening lll

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Q1.
出身地と年齢を教えていただけますか?

出身地は福岡で年齢は今年28です。最後の昭和と初めの平成が混ざってる年代です。

Q2.
KenKoTaijiとしての活動はいつからスタートされましたか?音楽活動を始めたキッカケは?
KenKoTaijiの名前の由来があれば教えてください。

はっきりと覚えてないのですが、おそらく20~22歳くらいからだと思います。
キッカケは18歳くらいからギターを弾いてたのですが、金属アレルギーで弾けなくなりまして…でもなんか音楽はしたいなぁと思ってて、そこで高校時代の友人にsHimaUという名義で活動してる人がいるのですが、その友人がPCで曲を作ったり、ライブをやってるのを見たりして電子音楽のほうに興味を持ちました。

そのsHimaUが出てたイベントがDJ天さんが開催されてたVERSUSというイベントで、そのイベントの影響もすごく大きいです。自分のクラブ初体験だったのですが、色々衝撃を受けました。”ゲームボーイ持ってライブしてる人達がいる。。何してるか全くわからんけどめっちゃかっこいい!そしてめっちゃ楽しそうにしてる!”って思って自分もやりたくなりました。その時期に丁度自分がVenetian SnaresやAFX,squarepusher,μ-ziq,,,等を知り始めたころだったのでドンドンそっちのほうにハマり始めました。

KenKoTaijiの名前の由来はSickboyというアーティストの名前をもじってつけました。痛さとダサさとアホさがなんかいいなって思って、多分名義が人とかぶることはないだろなと思いこれにしました。自己紹介の時にちょっと恥ずかしい以外はこの名前を気に入ってます。

Q3.
どんなジャンル、アーティストの作品に影響を受けていますか?
音楽以外で影響を受けた作品(映画、本、アニメ、芸術など)はありますか?

影響を受けてるのは数が多くて書ききれませんが、Slipknot,Chris Clark,Venetian Snares,NUMBER GIRL,THA BLUE HERB,SikTh,Deftones,Korn,ROTATOR,TechDiff,weyheyhey !!には特に影響を受けていると思います。
それとVERSUSに出てたUSKさん、撲殺少女工房さん、maruさん、gigandectのメロディー、曲の雰囲気にスゴイ影響受けてます。あと、sHimaUの曲が1番自分に与える影響が多きかったです。世界的に有名なアーティストより身近な友達が作る曲のほうが自分には効果はばつぐんでした。

音楽以外では映画で「Requiem For A Dream」と「リリィシュシュのすべて」はよく見ました。使われている音楽がすごく好きでよく聞きました。
アニメはカウボーイビバップとエヴァンゲリオンが1番ハマりました。当時小学生でしたが学校をずる休みしてビデオで何回も見るくらい好きでした。

Q4.
KenKoTaijiさんの楽曲はBreakcoreというジャンルにカテゴライズされているかと思いますが、KenKoTaijiさんはご自身のことをBreakcoreアーティストだと思われていますか?

Breakcoreに憧れすぎて曲名とかにも使っちゃった時もありましたが、自分が”Breakcoreアーティストですか?”と聞かれたときに言いよどんじゃうところがあります。”Breakcoreアーティストだ”って自分で名乗るのにどこかしっくりこない気がして胸のあたりがモヤモヤしてしまいます。うまく言えないですがなんか矛盾を感じてしまいます。特に1年前くらいからはネット上(Twitterとかのsns)で”Breakcore”,”ブレイクコア”って単語をあまり使わないようになりました。これはなんとなくですけど、あまりこの言葉を自分が発しちゃいけない雰囲気がしてるので。

でも、なんだかんだBreakcoreって言葉の響きと文字のバランスが好きなので、人からBreakcoreアーティストって紹介して頂けると嬉しくなります。

Q5.
Breakcoreのどんな部分に魅力を感じましたか?KenKoTaijiさんが最初に聴いたBreakcore系の楽曲はsHimaUさんの楽曲になるのでしょうか?

いえ、sHimaUはその時はまだノイズを作ってました。僕が初めてBreakcoreと呼ばれるもので聞いた曲はVenetian SnaresのHospitalityだったと思います。自分が始めて買った電子音楽系のCDがClarkのTed epでコレはジャケ買いで買ったのを覚えてます。それでClarkからwarp系→コーンウォール→Vsnaresの順で知ったと思います。その時地元福岡のタワレコで売ってたのがHospitalityとCavalcade Of Glee And Dadaist Happy Hardcore Pom Pomsだったのでこの2つを買いました。

Breakcoreの魅力、、たくさんありますがまず自分にとってはリズムが気持ちよすぎました。頭の回転数とマッチしてるようなドラムの速度のドンピシャ感と、ドラムが歌ってるような感じがとても気持ちよかったです。綱渡りで落ちそうで落ちないバランス感というか乱雑でいるようで計算されていていいところでくずして、、文字にしたら伝えづらいですが、もうとにかく初めてVenetian Snaresを聞いた時は笑顔になれました。嬉しかったです。それからは色々ネットで調べていきました。

NOTES ON BREAKCORE (2006)
https://www.youtube.com/watch?v=SJcAYtVCstw

この動画は何回も見ました。多分Breakcoreで調べた人はみんな見てるやつだと思います。自分は英語がわからないので、何を言ってるのか全くわかりませんでしたがもうカッコいいなーって見てました。もうヒーロー大全集です。

あと印象に残ってるのが、これもみんな知ってるインタビューだと思いますが、
http://www.ukadapta.com/contents/Music/Music_ned&droon%20.html
この中で”-インターネット無しにブレイクコアは存在すると思う?”のDroonの答えです。これが自分の中でBreakcoreの文化の核になってる気がします。反発する人いると思うしこういうこと書かないほうがいいのでしょうが、正直自分はこう思います。
Breakcoreの魅力はあとは使えないゴミやガラクタ集めてカッコいいもの作っちゃうところとか、”それやっちゃっていいの!?”っていうのをやっちゃうところとか,,書いていったらキリないですが、やはり自分はBreakcoreが好きみたいです。前のQの答えに重ねますが、Breakcoreを自分の中で神格にしちゃってるところがあるから自分で名乗るのが気が引けるのだと思います。

Q6.
曲作りのプロセスを教えてください。現在使用している機材は?
ビートとメロディではどちらを先に作られていますか?どんな時に曲のアイディアは生まれますか?

曲作りで今使用してる機材はソフトウェアではStudio OneとRenoiseをReWireで繋いで使ってます。Studio OneがマスターでRenoiseがスレーブです。ハードウェアはElektronのOctatrack,MonoMachine,MachineDrumを使ってます。自分はビートとメロディをどちらが先に作るかはその時の気分です。曲のアイディアは人の曲やライブに影響されて生まれることが多いです。

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Q7.
近年のBreakcoreシーンではCrossbreedの影響を強く受けた楽曲が多く、Crossbreedを取り入れたBreakcoreのアーティスト達が増えましたが、KenKoTaijiさんはそういったCrossbreedやハードコアな4×4 Kick的な楽曲を作っていませんが、そういったジャンルの音源や手法に興味は無いのでしょうか?

興味がないわけではないですがなんか曲作ってると違う感じになることが多いです。4つ打ちも挑戦してみたいとは思ったりするのですが、いつも
“ダー ダー ダー ダー ダー ダー ダー ダー….”

“ダーツク ビーダカ ボー-ゥ ドゥージー ツクチー ヂーウー ダカダカ ピーウー…. ”
みたいに頭の中で改変されてしまいます。説明が下手でわかりにくくてすみません。。
4つ打ちのものやループのものは聞くのは大好きなのですが作ろうとするとどうしてもまだ自分は我慢できずに展開を変えたくなってしまいます。落ち着きのある人間になりたいです。

Q8.
曲を作る際にテーマ、コンセプトなどを決めて作られているのでしょうか?

コンピレーション等でレーベルのオーナーさんにお題を出された時は考えたりしますが、他では特に自分でコンセプトを決めたりってことはしないです。もうその時の気分で曲を作ってることが多いです。”これを作ろう!”って決めるより、”なんかわからんけど、なんかできちゃった!”のほうが自分はいい結果というかおもしろい曲になってる気がします。

Q9.
楽曲製作において自身の中でルールやポリシーなどはありますか?

曲を作る時で自分自身で決めてることは、簡単なことでいいのでやったことないことをすることを心がけてます。例えば使ったことないVstやソフトを使ったり、この機能使ったことないなってものを使ったり、、、とか自分でしかわからない範囲ですがなるべくやったことないことをやろうとは思ってます。

ドラムループやキックは今は自作するようにしてます。ドラムループはOctatrackとMachineDrumで、だいたいいつもAmenbreakのリズムパターンで32ステップのものを作ります。サンプリングCD等のBreaksをOctaで単音にきって打ちこんでMDで補強する感じです。それをStudio Oneに録音してEqやらコンプやらを使って自分好みにととのえて、最後に単音にきってRenoiseのinstrファイルとして保存してます。(単音にきるのは打ち込むときに打ち込みやすいようにするためです)これをいつも新しい曲を作る前に7,8個ほど作ります。そしてそれらを次の新曲で使ったらそのBreaks達はもう基本使用禁止にするようにしてます。(メインで使うAmenbreakは使用可、ただし違和感を感じたら新しく作って音をととのえるようにしてます)キックはソフトで作ったりMachineDrumで作ったりしたものをディストーションのVstかけたりして作ってます。作った音ネタを使用禁止にするのはただマンネリ防止と自分自身のステップアップにもなるかなと思ってそうしてます。

曲を作り始めたころは人の曲のブレイクとかからサンプリングしたりsHimaUから音ネタをもらってそれを使ってたりしました。けれど、その時に外国の方から”お前sHimaUの別名義だろ?”ってメッセージがきたことがありまして、、彼からもらったサンプル使って彼の曲の作り方を真似て作ってたので似てて当たり前だったとは思うのですが、それがめちゃくちゃ悔しくてそれからは自分で作るようにしてます。(曲によっては人からサンプリングしたのも使ってたりするので全曲ではありませんが)

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Q10.

KenKoTaijiさんの音源はネットレーベルからFREE DOWNLOAD形式を中心に発表されてきましたが、フィジカルリリース(レコード、CD、カセットなど)をどう思われていますか?音楽活動をするにあたって金銭的な部分は必要とされていないのでしょうか?

自分は音楽作って自分で聞いて満足して、さらに人に聞いてもらえたらもう万々歳でお腹いっぱいになっちゃいます。お金を頂けて自分の好きなことができるのが1番最高だとは思いますが、客観的に”KenKoTaijiの曲をお金を払って自分は買うか?”と考えた時に、いっつも”自分だったら買わない”って答えになります。まだまだ自分のレベルが人様にお金を頂くレベルではないな~っと考えてしまいます。言い方変えたら責任を持ちたくないただの逃げの考えなのかもしれません。この壁を越えるための度胸をつけることが自分には必要だなと思います。

フィジカルリリース自体はとても素晴らしいと思います。自分はもう今はデータで買ったり落としたりが主体になってしまいましたが、CDを買ったりしてた時のような、好きなアーティストの新アルバムが出る発売日にわくわくしてた感情が今はなくなってしまったように思います。データで落としたり人に送ったり、すっごく便利で最高だと思うのですが、数も膨大に増えて1曲1曲にあてる時間の割り合いが、CDを買ってた時期と比べるとものすごく減りました。soundcloud等で曲を聴く時も飛ばし飛ばし聞いて、ふと気づいたら、”あれ、、結局今日1曲もまともに聴いてない..”って時があったりして、聞き方を考えなくちゃなと思ったりしました。

Q11.
UKのパーティー「JUNGLE SYNDICATE」に出演されていましたが、海外でのライブ経験から何か得るものはありましたか?日本と海外のパーティーで違ったところは?刺激を受けた共演者などはいましたか?

人生初の海外でしたので、ライブ以外にも色々勉強になるところは多かったです。日本と海外のパーティーで違ったところは、うまく説明できないですが雰囲気がやっぱり日本とは違うなぁと思いました。その”どこが違うの?”のところが自分には説明できる語録がないです..申し訳ありません。ただ音楽を聞いて楽しそうに踊ってて笑顔な人達がいるのは世界共通だと思います。

刺激を受けたといえば共演者の方全員です。3フロアあったので全部は見れませんでしたが、どこもかしこもかっこよかったです。自分はライブ経験自体がまだ10回もない(おそらく7,8回)くらいのぺーぺーなのでもっと経験つまなきゃなと思いました。
自分の都合であちらには少ししかいれませんでしたが、本当にいい体験をさせてもらいました。とても親切にしてくれましたし、JUNGLE SYNDICATEの関係者の皆様には感謝しかありません。

JUNGLE SYNDICATE

Q12.
福岡のシーンに関して教えてください。現在の福岡のシーンはどんな状況なのでしょうか?

福岡のシーンに関しては自分からは何も言及できないです。僕自身が何もない時は家に引きこもりたい体質で、あまりクラブに遊びに行かないので現場が今どうなってるのかとかは言える立場にいないです。
シーンについては何も言えないですが、福岡は素晴らしいアーティスト&DJさんがたくさんいます。福岡大好きです。

Q13.
現在注目されているアーティストは?

たくさんいすぎて書ききれないですが、
Laxenanchaosはずっと追ってます。以前からネットで曲を聞いてましたが憧れの人の1人です。

去年2度生でライブを見れる機会がありましたが、ライブも素晴らしかったです。

あと、ばいを般若さんの発信されてる情報はチェックしてます。ホント尊敬してます。リリース情報とか殆ど、ばいを般若さん頼りで甘えっぱなしです。

Q14.
今後の活動において目標としていることや挑戦してみたいことはありますか?そして、新しい作品のリリース予定はありますか?

ただシンプルに続けることを目標にしてます。気分屋なので曲をしばらく作らなかったりする時期や、音楽以外のことで忙しくて中々したくてもできないこともあるでしょうが、できる限りやり続けたいなぁと。多分これは簡単なようで難しいことだと思うので挑戦したい&していきたいです。

リリース日が確定してるのは今のところないですが、新しいEPを作ってます。いつになるかはわかりませんがリリースされた際には聞いていただけたら幸いです。

KenKoTaiji
https://twitter.com/KenKoTaiji
https://soundcloud.com/kenkotaiji

インタビュー/文:GHz Staff
※このインタビューは2016年6月2日に行われました。